医療

タクシーで医薬品貨客混載~今夏にも実証スタートへ【長野県茅野市】

薬+読 編集部からのコメント

タクシーを活用した非過疎地域での医薬品の貨客混載運送について、長野県茅野市は今夏頃に事業実証を全国に先駆けてスタートする計画を示しました。現在タクシー業者団体と諏訪薬剤師会から意見聴取をしており、収益性や医薬品の安全性・品質確保について検討し、3月までに事業計画をまとめる方針です。

3月までに事業計画策定

長野県茅野市は、タクシーを活用した非過疎地域での医薬品の貨客混載運送について、3月までに事業計画を作成し、今夏頃には事業の実現可能性を検証する概念実証を全国に先駆けてスタートする計画だ。現在、タクシー業者の団体と諏訪薬剤師会から、事業を進めるに当たっての懸念点などを意見聴取しており、タクシー会社の収益性や貨客混載した場合の医薬品の安全性・品質確保について検討し、事業計画をまとめる方向だ。


現行のルールでは、タクシー事業者がタクシー車両を用いて貨物と旅客の運送を一緒に行う場合は、「発地と着地がタクシー事業の営業区域内で、過疎地域とすること」が要件となっている。

 

人口減少や少子高齢化に直面している地方部での健康や医療の課題解決に焦点を当てた「デジタル田園健康特区」に指定された茅野市は、貨客混載運送を行える許可条件について、利用頻度が高く収益が見込まれる医薬品配送に限り、発地・着地の双方が非過疎地域でも実施可能とするよう特区での規制改革を通じて検討を行っている。

 

通常、医療機関や薬局から患者宅までの医薬品配送は、薬局の責任のもと、緊急の場合は薬剤師が直接配送、2~3日後の配送であれば個別に郵便や宅配業者を手配して実施している。

 

ただ、茅野市内は訪問看護を活用した在宅医療の利用機会が広がっており、医薬品配送業者が対応できないケースが発生しているのが現状だ。観光用途でタクシーが多く利用されていることから、在宅医療での医薬品配送に活用するアイデアに行き着いた。

 

現在、茅野市がタクシー業者の団体と諏訪薬剤師会からタクシーを活用した医薬品の貨客混載における課題や懸念点などをヒアリングしている。タクシー事業者からは収益性の確保、諏訪薬剤師会からは医薬品の安全性・品質の確保が課題として示された。

 

茅野市企画課DX推進室は、「夏頃に概念実証をスタートさせる計画だが、最初は必要最小限の範囲で始めたい。医薬品の品質・安全性を確保する観点から、厳格な温度管理が求められない医薬品などを対象に、タクシーによる貨客混載を検証していく」との考えを示している。

 

諏訪薬剤師会の古屋真一会長は、「医薬品を急いで届けなければいけない場合や、地域で不足する医薬品を薬局や患者宅に配置する場合に、このシステムを使えるとありがたい」とコメント。今後に向けては、「緊急時対応でタクシーを医薬品配送に利用する場合に、利用可能な料金水準を検討したい。また、医薬品が確実に患者宅まで届いたのかをオンラインなどを活用して確認する仕組みも必要」と話している。

 

内閣府は昨年12月、「国家戦略特区において取り組む規制改革事項」を公表。現行制度でカバーされていない過疎地域における貨客混載の実施に関するニーズの把握については、「全国的なアンケート調査等を踏まえ対応を検討し、今年度中に結論を得て、来年度に速やかに必要な措置を講ずる」としていた。

 

茅野市の事業で一定の成果が得られれば、医薬品配送で直面しているドライバー不足という課題解決につながる可能性もある。

 

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出典:薬事日報

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