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西洋医学とは異なる理論で処方される漢方薬。患者さんから漢方薬について聞かれて、困った経験のある薬剤師さんもいるのでは? このコラムでは、薬剤師・国際中医師である中垣亜希子先生に中医学を基本から解説していただきます。基礎を学んで、漢方に強くなりましょう!

第21回 基本から学ぼう! 中医学を知るおすすめ本~応用・辞典編~

前回は中医学初学者の方へおすすめの本をご紹介しましたが、今回はその次のステップとして読んでいただきたい本と、中医学には欠かせない熟語などを調べられる辞典を2冊ご紹介します。興味を持ったものから手に取ってみてくださいね。

<初学者からステップアップする、少し応用編の2冊>

  • ④『全訳中医基礎理論』 (中医薬大学全国共通教材) たにぐち書店/浅野周 (翻訳)(3,000円+税)
  • ⑤『中医学の基礎』東洋学術出版社/平馬直樹・兵頭明・路京華・劉公望 監訳(5,600円+税)

前回ご紹介した『中医学ってなんだろう 1 人間のしくみ』『やさしい中医学入門』『オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書』を読んだ人は次のステップとして、ぜひ④『全訳中医基礎理論』か⑤『中医学の基礎』にトライしてみてください。自分の中で繰り返し練られることで理解が深まり、「自分のもの」になっていくのが中医学です。中医学は語る人が代わると切り口も異なります。より多くのイメージを吸収するためにも、参考書籍は何冊か手元に置いておくとよいでしょう。

ちなみに④『全訳中医基礎理論』は、実際に中医学の本場である中国の大学で使われている教科書『高等医薬院校教材 中医基礎理論 上海技術出版社』の翻訳版に近いものです。中国語が堪能な方であれば、中国語の教科書を読むのが早いでしょう。

前回ご紹介した①~③の本を飛ばして、④⑤の本から読み始める方もいます。その方法もまたひとつです。中医学はイメージすることがとても大切な医学なので、イメージしづらいと感じたら、途中で①~③の本を買い足す手もあります。

<中医学用語辞典>

  • ⑥『中医基本用語辞典』東洋学術出版社/中医基本用語辞典翻訳委員会 (翻訳), 高金亮 劉桂平 孟静岩(8,000円+税)
  • ⑦『漢方用語大辞典』創医会学術部主編/燎原(18,000円+税)

最後に中医学の用語辞典をご紹介します。中医学には二字熟語や四字熟語が頻出するため、辞典は手元にあった方が便利でしょう。辞典があればわからない言葉もその場ですぐに調べられます。特にこの2冊は専門用語の説明が丁寧でわかりやすいと思います。「初学者向けの読みやすい3冊」でご紹介した本をサラッと読む分には必要ないかもしれませんが、学び進めるうちに必須になるでしょう。

個人的にイチオシの本を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。とりあえず、いくつか手に取ってみて自分にとって読みやすい、苦にならなさそうな本から始めてみてください。

さらに「本だけでは物足りない! 中医学をもっと深く知りたい!」という方は、中医学の講座に参加してみることをおすすめします。
私の母校である国立北京中医薬大学日本校イスクラ中医薬研修塾のほか、上海中医薬大学付属日本校など、中医学の講座はたくさん開催されています。
そのほかに、漢方薬メーカー・生薬メーカーさんの勉強会もありますので、漢方薬や生薬を扱っている薬局にお勤めの方はチェックしてみてください。注意点として、メーカーさんの勉強会は、「日本漢方」の内容と、「中医学」の内容がありますので、どちらの内容なのかを事前に確かめることをおすすめします。
実際に臨床に携わっている先生の講義を聞くと理解の深さが変わります。疑問点は先生へ直接質問できますし、ぜひ参加してみていただきたいと思います。

また、薬草園へ薬草を見に行くこともおすすめです。「生薬(きぐすり)」のまさに「生きている」カタチを見ると、生薬名の由来などもわかって楽しいですよ。また薬草の実物を見ると、急に覚えやすくなるから不思議です。薬用植物園は大学や市町村の自治体に運営されていて、無料で見学できるところもあります。勉強の疲れを癒やしに、ぜひぜひ訪れてみてください!

中垣 亜希子(なかがき あきこ)

すがも薬膳薬局代表。国際中医師、国際中医薬膳師、管理薬剤師。

薬局の漢方相談のほか、中医学・薬膳料理の執筆・講演を務める。 東京薬科大学薬学部卒業。長春中医薬大学、国立北京中医薬大学、イスクラ中医薬研修塾、国立北京中医薬大学日本校にて中医学を学ぶ。「顔をみて病気をチェックする本」(PHPビジュアル実用BOOKS 猪越恭也著)の薬膳を担当執筆。

すがも薬膳薬局:http://www.yakuzen-sugamo.com/

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