薬剤師の接遇マナー・テクニック 更新日:2023.02.28公開日:2014.06.11 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー

帰宅のタイミング
帰宅のタイミング

私の働く調剤薬局は忙しく、定時になってもみんな黙々と仕事をしています。そんな状況で、仕事が終わった私だけが先に帰ってもいいのでしょうか? 先に帰る場合は何と言えばいいのでしょう。また、お手伝いをするとしたら、何と声かけすればいいですか?

Answer
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困ったときはお互いさまという意識で

この問題もよく聞きますね。それぞれ能力もやり方も異なるので、作業スピードに差が出てしまうということは当然あるでしょう。大前提として、定時に終われるように自分自身が一生懸命仕事に取り組むことが大切です。そのうえで問題になるのが、自分の仕事が終わっているのに、まわりの仕事が終わっていないというときです。
ここで大切なのが、ほかの薬剤師やスタッフを仲間、薬局全体をチームとして考えられるかどうかです。個々が担当している仕事は、チームの仕事でもあるのです。そう考えると、「自分の仕事は終わったけど、まだチームの仕事が残っている」ということになり、手伝うのではなく、一緒に片づけるべき仕事として積極的に取り組めると思います。また、今後まわりに助けてもらうこともあるかもしれません。困ったときはお互いさまという意識を持ち、常にまわりを気遣う優しさが大切です。手伝えるときには、「何か私にできることがあればお手伝いします」などの言葉を入れるといいですね。言われた方は、実際に仕事を頼まなくとも嬉しい気持ちになるものです。
とくにこのケースの場合、相談者は1年目の若い薬剤師です。本人が知らないところでまわりがフォローしているからこそ、仕事が早く片付いているという可能性も高いです。そういうケースは実はとても多いのですが、常に自分が直接担当する仕事だけを見ていると、いつまでたっても気づくことができません。なぜ、自分だけが早く終わったのか。薬局全体の仕事を見渡してみることも大切でしょう。

先に帰るときにはそれなりの配慮を

ときには家の都合や待ち合わせの約束があったりして、早く帰らなければいけないこともあるでしょう。そのために日中、頑張って仕事をし、目的の時間までに自分の仕事はすべて終わったとします。そのときに必要なのが、「申し訳ないのですが、今日は急ぐのでお先に失礼します」という言葉。たった一言ですが、あるのとないのとではまわりの印象が大きく変わります。自分の仕事は終わった。でもチームとしての仕事はみんなに任せて先に帰らせてもらう。そう思えば、「申し訳ないのですが」という言葉も自然に出てくるはずです。
よくトラブルのもとになるのが、「言わなくても伝わっている」という思い込み。たとえ長年一緒に働いている間柄であっても、あ・うんの呼吸ですべてが完璧に伝わるということはあり得ません。“思い” は言葉にして初めて伝わるものだと常に意識しておくべきでしょう。
最後に、プラスアルファのテクニックをひとつ。どうしても早く帰りたい日は、日中に雑談の中で「今日はこういう用事があって、どうしても定時に帰りたいんです」と話しておくとさらにスムーズ。そして翌日出勤した際には、「昨日はありがとうございました。お陰で間に合いました」と伝えることができれば完璧です。
仕事はチームで取り組むもの。帰宅を急ぐ日には言葉によるフォローを忘れずに!
仕事はチームで取り組むもの。帰宅を急ぐ日には言葉によるフォローを忘れずに!

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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