薬剤師のためのお役立ちコラム 更新日:2020.07.15公開日:2020.03.27 薬剤師のためのお役立ちコラム

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病院薬剤師が主人公の連続ドラマはなんと国内で初めて。気になるドラマの見どころと過去の医療系人気ドラマについて解説します。

石原さとみ主演! ドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』のあらすじをおさらい

ラク~にまとめ読み
  • ドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』が7月16日(木)に初回放送決定(6月18日加筆)。
  • 主人公の葵みどり役を務めるのは過去に看護師や法医解剖医などの医療者を好演した石原さとみさん。
  • 病院薬剤師を主人公とした連続ドラマが放送されるのは初めて。

当サイトでもおなじみ、月刊コミックゼノン(徳間書店)で好評連載中の人気コミック『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』が、4月9日(木)午後10時より(新型コロナウイルス感染拡大の影響により放送延期、7月16日(木)初回放送決定 ※6月18日加筆)フジテレビ系にて、石原さとみさん主演で『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』としてドラマ化されます。各テレビ局で医療ドラマが花盛りな昨今ですが、病院薬剤師を主人公とした連続ドラマは国内初。放送スタート目前のいま、このドラマをより楽しめるように、あらすじや過去の人気医療ドラマをおさらいしましょう。

ドラマオリジナルの設定やキャラ変も

タイトルが少しだけ原作コミックと異なることからもお分かりのように、ドラマではやや設定に変化があります。

原作での主人公・葵みどりは入社2年目ですが、ドラマではキャリア8年目。萬津総合病院薬剤部のメンバーも、原作では癒し系(?)の薬剤部部長・販田聡が、「販田聡子」と女性となり、真矢ミキさんが演じます。また原作ではみどりの同僚である相原くるみは、新人薬剤師として先輩・みどりの指導を仰ぐ立場になり、こちらは元乃木坂46の西野七瀬さんが演じます。先輩薬剤師・瀬野章吾は田中圭さんが演じることとなり、一見クールですが頼りになるキャラクターをどのように表現するのか注目が集まります。

その他にも薬剤部のメンバーにドラマオリジナルキャラクターが登場し、原作コミックとはまた一味違う登場人物たちのかけ合いを楽しめることになりそうです。

<ドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』の主なキャスト>
・葵 みどり………石原 さとみ
・相原 くるみ………西野 七瀬
・小野塚 綾………成田 凌
・刈谷 奈緒子………桜井 ユキ
・羽倉 龍之介………井之脇 海
・工藤 虹子(※ドラマオリジナル)………金澤 美穂
・販田 聡子(※原作では男性)………真矢 ミキ
・辰川 秀三………迫田 孝也
・七尾 拓………池田 鉄洋
・荒神 寛治………でんでん
・瀬野 章吾………田中 圭

木曜劇場は医療系ドラマの名門枠

木曜夜10時からの『木曜劇場』枠は、過去にも『白い巨塔』(2003年=唐沢寿明主演)、『Dr.コトー診療所』(2003、06年=吉岡秀隆主演)、『医龍 -Team Medical Dragon-』(2006、07、10、14年=坂口憲二主演)、そして韓国KBSで2013年に放送された人気作を日本でリメイクした『グッド・ドクター』(2018年=山﨑賢人主演)など、数々の人気医療系ドラマを生み出してきました。

石原さとみさんの木曜劇場主演は『ディア・シスター』(2014年)以来5年半ぶり2度目。2年前にはTBSで放送の法医学ミステリードラマ『アンナチュラル』で法医解剖医を演じ、東京ドラマアウォード2018で主演女優賞する名演ぶりで話題になったばかり。今回はお団子ヘアの病院薬剤師・葵みどりをどのように演じるのか? 今から楽しみです。

2020年1月〜の冬ドラマは水曜と日曜以外医療系ドラマを放送

刑事ドラマ、学園青春ドラマ、時代劇と並び、ドラマのジャンルとして確立されている医療系ドラマですが、その全盛期とは、まさに「今でしょ」と言えるほど各局が医療系ドラマを充実させています。

2020年1月にスタートした医療系ドラマは何と6本!水曜と日曜以外の毎夜10時から、どこかの局で必ず医療系ドラマを放送していることになります。

<2020年1月放送スタートの医療系ドラマ一覧>
・NHK『心の傷を癒すということ』(主演・柄本佑)
 1月18日スタート 土曜午後9時~ 初回視聴率6.5%
・日本テレビ『トップナイフ -天才脳外科医の条件-』(主演・天海祐希)
 1月11日スタート 土曜午後10時~ 初回視聴率13.0%
・TBS『恋はつづくよどこまでも』(主演・上白石萌音)
 1月14日スタート 火曜午後10時~ 初回視聴率9.9%
・TBS『病室で念仏を唱えないでください』(主演・伊藤英明)
 1月17日スタート 金曜夜10時~ 初回視聴率11.3%
・フジテレビ『アライブ がん専門医のカルテ』(主演・松下奈緒)
 1月9日スタート 木曜夜10時~ 初回視聴率8.4%
・テレビ東京『病院の治しかた ~ドクター有原の挑戦~』(主演・小泉孝太郎)
 1月20日スタート 月曜夜10時~ 初回視聴率8.1%

NHKが『心の傷を癒すということ』(柄本佑主演)、日本テレビが『トップナイフ -天才脳外科医の条件-』(天海祐希主演)、TBSはラブコメMIXの『恋はつづくよどこまでも』(上白石萌音主演)と『病室で念仏を唱えないでください』(伊藤英明主演)と2本放送。フジテレビは木曜劇場枠でハード系の『アライブ がん専門医のカルテ』(松下奈緒主演)、そしてテレビ東京では信州・松本の相澤病院の経営改革の実話をベースとした『病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~』(小泉孝太郎主演)を放送。日本のテレビ史上、これほどまで各局が医療ドラマを放送していた時期はありません。

最高視聴率50.6%~すべてはベン・ケーシーから始まった

国内ではテレビ黎明期の1950年代から、病院や診療所を舞台としたドラマは存在していましたが、まず大人気となったのは62年5月からTBSで放送された米国ドラマ『ベン・ケーシー』でした。63年1月には、50.6%と驚異的な最高視聴率(関東地区)を記録し、これは現在でも日本国内で放送された海外ドラマの最高視聴率記録となっています。昨年亡くなった医事漫談家・ケーシー高峰さんの芸名も、医療服の「ケーシー」も、このドラマが元ネタです。

ハンサムな外見、どこか孤独の影があり、時に唯我独尊的な部分も見せるベン・ケーシーが、その後のあらゆる医療系ドラマのひな型となっています。

国内でベン・ケーシーが人気絶頂だった1963年、サンデー毎日誌上で連載開始したのが山﨑豊子の小説『白い巨塔』です。大学病院を舞台とした権力闘争モノでしたが、主人公・財前五郎のキャラクター設定にもベン・ケーシーの要素が受け継がれています。

「白い巨塔」は山﨑豊子の小説が原作

人気を呼んだ『白い巨塔』は1966年に大映にて田宮二郎主演で映画化された後、佐藤慶(67年)、田宮二郎(78年)、村上弘明(90年)、唐沢寿明(2003年)、岡田准一(19年)と国内でドラマ化され人気に。

テレビドラマが活況化した1970~80年代は医療系ドラマは不作の時代でした。1990年代に入り、米国でリアリティ重視の手術描写や、チーム医療が描かれた『ER緊急救命室』が大人気となり、国内でも96年からNHKで放送。チーム医療を取り入れた医療系ドラマの新たな可能性を切り開き、フジテレビが99年から江口洋介主演で『救命病棟24時』を放送しています。

チーム医療ものの流行後は原点回帰で、一人のスーパードクターの大活躍で難問を解決する『Doctor-X 外科医・大門未知子』(12年・テレビ朝日)が人気となり、現在もシリーズは続いています。

医療系ドラマは「天才外科医モノ」「権力闘争モノ」「救命医療モノ」「法医学モノ」「研修医モノ」「産婦人科モノ」「へき地医療モノ」「獣医モノ」などに分類されますが、『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』がスタートすることで、ここに新たに「薬剤師モノ」が加わることになります。

薬剤師がイメージアップ?

薬剤師業界ではごく当たり前のことでも、「医師ほどには頼られず、看護師ほどには親しまれない」と称される薬剤師の仕事は、案外世間一般では知られていないことが多いものです。

今回、視聴者の好感度の高い石原さとみさんが病院薬剤師の役を演じることで、薬剤師という職業への注目度が高まりイメージが大きく向上する予感がします。

<放送情報>
木曜劇場『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』
・放送日時:4月9日(木)スタート、毎週木曜22:00~22:54放送 ※新型コロナウイルス感染拡大の影響により初回放送が7月16日(木)に決定(6月18日加筆)
・出演:石原さとみ
・原作:『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』荒井ママレ/医療原案:富野浩充(『月刊コミックゼノン』連載/コアミックス)
・脚本:黒岩勉
・プロデュース:野田悠介
・演出:田中亮
・制作・著作:フジテレビ第一制作室
(c)フジテレビ
・公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/unsung/
・公式Twitter:@unsung2020

参考文献
『アメリカンTVドラマの50年』(共同通信社、2003年)

文:薬読編集部

 

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