薬剤師の接遇マナー・テクニック 公開日:2016.06.29更新日:2023.03.23 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー

「抗生物質だけ飲めばいい」と言う同僚
「抗生物質だけ飲めばいい」と言う同僚

同僚の服薬指導に違和感を感じています。彼は風邪薬で抗生物質が出た際に「痛み止めや炎症止めは飲まなくてもいいですが、これ(抗生物質)だけは飲んでください」と抗生物質についてのみ、患者さんに伝えるのです。処方せんには「すべて飲むように」と書いてあるはずなのですが……

Answer
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医師との信頼関係に関わる行為

質問を読んで、驚きました。医師からそのように言われているならともかく、これが薬剤師の独断であるならあるまじきことです。
言うまでもありませんが、処方せんの指示は厳守しなければいけません。薬剤師が自分の判断だけで「これは飲まなくてもいい」などと言ってはいけないのです。
もしも患者さんが抗生物質だけを飲みきったあとに再診し、医師に「薬剤師さんの指示で炎症止めを飲まなかったので、今回はいりません」などと言おうものならおおごとです。場合によっては医師からお叱りを受け、薬局との信頼関係にひびが入ることも十分考えられます。

チームとして意見を統一すること

医師と薬剤師は、一つのチームとして患者さんの治療にあたるべきです。意見を統一しなければ、どちらの意見を聞けばいいのか患者さんが混乱してしまいます。
大きな問題になる前に、まずは「処方せんの通りに説明をしないと、患者さんが誤解して、飲み違いなどが起こるかもしれませんよ」と声をかけてみましょう。「どうしても自分の意見が正しい」とその薬剤師が言い切るのであれば、「医師の処方意図を確認してみては?」と仕向けてみましょう。
プライドが高く、自分の満足感を優先して患者さんに話をしてしまう薬剤師もいないわけではないので、指摘をしても改善されない場合は上司に相談してみましょう。医師との信頼関係は会社としても重要な問題なので、本社などさらに上の役職者へ相談し、改善のための策を講じてもらうことも必要かもしれません。
まずは患者さんの立場に立って指摘を。医師との信頼関係あってこその薬局薬剤師業務です
まずは患者さんの立場に立って指摘を。医師との信頼関係あってこその薬局薬剤師業務です

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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