ブックレビュー 更新日:2021.01.20公開日:2015.03.18 ブックレビュー

経験に基づいた薬剤師の技術と知恵をやさしく伝授

どんぐり式 薬局副作用学のススメ
「まず疑え」から始めよ (日経DI薬剤師「心得」帳4)

【書籍概要】
長年にわたり薬剤師業務に従事してきた著者が、薬剤師として仕事をするために必要な知識についてまとめた1冊。副作用を早期に発見する独自理論「副作用機序別分類」ができるまでの経緯や著者自身の体験、薬剤師としてどのような姿勢で仕事に取り組むべきかなどがわかりやすく書かれています。また、薬剤師が知識を学ぶことの重要性や、それを患者さんにどう伝えるのかについても詳細に解説。経験にもとづく著者の提案には説得力があり、薬剤師としての仕事の取り組み方を見直したい人にもおすすめの1冊です。

岩手県盛岡市で薬剤師のための研修や情報提供を行う合資会社「どんぐり工房」を設立した著者が、薬剤師として必要な技術や仕事への取り組み方を優しく解説しています。

 

前半では、著者の学生時代のエピソードから、実家の薬局を継いで奮闘する若い頃やその後の病院勤務の体験、そこで感じた「患者さんのための医療」の大切さなどが語られています。そして、後半ではそのようなさまざまな体験から生まれた、副作用を早期に発見する独自理論「副作用機序別分類」について詳しく解説されています。「なぜ学ぶことが必要なのか」を知ったうえでモチベーションを持って読み進めることができるため、勉強嫌いな人、飽きっぽい人にも読みやすいのではないでしょうか。

 

専門的な薬学知識を患者さんにわかりやすく伝えるのは難しいもの。そのためには薬剤師自身がきちんとした知識と技術を身につけていることが欠かせません。しかし、日々の業務に追われていると目の前の仕事をとりあえずこなし、必要最低限の服薬指導だけで済ませてしまう状況になってしまうことも……

 

この本には、仕事をするうえで原点となる「誰のために仕事をするのか?」を改めて考え、薬剤師としてどうあるべきなのかを見つめ直すヒントが豊富に詰まっています。そのため、今の仕事への取り組み方を見直したい人にも最適。著者の優しく穏やかな語り口から誠実な人柄が伝わってきて、「こんな薬剤師になりたい!」と思えるかもしれません。

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