ビューティー

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薬剤師兼美容家として活動する花田真理さんが、「薬剤師として知っておきたい美容の知識」「手軽にできるヘアアレンジ」など、“薬剤師と美容”をテーマに語るコラムです。

vol.11 まつげエクステンションに使用される「グルー」とは?

グルーについて
まつげエクステンションによる眼障害で一番多いのは、「眼瞼皮膚炎」といわれています。
この原因は主にグルーによるものと考えられています。
施術中にグルーが目に入ったり、液が目にしみたりといったことがありますが、施術後もグルーが長期間まつげに留まることで、洗顔時などに徐々に溶けて流れていくので、刺激になってしまうことも。
このようなことから慢性的な眼障害の原因になると考えられています。

グルーの驚くべき実態
まつげエクステンションは美容行為です。そのため、グルーも「化粧品」だと思っていませんか?
しかし、実際は「雑貨」に分類されています。
化粧品であれば医薬品医療機器等法(旧薬事法)の規制対象となり、厳しい基準が設けられていますが、雑貨は医薬品医療機器等法(旧薬事法)の規制対象ではありません。そのため配合成分の表示義務もありませんし、化粧品のような成分規制もありません。
一応、業界団体による自主基準はあるようですが、医薬品医療機器等法(旧薬事法)のような厳しい基準とは違い、グルーの安全性を担保するレベルのものではないのが現状のようです。
まつげエクステンションを利用する人の中にも、目の際に使用されるグルーが化粧品でないことを知らない人が多くいることも現状です。

グルーに使用される成分について
現在販売されているグルーの主成分には、「シアノアクリレート」という瞬間接着剤の原料が使用されていることが多いです。
シアノアクリレートには種類があり、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、ブチルシアノアクリレートなどがあります。
シアノアクリレートは空気中に含まれる水分や、被着体に付着している水分と反応して急速に硬い皮膜状に硬化する有機化合物です。
シアノアクリレートは医療用接着剤にも使用されている物質ですが、アレルギー性皮膚反応を引き起こす恐れがあったり、眼刺激性があるといわれています。
医療用のシアノアクリレートは添付文書などに、「シアノアクリレートまたはホルムアルデヒドに対して過敏症を示す患者には使用しない」などの記載があります。

「医療グレードのグルー」とは?
最近広告などで見かけるのが、「医療グレードのグルー」という表現です。
この表現では医療用接着剤と同成分が配合されているグルーのことを指しているようですが、医療用接着剤は医薬品医療機器等法(旧薬事法)の厳しい基準をクリアしたものであり、まつげエクステンション用のグルーとは異なります。
まつげエクステンション用のグルーは、あくまでも雑貨です。
もし、使用しているグルーを「医療用接着剤とまったく同じ」と言うアイリスト(まつげを専門に扱う美容師のこと)が施術者である場合は、知識を疑った方がいいかもしれません。

ホルムアルデヒドの放出量にも注意が必要
まつげエクステンションではグルーを使用することが必須ですが、グルーが揮発する際にホルムアルデヒドが発生します。ホルムアルデヒドの拡散はまつげエクステンション装着直後が最も多く、その後も24時間程度拡散が続きます。ホルムアルデヒドによって目、鼻、のどなどに刺激や炎症を生じることがあるため注意が必要です。
 
ホルムアルデヒドの放出量は下記の順に多くなります。
メチルシアノアクリレート>エチルシアノアクリレート>ブチルシアノアクリレート
目に対する刺激や炎症が生じるのもこの順に多いと考えられます。

最後に
薬局に目の不快感で受診する患者さんがいた場合、まつげエクステンションによる危害である可能性も考えられます。重症ではない場合もありますが、そのような場合はどのようなグルーを使用していたのか、美容師免許を持った施術者のいるサロンで施術を行ったか、シアノアクリレートやホルムアルデヒドにアレルギーがないかなどの確認をするといいかもしれません。
 
また、ホルムアルデヒドは水に溶けやすい性質を持っています。施術後にグルーが乾ききるまでの数時間は、まつげを濡らさないようにすることも大切です。すぐに洗顔を行っているという患者さんがいた場合は、アドバイスしてあげましょう。

花田 真理(はなだ まり)

大学卒業後、調剤薬局に勤務、その後化粧品業界へ転職し、薬事・商品研究開発・総括製造販売責任者等の業務に携わる。現在は、自身のブランド(化粧品「MarryMemory」、ハーブティー「Doctor&Pharma」)を立ち上げ、薬剤師兼美容家として活動中。

Doctor&Pharma:http://www.doctor-and-pharma.co.jp/

花田 真理(はなだ まり)

大学卒業後、調剤薬局に勤務、その後化粧品業界へ転職し、薬事・商品研究開発・総括製造販売責任者等の業務に携わる。現在は、自身のブランド(化粧品「MarryMemory」、ハーブティー「Doctor&Pharma」)を立ち上げ、薬剤師兼美容家として活動中。

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