薬剤師のスキルアップ 薬剤師のスキルアップ

薬局薬剤師が知っておくべき調剤報酬【一包化加算】 文:加藤鉄也(研修認定薬剤師、JPALSレベル6)

算定チェックに役立つ調剤報酬の基本知識

最近ではレセプトコンピューター(レセコン)が広く普及し、処方入力や加算算定を担当する調剤事務を雇用する薬局が増えているため、薬剤師が算定の実務に関わる機会も少なくなっています。しかし、算定漏れや過剰算定を防ぐためにも調剤報酬の仕組みは必ずおさえておきたい知識。今回は、調剤報酬の基本知識とチェック方法について考えてみます。

1. 調剤報酬の分類

調剤報酬は、大きく以下の4つに分類されます。

 

<調剤報酬の4分類>
① 調剤技術料
② 薬価管理料
③ 薬剤料
④ 特定保険医療材料

 

①調剤技術料と②薬学管理料は、薬局の設備や指導内容、調剤の手技など「薬局の機能」に対する評価の項目です。一方で、③薬剤料と④特定保険医療材料は「もの」に対する評価の項目です。

 

③④の「もの」に対する点数は薬価や売価という形で決まっているため、患者さんの状況に左右されることはありません。一方、①②の「薬局の機能」に対する点数は、薬局の設備、患者さんの年齢、お薬手帳の有無、行った服薬指導や調剤手技によって変動します。

2. 自薬局の調剤基本料と加算

①調剤技術料はさらに「調剤基本料」と「調剤料」に分かれます。調剤基本料は、薬局の設備や開局時間などを評価した項目です。処方せんの受付枚数や特定の医療機関からの処方せんの集中度合いなどの基準によって、薬局ごとに下記4種類のうちいずれかの点数が決まっています。

 

<調剤基本料の点数>
・調剤基本料1  41点
・調剤基本料2  25点
・調剤基本料3  20点または15点
・特別調剤基本料 10点

 

また、「地域支援体制加算」「後発医薬品調剤体制加算」などの加算もあり、一度自薬局の基本料と加算の算定状況について確認しておくとよいでしょう。

 

調剤報酬算定の監査は、調剤録や調剤報酬明細書を使って実施できます。事前に算定する点数を把握しておき、投薬時には調剤録や明細書に記載された情報を確認しましょう。

3. 調剤料と「剤」「調剤」の考え方

①調剤技術料のうち、「調剤料」は薬を調剤することで算定できる点数です。点数は、内服薬、頓服薬、外用薬、注射薬などの薬の種類と服薬日数や服薬回数によって決まります。特殊な場合を除き、レセコンに薬品を入力すると自動計算が行われるため実作業は簡単です。

 

ただし、調剤料を確認するうえで、「剤」と「調剤」のカウント方法の違いには注意しなければいけません。内服薬の調剤料は「1剤」ごとに算定します。「剤」は薬の数ではなく、服用時点の数をカウントします。たとえば、朝食後に5種類の薬を服用する場合、「薬の種類」の「5」剤ではなく朝食後という「服用時点」の「1」剤として考えます。

 

なお、内服薬の調剤料は受付1回の処方せんで算定できる剤数が3剤までと決まっており、4剤以上の場合は3剤として計算します。一方、「調剤」のカウントは服用時点および日数が同じものを指します。

 

具体例で説明しましょう。

 

<処方例A>
Ⅰ. サワシリンカプセル 3カプセル 毎食後 7日分
Ⅱ. ビオスリー配合錠 3錠 毎食後 7日分
Ⅲ. カロナール錠 3錠 毎食後 5日分

 

上記の場合、「剤」の考え方でいうとⅠ~Ⅲは同じ「毎食後」という服用時点なので「1剤」です。一方、「調剤」の考え方でいうと7日分であるⅠ、Ⅱと5日分であるⅢは別であると考えられ、「2調剤」と計算します。

4. 一包化加算とは?

調剤料の加算は自動算定ではなく、処方内容と行った調剤行為によって判断する必要があります。投薬時に算定要件を満たしているか、算定点数が正しいかをチェックするようにしましょう。調剤料の加算の代表的なものに「一包化加算」があります。

「一包化加算」の算定要件は「2剤以上の内服薬または1剤で3種類以上の内服薬を服用時点ごとに一包化を行った場合」です。また、2剤以上を理由に一包化する場合は服用時点が重なる必要があります。算定点数は以下のように内服薬の投与日数に応じて、所定点数を算定することができます。

 

<一包化加算の算定点数>
・1週以内 1~7日    32点
・2週以内 8~14日   64点
・3週以内 15~21日 96点
・4週以内 22~28日 128点
・5週以内 29~35日 160点
・6週以内 36~42日 192点
・6週以上 43日以上 220点

 

1~42日分までは1週間ごとに32点ずつ算定することができ、43日分以上は一律220点です。この数字は覚えておきましょう。

5. 一包化加算の計算方法

それでは具体的な処方の例をみながら、一包化加算の算定方法を考えてみましょう。

 

<処方例B>
ネキシウムカプセル 1カプセル 朝食後 28日分
バイアスピリン錠 1錠 朝食後 28日分
メトグルコ錠 2錠 朝夕食後 28日分

 

算定要件について見ていくと、服用時点が朝食後と朝夕食後の「2剤」、朝食後で服用時点が重なっており要件を満たしています。投与日数が28日と4週以内なので、32×4=128点と算定することができます。

 

では、下記の処方の場合はどうでしょうか。

 

<処方例C>
ネキシウムカプセル 1カプセル 朝食後 28日分
バイアスピリン錠 1錠 朝食後 28日分
クレストール錠 1錠 夕食後 28日分

 

算定要件は服用時点が朝食後と夕食後の「2剤」ですが、重なっている服用時点がないため算定することができません。

 

一方、次の処方を一包化する場合を考えてみましょう。

 

<処方例D>
メトグルコ錠 3錠 毎食後 28日分
ワソラン錠  3錠 毎食後 28日分

 

服用時点が毎食後の「1剤」で、さらに薬の種類は2種類であり、要件を満たすことができず算定することができません。

6. 算定ミスをチェックする意識を

調剤報酬は薬局や薬剤師としての機能を果たした時に算定する点数です。算定漏れや過剰算定をしないよう知識を取得して、チェック方法を考えておきましょう。また、間違って算定している場合には、同僚や後輩教育のために、理由も説明して指摘できるようにしておくとよいでしょう。保険薬剤師として機能を果たした場合には、健康保険法に則った健全な調剤報酬算定を行い、薬局内で正確な知識を伝えることができるようにしておきたいものです。

参考書籍:

『【最新’18-’19年版】 世界一やさしい調剤報酬請求事務の入門ノート』(水口錠二著、ぱる出版刊)

『調剤報酬請求事務 [基礎知識とレセプト作成]Version7版』(NIメディカルオフィス編、 一ツ橋書店刊)


執筆/加藤鉄也

薬剤師。研修認定薬剤師。JPALSレベル6。2児の父。
大学院卒業後、製薬会社の海外臨床開発業務に従事。その後、調剤薬局薬剤師として働き、現在は株式会社オーエスで薬剤師として勤務。小児、循環器、糖尿病、がんなどの幅広い領域の薬物治療に携わる。医療や薬など薬剤師として気になるトピックについて記事を執筆。趣味は子育てとペットのポメラニアン、ハムスターと遊ぶこと。

<PR>満足度NO.1 薬剤師の転職サイト