薬剤師のためのお役立ちコラム 公開日:2022.05.24 薬剤師のためのお役立ちコラム

薬剤師のインターンシップに参加するメリットは?スケジュールや主なインターンシップ先について解説 文:岡本妃香里(薬剤師ライター)

就活の時期が近づくにつれ、話題に出てくるインターンシップ。そもそもインターンシップとは何なのか、参加するメリットがあるのかなど、気になることも多いのではないでしょうか。今回は、薬剤師のインターンシップについて、参加のメリットや具体的なスケジュールについてお伝えします。

1.インターンシップとは?

インターンシップとは、学生のうちに実際の仕事や現場に触れることができる職場体験を指します。興味のある企業を訪問したり、仕事を体験したりできる貴重な機会です。

薬剤師の場合、薬局や企業に行って実際の業務に触れ、職場の雰囲気を体験するケースが多いでしょう。一般的なインターンシップの受け入れは数カ月に及ぶケースが多く見られますが、薬剤師の場合は2~3日程度の期間になることがほとんどです。なかには1日のみのインターンシップの場合もあります。インターンシップでは企業や業務の雰囲気をつかむことができるので、就職先を考える際にも参考になると思います。

2.薬学生がインターンシップに参加するメリット

インターンシップに興味があっても、参加をするかどうか迷う薬学生は少なくありません。というのも、インターンシップは病院実習や薬局実習の時期と重なってしまうことが多く、参加をする余裕がないように感じるからです。しかし、インターンシップへの参加はさまざまなメリットがありますので詳しく見てみましょう。

 

2-1.自分がどの職場に向いているのか適正がわかる

インターンシップに参加することで、職場と自分が合っているかどうかの判断材料にすることができます。「調剤薬局で働きたい」「MRになりたい」と思っていても、イメージと実際の仕事は違うものです。いざ働いてみると自分には合っていなかったと感じることがあるかもしれません。こうした入社後のミスマッチを防ぐことができるのが、インターンシップのメリットです。インターンシップで体験するのは業務のほんの一部ですが、雰囲気や業務の様子を見て「無理なく働けそうか?」「興味がありそうか?」を確認することができます。

 
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2-2.企業や薬局などに対する理解度が深まる

気になる就職先の情報は、知り合いからの口コミや公式ホームページなどで情報収集している人が多いのではないでしょうか。ですが、いくら念入りに情報収集をしても、職場の雰囲気をリアルに感じるのは難しいものです。インターンシップは、企業や薬局の様子を目で見て体感できるので、そこで働く人の様子や職場環境、スタッフ間の人間関係を垣間見ることができる良い機会です。

 

2-3.業務を体験することで自分の未来像が見えてくる

薬剤師として患者さんや周りの医療従事者と実際に関わるうちに、当初掲げていた目標から遠ざかってしまうことがあります。学生時代の目標は漠然としたイメージで考えることが多いと思いますが、インターンシップで薬剤師の仕事を体験すれば、より明確な未来像を描くことができるでしょう。理想とする薬剤師としての姿に近づくために、どこに就職すると実現しやすいのかがわかりやすくなるのもメリットです。

 

2-4.薬学生同士の交流が深まる

インターンシップにはさまざまな大学から薬学生が集まります。そのため、他大学の薬学生と交流を広げるチャンスです。他大学の薬学生と接点ができることで視野が広がったり、ほかの就職先に興味をもつきっかけができたり、国家試験の情報を交換できたりするなどの機会が増えます。

 
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2-5.採用に良い影響を与える可能性がある

インターンシップに参加することで、就職活動の際に有利にはたらく可能性があります。厳密にいえば、参加者と不参加者とで大きな違いがあるわけではありません。インターンシップの募集ページには「採用選考活動とは関係ありません」と記載されているケースもあります。

「インターンシップに参加したから採用されやすくなる」というよりは、「インターンシップに参加することで応募先企業や薬局への理解度が深まるため、より明確な志望動機や目標を提示できる」という点がメリットといえるでしょう。その結果、志望度の高さを評価されて採用につながりやすくなると考えられます。
 
インターンシップに参加するだけで採用されるわけではありませんが、企業研究や志望動機をブラッシュアップする機会にしたり、面接の際にエピソードを紹介したりするきっかけとして考えてみましょう。

 
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3.薬剤師のインターンシップが行われるスケジュール

インターンシップが行われる時期は、薬局や企業により異なります。基本的には5年生の6月頃から参加できるところが多いようです。
 
一般的に、申し込みが5年生の4月頃から始まり、実際にインターンシップが開催されるのは6月以降からです(企業によって異なりますので事前に確認しましょう)。6月から9月頃に行われるものはサマーインターンシップ、10月から2月頃に行われるものはオータムインターンシップ、ウィンターインターンシップと呼ばれます。

大半のインターンシップは、5年生からが参加条件となっています。実習で忙しくなるのであれば4年生のうちに参加しておくのが良いのではないかと考えるかもしれませんが、基本は5年生から参加できる条件となっています。ごく一部の企業では4年生以下でも参加できるプログラムが用意されているケースもありますので、興味のある企業があれば募集要項を調べてみましょう。

4. 薬剤師の主なインターンシップ先とその特徴

インターンシップの受け入れを行っているのは、調剤薬局や病院、ドラッグストアや企業などさまざまです。すべての企業や薬局で行われているわけではありませんが、気になる施設や企業が実施していればチャンス。まずはインターンシップの制度があるかどうかを事前に確認しておきましょう。施設ごとのインターンシップ状況を見てみましょう。

 

4-1.病院

病院でのインターンシップは、院内見学や調剤体験、病棟業務の見学などがメインです。大きな病院では、抗がん剤の調整やカンファレンスの見学などもできるでしょう。また薬剤師として働き始めて数年程度くらいの、比較的年が近い先輩と交流できるチャンスもあります。

 
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4-2.調剤薬局

調剤業務はもちろんのこと、薬剤師がどのようにして医療機関との信頼関係を築いているのか、在宅医療にどう関わっているのかなどを実地で学べます。薬局によっては薬の味見やグループワーク、先輩との交流会などがインターンシップのプログラムに組まれているようです。

 
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4-3.ドラッグストア

ドラッグストアでは薬剤師としてだけでなく、店員としての業務を体験します。薬剤師としては調剤や監査、サプリメントや化粧品などを提案する様子を見学できます。また、店員としては、ドラッグストアを運営していくうえで欠かせない粗利や客単価、売上などについて学ぶ機会を得られます。

 
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4-4.製薬企業

医薬品の製造や管理状況など、流れを見学できます。企業の信念やあり方について学ぶ機会が設けられている場合も多いでしょう。業務内容を見学するだけでなく、社員との交流会やインターンシップに参加している薬学生とのセッションなどが行われるケースもあります。

 
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5.薬学生がインターンシップに参加する方法

インターンシップに申し込む方法は、主に次の3つがあります。自分に合う方法で申し込んでみましょう。

 

5-1.大学の掲示板の情報をチェックして申し込む

就職活動が始まると、大学内の掲示板にインターンシップや求人の情報が掲載されるようになります。大手だけでなく、中小や個人経営の情報も多く紹介されています。掲示板でしか見つけられないような情報もあるため、チェックしておくとインターンシップ先の幅を広げられるでしょう。

 

5-2.企業や病院のホームページから申し込む

多くの場合、春・秋のインターンシップ開催前になると薬局・病院や企業ホームページに開催概要や募集要項が掲載されます。インターンシップの実施期間や受け入れ条件を確認して、応募方法に従って申し込みましょう。

応募先によっては、応募動機や課題の提出が求められるケースもありますので、こまめにチェックして早めに準備を進めることをおすすめします。

 

5-3.就職情報サイトを活用して申し込む

複数の就職先が気になっている場合には、薬学生専用の就職情報サイトを活用すると便利です。あらかじめ気になる企業や調剤薬局などをお気に入りに登録しておくと、インターンシップや選考のお知らせがメールに届きます

 
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6.薬学生はインターンシップにできるだけ参加しよう

インターンシップへの参加は必須ではないため実習や試験を優先しようと考える学生も多いでしょう。しかし、もし余裕があればできるだけ参加しておくことをおすすめします。

 

6-1.業界知識を高めるチャンス

学生のうちにいろいろな職場を見学できるのは、後にも先にもインターンシップだけです。インターンシップで得た経験によって、今後の目標やキャリアが明確になることもあるでしょう。

働き始めてから目標を変えるより、学生のうちから明確なキャリアプランを立てた方が、早い段階で実現に向けた行動が定まります。集中すべきことがわかれば、勉強や趣味にも上手に時間を使えるようになるでしょう。将来の自分を支えるという意味でもインターンシップはできるだけ体験しておきましょう。

 
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6-2.Webインターンシップも活用してみよう

「忙しくてインターンシップまでなかなか手が回らない」という人は、Webで参加できるインターンシップも検討してはいかがでしょうか。Web会議システムを利用して説明を聞いたり、他の参加者や職場の人と意見を交わし合ったりできます。Webインターンシップなら、遠方の企業であっても気軽に参加できます。

7.インターンシップは薬剤師業務を体験できる貴重な場

インターンシップに参加すれば、気になる職場のリアルな情報を収集できたり、薬剤師としての未来像を明確にイメージできるようになったりします。就職後のミスマッチを防ぎ、理想と現実とのギャップを減らす方法としても有効でしょう。インターンシップの大半は5年生の6月頃から始まります。薬局実習や病院実習と時期が重なり、参加が難しいこともありますが、Webインターンシップも取り入れながら参加してみてはいかがでしょうか。

 
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執筆/岡本妃香里(おかもと・ひかり)

薬剤師ライター。薬学部を卒業後、都内の大手ドラッグストアでOTCメインの薬剤師として4年間勤務。その後ライター業に転身し、正しい医療知識や医薬品の使い方、選び方などを広めるため執筆を続けている。自身が薬剤師としての働き方に悩んだ経験から、資格にとらわれない働き方も発信。スポーツファーマシストや化粧品検定1級、漢字検定準1級や薬事法管理者などの資格も取得し、伸び伸びと幅広く活動をしている。

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