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更新日:2020.03.05公開日:2017.10.12 美容&健康トレンド薬剤師兼美容家として活動する花田真理さんが、「薬剤師として知っておきたい美容の知識」「手軽にできるヘアアレンジ」など、“薬剤師と美容”をテーマに語るコラムです。
化粧品のパッケージに「パッチテスト済み」や「アレルギーテスト済み」等と表記されているのを見かけたことはありませんか?
これは化粧品を選ぶ際に指標となる文言ですが、一体どのような試験を行ったものなのか、どのような意味があるのかをご存知でしょうか?
今回は前編後編に分けて、薬剤師として化粧品選びのアドバイスをする際に役立つ化粧品の安全性試験を4つご説明します。
これらのテストは、試験を行うメーカーが試験方法を決められるので、A社とB社の商品が同じように「○○テスト済み」と書いてあっても同じ試験を受けているとは限りません。
化粧品安全性試験とは?
化粧品安全性試験とは化粧品が安全に使用できるものかどうかを判断するために行う試験のことをいいます。
化粧品の最終製品や配合される化粧品原料で試験が行われています。
化粧品安全性試験の中で押さえておきたいのが、「パッチテスト」「ノンコメドジェニックテスト」「RIPT」「スティンギングテスト」の4つです。
これらは化粧品選びの際に役立つ指標となります。
パッチテストとは?
パッチテストとは人の皮膚に化粧品等の製品を一定時間貼り、刺激性の有無を確認することでその製品が安全に使用できるかどうかを確認する試験のことをいいます。
肌に接触する可能性がある製品が対象となっていて、化粧品以外にも下着、粘土、繊維、革製品など幅広く実施されています。
試験方法
試験を実施するメーカーにより試験方法が多少異なりますので一例になりますが、試験方法についてご説明します。
検体を上腕又は上背部に24時間閉塞貼布し(48時間の場合もよくあります)、剥離1時間後及び24時間後の刺激性を評価します。
評価は皮膚科医が行い、メーカーの判断によって「パッチテスト済み」の記載をする、しないを決めます。
表示可能な文言
試験を行った製品には「パッチテスト済み」と表記可能です。
注意点
「パッチテスト済み」と表記されている製品でもすべての方に刺激が起こらないというわけではありません。
あくまでも個人差があるので、試験済みの製品が肌に合わない場合もありますので注意しましょう。
ノンコメドジェニックテスト
ノンコメドジェニックテストは、ニキビが生じにくい製品かどうかを確認する試験のことをいいます。
スキンケア製品だけでなく、ファンデーション、下地等のベースメイク製品でも実施されています。
試験方法
こちらも試験を実施するメーカーにより試験方法が多少異なりますので一例になりますが、試験方法についてご説明します。
ノンコメドジェニックテストは、脂腺性毛包が多数ある人の背中に、検体を同一部位に1週間に3回塗布(48時間閉塞適用処置)します。
これを4週間実施した後、組織学的な検査を行いコメド形成の変化を確認し評価します。
評価は皮膚科医が行います。
表示可能な文言
試験を行った製品には「ノンコメドジェニックテスト済み」と表記可能です。
注意点
「ノンコメドジェニックテスト済み」と表記されている製品でもすべての方にニキビができないというわけではありません。
あくまでもニキビの原因となるコメド(皮脂と古くなった角質が混ざり合ってできる角栓のこと)ができにくい処方の化粧品という意味なので、使用したらニキビが治るわけではないので注意しましょう。
以上のように、万人に安全性が保証されているわけではありませんが、化粧品を選ぶ際の指標として参考にすると良いでしょう。
安全性試験の「RIPT」、「スティンギングテスト」については後編でご説明します。
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