感染対策向上加算は、個々の医療機関が行っていた感染症対策の取り組みを共有・連携し、地域全体の感染症対策を強化することを目的に設けられた診療報酬です。本記事では、感染対策向上加算1・2・3の点数・算定要件や施設基準、届出方法について解説するとともに、2026年度診療報酬改定における主な変更点や加算、外来感染対策向上加算との違いについてもお伝えします。

1.感染対策向上加算とは?
感染対策向上加算とは、診療報酬の入院基本料等加算の一つで、感染対策向上加算1・2・3に区分されています。
医療機関の感染防止対策の実施や感染制御チーム(ICT)の設置、地域の医療機関と連携して実施する感染症対策などが評価されます。個々の医療機関だけでなく、地域全体での感染防止体制の強化を目的としているのが特徴といえるでしょう。
参考:医科診療報酬点数表に関する事項|厚生労働省
1-1.外来感染対策向上加算との違い
外来感染対策向上加算とは、外来診療を行う診療所が感染防止対策を強化し、地域の感染症対策に貢献する取り組みを評価する加算です。
外来診療において患者さん1人につき月1回に限り6点を算定します。感染対策向上加算が入院患者さんを対象としているのに対し、外来感染対策向上加算は外来診療に特化している点が特徴です。
参考:医科診療報酬点数表に関する事項|厚生労働省
2.2026年度診療報酬改定における主な変更点
感染対策向上加算の2026年度診療報酬改定における主な変更点は以下のとおりです。
| 変更点 | 改定前 | 改定後 |
|---|---|---|
| 他施設への助言に携わる時間 | 月10時間以下 | 月16時間以下 |
| 感染制御チームの専従者の業務時間 | 専従業務時間が所定労働時間に満たない場合には、月16時間から他施設などへの助言時間を差し引いた時間を越えない範囲で、業務実施時間以外に病院内の他業務に従事することは差し支えないこととする | |
| 抗菌薬適正使用支援チームの専従者の業務時間 | 専従業務時間が所定労働時間に満たない場合には、月16時間までに限り、業務実施時間以外に病院内の他業務に従事することは差し支えないこととする | |
| 微生物学的検査室を有する場合の評価 | 感染対策向上加算1について、医療機関内に微生物学的検査室を有する場合の評価として微生物学的検査体制加算(30点)を新設 |
参考:令和8年度診療報酬改定の概要 6.入院(共通事項)|厚生労働省
参考:令和8年度診療報酬改定の概要 12.重点的な対応が求められる分野(がん・難病・感染症)|厚生労働省
3.感染対策向上加算1・2・3の点数
感染対策向上加算1・2・3の算定点数は、以下のとおりです。
| 区分 | 点数 |
|---|---|
| 感染対策向上加算1 | 710点 |
| 感染対策向上加算2 | 175点 |
| 感染対策向上加算3 | 75点 |
4.感染対策向上加算の算定要件
感染対策向上加算の算定タイミングと再入院時の算定可否は以下のとおりです。
| 区分 | 算定タイミング | 再入院時 |
|---|---|---|
| 感染対策向上加算1・2 | 入院初日のみ | 入院期間が通算される場合は算定不可 |
| 感染対策向上加算3 | ● 入院初日 ● 入院期間90日ごと |
通算した入院期間から算出して算定 |
感染対策向上加算を算定するには、院内に感染制御チームを設置し、以下の業務を行うこととされています。
| ア | ● 1週間に1回程度、定期的に院内を巡回 ● 院内感染事例の把握 ● 院内感染防止対策の実施状況の把握・指導 ● 院内感染事例、院内感染の発生率に関するサーベイランスなどの情報を分析・評価して、効率的な感染対策に活用 ● 院内感染が増加した場合には、病棟ラウンドの所見・サーベイランスデータなどを基に改善策を実施 ● 巡回・院内感染の情報を記録 |
|---|---|
| イ | 微生物学的検査を適宜利用し、抗菌薬の適正使用を推進 |
| 感染対策向上加算1・2の届出を行う医療機関は、バンコマイシンなどの抗MRSA薬および広域抗菌薬等の使用に際して以下を実施 ● 届出制または許可制を取る ● 投与量・投与期間を把握する ● 臨床上問題となると判断した場合には、投与方法の適正化を図る |
|
| 感染対策向上加算3の届出を行う医療機関は、以下からカンファレンスなどにより助言を受け、適切に抗MRSA薬および広域抗菌薬などが使用されているか確認する ● 感染対策向上加算1を算定する他医療機関 ● 地域の医師会 |
|
| ウ | ● 院内感染対策を目的とした職員の研修を実施 ● 院内感染に関するマニュアルを作成 ● 職員がマニュアルを遵守していることを巡回時に確認 |
| エ | ● 緊急時に地域の医療機関同士が速やかに連携して各医療機関の対応への支援がなされるよう、日常的な相互協力の関係を構築 ● 上記に際して、感染対策向上加算1の届出を行う医療機関の感染制御チームが中心となる |
| オ | 保健所や地域の医師会との適切な連携体制を構築 |
5.感染対策向上加算の施設基準
ここでは、感染対策向上加算1・2・3の施設基準を紹介します。
5-1.感染対策向上加算1の施設基準
感染対策向上加算1の施設基準について詳しく見ていきましょう。
5-1-1.体制・設備
| 1 | 感染防止対策部門を設置していること ※ 医療安全対策加算に係る医療安全管理部門をもって感染防止対策部門としても差し支えない |
|---|---|
| 2 | 感染防止対策の業務指針と、院内感染管理者または感染制御チームの具体的な業務内容が整備されていること |
| 3 | 院内の抗菌薬の適正使用を監視するための体制を有し、特に特定抗菌薬(広域スペクトラムを有する抗菌薬、抗MRSA薬など)については届出制または許可制の体制を取ること |
| 4 | 医療機関の見やすい場所に、院内感染防止対策に関する取り組み事項を掲示 |
| 5 | 公益財団法人日本医療機能評価機構など、第三者機関による評価を受けていることが望ましい |
| 6 | 都道府県知事の指定を受けている第一種協定指定医療機関であること |
| 7 | 新興感染症の発生時などに、感染症の患者さんを受け入れることを念頭に、汚染区域や清潔区域のゾーニングができる体制を有すること |
| 8 | 外来感染対策向上加算に係る届出を行っていない医療機関であること |
| 9 | 感染対策向上加算1の届出を行っている他医療機関と連携して以下を実施 ● 少なくとも年1回程度、連携するいずれかの医療機関に相互に赴いて感染防止対策に関する評価を実施・報告(別添6の別紙24またはこれに準じた様式に基づく) ● 少なくとも年1回程度、感染対策向上加算1に係る届出を行っている他医療機関から評価を受けていること ※ 医療安全対策地域連携加算1・2を算定している医療機関については、医療安全対策地域連携加算の評価と本要件の評価とを併せて実施しても差し支えない |
| 10 | 介護保険施設・指定障害者支援施設などから求めがあった場合に以下を実施 ● 施設に赴いての実地指導など、感染対策に関する助言 ● 院内感染対策に関する研修を合同で実施することが望ましい |
参考:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省
5-1-2.感染制御チーム
| 構成員 | 感染防止対策部門内に以下の構成員からなる感染制御チームを組織し、感染防止に係る日常業務を行うこと | |
|---|---|---|
| (ア) | 感染症対策に3年以上の経験のある専任の常勤医師(歯科医療を行う医療機関は専任の常勤歯科医師) | |
| (イ) | 5年以上感染管理に従事した経験があり、研修を修了した専任の看護師 | |
| (ウ) | 3年以上の病院勤務経験を持つ感染防止対策に関わる専任の薬剤師 | |
| (エ) | 3年以上の病院勤務経験を持つ専任の臨床検査技師 | |
| ● 上記のうち1名が院内感染管理者(医療安全対策加算の医療安全管理者との兼任は不可だが業務実施は可) ● 医師または看護師のうち1名は専従であること |
||
| 非常勤医師の要件 | 専任の常勤医師の代わりに、以下の要件を満たす専任の非常勤医師を2名組み合わせて、常勤医師の勤務時間と同じ時間帯に配置していれば、感染制御チームの業務を行う場合に限り、基準を満たすとみなされる ● 週3日以上常態として勤務 ● 所定労働時間が週22時間以上の勤務 ※ ただし、感染症対策に3年以上の経験を有する医師に限る |
|
| 専従業務 | 以下の業務を実施することで、専従とみなすことができる ● 抗菌薬適正使用支援チームの業務を行う場合 ● 感染対策向上加算2・3または外来感染対策向上加算の届出を行った他医療機関に助言業務を行う場合 ● 介護保険施設等または指定障害者支援施設等への助言業務を行う場合(原則月16時間以下) ※ 感染制御チームの業務従事時間が医療機関の所定労働時間に満たない場合には、月16時間から他施設への助言業務を行った時間を差し引いた時間を超えない範囲で、感染制御チームの業務実施時間外に病院内の他業務に従事することは差し支えない |
|
| 看護師の研修 | 専任の看護師が修了する研修とは、以下に該当する研修のことをいう | |
| (ア) | 国または医療関係団体などが主催する研修(研修期間600時間以上で、修了証が交付されるもの) | |
| (イ) | 感染管理のための専門的な知識・技術を有する看護師の養成を目的とした研修 | |
| (ウ) | 以下の内容を含む講義および演習 ● 感染予防・管理システム ● 医療関連感染サーベイランス ● 感染防止技術 ● 職業感染管理 ● 感染管理指導 ● 感染管理相談 ● 洗浄・消毒・滅菌とファシリティマネジメント など |
|
| 研修・カンファレンス | (1) | 職員を対象として、少なくとも年2回程度、安全管理の体制確保のための職員研修とは別に、定期的に院内感染対策に関する研修を実施 |
| (2) | 保健所および地域の医師会と連携し、感染対策向上加算2・3を届け出た医療機関と合同で以下を実施 ● 少なくとも年4回程度、定期的に院内感染対策に関するカンファレンス(ビデオ通話でも可)を実施し、内容を記録 ● 上記のうち少なくとも1回 は、新興感染症の発生などを想定した訓練を実施 |
|
| (3) | 以下のような地域や全国のサーベイランスに参加 ● 院内感染対策サーベイランス(JANIS) ● 感染対策連携共通プラットフォーム(JSIPHE) など |
|
| マニュアル | 最新のエビデンスに基づき、以下の内容を盛り込んだ手順書(マニュアル)を作成し、各部署に配布した上で、定期的に新しい知見を取り入れ改訂すること ● 標準予防策 ● 感染経路別予防策 ● 職業感染予防策 ● 疾患別感染対策 ● 洗浄・消毒・滅菌 ● 抗菌薬適正使用 など |
|
| 業務 | (1) | 感染対策向上加算2・3または外来感染対策向上加算を届け出た他医療機関に対し、必要時に院内感染対策に関する助言を行う体制があること |
| (2) | 感染制御チームにより、1週間に1回程度、定期的に院内を巡回して以下を実施 ● 院内感染事例の把握 ● 院内感染防止対策の実施状況の把握・指導 |
|
参考:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省
5-1-3.抗菌薬適正使用支援チーム
| 構成員 | 以下の構成員(いずれか1人は専従)からなる抗菌薬適正使用支援チームを組織し、抗菌薬の適正使用の支援業務を行うこと | |
|---|---|---|
| (ア) | 感染症の診療について3年以上の経験がある専任の常勤医師(歯科医療を行う医療機関は常勤歯科医師) | |
| (イ) | 5年以上感染管理に従事した経験があり、感染管理に係る適切な研修を修了した専任の看護師 | |
| (ウ) | 3年以上の病院勤務経験を持つ感染症診療に関わる専任の薬剤師 | |
| (エ) | 3年以上の病院勤務経験を持つ微生物検査に関わる専任の臨床検査技師 | |
| 専従職員 | ● 感染制御チームと兼任しないことが望ましい ● 感染制御チームの業務を行う場合および感染対策向上加算2・3または外来感染対策向上加算の届出を行った他医療機関への助言業務を行う場合には、抗菌薬適正使用支援チームの業務について専従とみなすことができる ● 抗菌薬適正使用支援チームの業務への従事時間が医療機関の定める所定労働時間に満たない場合には、月16時間までに限り、当該業務実施時間以外に他業務に従事することは差し支えない |
|
| 非常勤医師の要件 | 専任の常勤医師の代わりに、以下の要件を満たす専任の非常勤医師を2名組み合わせて、常勤医師の勤務時間と同じ時間帯に配置していれば、感染制御チームの業務に従事する場合に限り、基準を満たすとみなされる ● 週3日以上常態として勤務 ● 所定労働時間が週22時間以上の勤務 ※ ただし、感染症治療に3年以上の経験がある医師に限る |
|
| 看護師の研修 | 専任の看護師が修了する研修は、以下に該当するものをいう | |
| (ア) | 国または医療関係団体などが主催する研修(研修期間600 時間以上で、修了証が交付されるもの) | |
| (イ) | 感染管理のための専門的な知識・技術がある看護師の養成を目的とした研修 | |
| (ウ) | 以下の内容を含む講義および演習 ● 感染予防・管理システム ● 医療関連感染サーベイランス ● 感染防止技術 ● 職業感染管理 ● 感染管理指導 ● 感染管理相談 ● 洗浄・消毒・滅菌とファシリティマネジメント など |
|
| 業務 | (ア) | 以下のような感染症早期からのモニタリングを実施する患者さんを施設の状況に応じて設定 ● 抗MRSA薬および抗緑膿菌作用のある抗菌薬を含めた広域抗菌薬などの特定の抗菌薬を使用する患者さん ● 菌血症などの特定の感染症兆候のある患者さん ● 免疫不全状態などの特定の患者集団 など |
| (イ) | (ア)で設定した対象患者さんを把握後、以下について経時的に評価し、必要に応じて主治医にフィードバックを行い、その旨を記録する ● 適切な微生物検査・血液検査・画像検査などの実施状況 ● 初期選択抗菌薬の選択・用法・用量の適切性 ● 必要に応じた治療薬物モニタリングの実施 ● 微生物検査等の治療方針への活用状況 など |
|
| (ウ) | 以下のような微生物検査・臨床検査が適正に利用可能な体制を整備 ● 適切な検体採取と培養検査の提出(血液培養の複数セット採取など) ● 施設内のアンチバイオグラムの作成 など |
|
| (エ) | 以下を定期的に評価 ● 抗菌薬使用状況や血液培養複数セット提出率などのプロセス指標 ● 耐性菌発生率や抗菌薬使用量などのアウトカム指標 |
|
| (オ) | 以下について、医療機関の外来における過去1年間の状況を把握 ● 急性気道感染症・急性下痢症の患者さんの数 ● 上記の患者さんに対する経口抗菌薬の処方状況 |
|
| (カ) | 抗菌薬適正使用の院内研修(感染対策向上加算の院内感染対研修と併せて実施しても差し支えない)を少なくとも年2回実施し、院内の抗菌薬使用マニュアルを作成 ※ 院内研修・マニュアルには、厚生労働省健康局結核感染症課「抗微生物薬適正使用の手引き」を参考に、外来における抗菌薬適正使用についての内容を含める |
|
| (キ) | 医療機関内で使用可能な抗菌薬の種類、用量などについて定期的に見直し、必要性の低い抗菌薬について医療機関内での使用中止を提案 | |
| (ク) | 院内の抗菌薬の適正使用を監視するための体制に係る業務については、抗菌薬適正使用支援チームが実施しても差し支えない | |
| 体制・整備 | ● 感染対策向上加算1の届出を行っていない他医療機関から、抗菌薬適正使用の推進に関する相談等を受ける体制を整備 ● 抗菌薬適正使用の推進に関する相談などを受ける体制があることを定期的なカンファレンスで他医療機関へ周知 |
|
参考:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省
5-2.感染対策向上加算2の施設基準
感染対策向上加算2の施設基準について見ていきましょう。
5-2-1.体制・整備
| 1 | 一般病床の数が300床未満を標準とする |
|---|---|
| 2 | 感染防止対策部門を設置していること ※ 医療安全対策加算に係る医療安全管理部門をもって感染防止対策部門としても差し支えない |
| 3 | 感染防止対策の業務指針と、院内感染管理者または感染制御チームの具体的な業務内容が整備されていること |
| 4 | 院内の抗菌薬の適正使用を監視するための体制を有し、特に特定抗菌薬(広域スペクトラムを有する抗菌薬、抗MRSA薬など)については、届出制または許可制の体制を取ること |
| 5 | 医療機関の見やすい場所に、院内感染防止対策に関する取り組み事項を掲示 |
| 6 | 公益財団法人日本医療機能評価機構など、第三者機関による評価を受けていることが望ましい |
| 7 | 都道府県知事の指定を受けている第一種協定指定医療機関であること |
| 8 | 新興感染症の発生時などに、感染症の患者さんを受け入れることを念頭に、汚染区域や清潔区域のゾーニングができる体制があること |
| 9 | 外来感染対策向上加算に係る届出を行っていない医療機関であること |
| 10 | 介護保険施設・指定障害者支援施設などから求めがあった場合に以下を実施 ● 施設に赴いての実地指導など、感染対策に関する助言を実施 ● 院内感染対策に関する研修を合同で実施することが望ましい |
参考:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省
5-2-2.感染制御チーム
| 構成員 | 部門内に以下のからなる感染制御チームを組織し、感染防止業務を行うこと | |
|---|---|---|
| (ア) | 感染症対策に3年以上の経験のある専任の常勤医師 (歯科医療を行う医療機関は専任の常勤歯科医師) |
|
| (イ) | 5年以上感染管理に従事した経験のある専任の看護師 | |
| (ウ) | 3年以上の病院勤務経験を持つまたは適切な研修を修了した感染防止対策に関わる専任の薬剤師 | |
| (エ) | 3年以上の病院勤務経験を持つまたは適切な研修を修了した専任の臨床検査技師 | |
| ● 上記のうち1名を院内感染管理者として配置 ● 院内感染管理者は医療安全対策加算の医療安全管理者との兼任は不可だが、院内感染防止対策業務の実施は可 |
||
| 薬剤師・臨床検査技師の研修 | 薬剤師・臨床検査技師が修了する研修は、以下に該当するものをいう | |
| (ア) | 国または医療関係団体などが主催する研修で、修了証が交付されるもの | |
| (イ) | 医療機関での感染防止対策の推進を目的とした研修 | |
| (ウ) | 次の内容を含む研修 ● 標準予防策と経路別予防策 ● 院内感染サーベイランス ● 洗浄・消毒・滅菌 ● 院内アウトブレイク対策 ● 行政(保健所)との連携 ● 抗菌薬適正使用 |
|
| 研修・カンファレンス | (1) | 職員を対象に少なくとも年2回程度、安全管理体制確保のための職員研修とは別に、定期的に院内感染対策に関する研修を行っていること 時間以上で、修了証が交付されるもの) |
| (2) | 感染対策向上加算1を届け出た医療機関が実施する以下に参加すること ● 定期的に主催する院内感染対策のカンファレンス(少なくとも年4回程度) ● 新興感染症の発生などの想定訓練(少なくとも年1回以上) ※ 複数の医療機関と連携する場合は、それぞれが開催するカンファレンス(ビデオ通話でも可)に少なくとも年1回、合わせて年4回以上 |
|
| マニュアル | 最新のエビデンスに基づき、以下の内容を盛り込んだ手順書(マニュアル)を作成し、各部署に配布した上で、定期的に新しい知見を取り入れ改訂すること ● 標準予防策 ● 感染経路別予防策 ● 職業感染予防策 ● 疾患別感染対策 ● 洗浄・消毒・滅菌 ● 抗菌薬適正使用 など |
|
| 業務 | (1) | 感染制御チームにより、1週間に1回程度、定期的に院内を巡回して以下を実施 ● 院内感染事例の把握 ● 院内感染防止対策の実施状況の把握・指導 |
| (2) | 以下の有事を想定した地域連携体制について、連携する感染対策向上加算1を届け出た他医療機関などとあらかじめ協議されていること ● 新興感染症の発生時 ● 院内アウトブレイクの発生時 など |
|
参考:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省
5-3.感染対策向上加算3の施設基準
感染対策向上加算3の施設基準についてみていきましょう。
5-3-1.体制・整備
| 1 | 一般病床の数が300床未満を標準とする |
|---|---|
| 2 | 感染防止対策部門を設置していること ※ 医療安全対策加算に係る医療安全管理部門をもって感染防止対策部門としても差し支えない |
| 3 | 感染防止対策の業務指針と、院内感染管理者または感染制御チームの具体的な業務内容が整備されていること |
| 4 | 医療機関の見やすい場所に、院内感染防止対策に関する取り組み事項を掲示 |
| 5 | 公益財団法人日本医療機能評価機構など、第三者機関による評価を受けていることが望ましい |
| 6 | 外来感染対策向上加算に係る届出を行っていない医療機関であること |
| 7 | 都道府県知事の指定を受けている第一種協定指定医療機関または第二種協定指定医療機関であること |
| 8 | 新興感染症の発生時などに、以下の体制を有すること ● 感染症の患者さんもしくは感染疑いのある患者さんを受け入れるために、汚染区域や清潔区域のゾーニングを実施できる体制 ● 発熱した患者さんなどの診療を実施するために、他患者さんとの動線を分けられる体制 |
| 9 | 介護保険施設・指定障害者支援施設などから求めがあった場合に以下を実施 ● 施設に赴いての実地指導など、感染対策に関する助言を実施 ● 院内感染対策に関する研修を合同で実施することが望ましい |
参考:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省
5-3-2.感染制御チーム
| 構成員 | 部門内に以下の構成員からなる感染制御チームを組織し、感染防止業務を行うこと | |
|---|---|---|
| (ア) | 専任の常勤医師 (歯科医療を行う医療機関は専任の常勤歯科医師) |
|
| (イ) | 専任の看護師 | |
| ● 上記のうち1名が院内感染管理者として配置 ● 院内感染管理者は医療安全対策加算の医療安全管理者との兼任は不可だが、院内感染防止対策業務の実施は可 |
||
| 医師・看護師の研修 | 医師・看護師は、以下に該当する研修を修了していることが望ましい | |
| (ア) | 国または医療関係団体などが主催する研修で、修了証が交付されるもの | |
| (イ) | 医療機関での感染防止対策の推進を目的とした研修 | |
| (ウ) | 次の内容を含む研修 ● 標準予防策と経路別予防策 ● 院内感染サーベイランス ● 洗浄・消毒・滅菌 ● 院内アウトブレイク対策 ● 行政(保健所)との連携 ● 抗菌薬適正使用 |
|
| マニュアル | 最新のエビデンスに基づき、以下の内容を盛り込んだ手順書(マニュアル)を作成し、各部署に配布した上で、定期的に新しい知見を取り入れ改訂すること ● 標準予防策 ● 感染経路別予防策 ● 職業感染予防策 ● 疾患別感染対策 ● 洗浄・消毒・滅菌 ● 抗菌薬適正使用 など |
|
| 研修・カンファレンス | 職員を対象に少なくとも年2回程度、安全管理体制確保のための職員研修とは別に、定期的に院内感染対策に関する研修を実施すること 時間以上で、修了証が交付されるもの) | |
| 感染対策向上加算1を届け出た医療機関が実施する以下に参加すること ● 定期的に主催する院内感染対策のカンファレンス(少なくとも年4回程度) ● 新興感染症の発生等の想定訓練には、少なくとも年1回以上参加 ※ 複数の医療機関と連携する場合は、それぞれが開催するカンファレンス(ビデオ通話でも可)に少なくとも年1回、合わせて年4回以上 |
||
| 院内の抗菌薬適正使用について、以下から助言を受けること ● 連携する感染対策向上加算1の届け出を行った他医療機関 ● 地域の医師会 ※ 細菌学的検査を外部委託している場合は、薬剤感受性検査の詳細な契約内容を確認し、検査体制を整えておくなど「中小病院における薬剤耐性菌アウトブレイク対応ガイダンス」に沿った対応を行っていること |
||
| 業務 | 感染制御チームにより、1週間に1回程度、定期的に院内を巡回して以下を実施すること ● 院内感染事例の把握 ● 院内感染防止対策の実施状況の把握・指導 |
|
| 以下の有事を想定した地域連携体制について、連携する感染対策向上加算1を届け出た他医療機関などとあらかじめ協議されていること ● 新興感染症の発生時 ● 院内アウトブレイクの発生時 など |
||
参考:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省
6.感染対策向上加算の施設基準の届出
感染対策向上加算を算定するには、施設基準の届出が必要です。「基本診療料の施設基準等に係る届出書」と「感染対策向上加算に係る届出書添付書類」(様式35の2)を、医療機関の所在地を管轄する厚生局事務所などへ提出します。
7.感染対策向上加算の加算
感染対策向上加算に関連して算定できる加算について解説します。
7-1.指導強化加算
指導強化加算とは、感染対策向上加算1を算定している医療機関が、感染対策向上加算2・3または外来感染対策向上加算を算定する他医療機関の院内感染対策を支援するために訪問し、助言を行っている場合に算定するものです。所定点数に30点を加算します。
7-2.微生物学検査体制加算
微生物学検査体制加算とは、感染対策向上加算1を算定する医療機関が、施設内に微生物学的検査室を設けており、院内感染対策業務などに活用している場合に算定できるものです。要件を満たすことで、30点を所定点数に加算できます。
7-3.連携強化加算
連携強化加算とは、感染対策向上加算2・3を算定する医療機関が、感染対策向上加算1を算定している医療機関に対し、感染症の発生状況や抗菌薬の使用状況などを定期的に報告することで算定できるものです。所定点数に30点が加算されます。
7-4.サーベイランス強化加算
サーベイランス強化加算とは、感染対策向上加算2・3を算定する医療機関が、地域や全国のサーベイランスに参加することで算定できるものです。3点を所定点数に加算できます。
7-5.抗菌薬適正使用体制加算
抗菌薬適正使用体制加算は、感染対策向上加算を算定する医療機関が、抗菌薬の使用状況のモニタリングが可能なサーベイランスに参加し、使用する抗菌薬のうち、Access抗菌薬に分類されるものの使用比率が以下のいずれかを満たす場合に、5点を所定点数に加算できます。
● 当該サーベイランスに参加する医療機関の上位30%以内
8.医療機関同士が連携して地域の感染症対策の質向上を目指そう
感染対策向上加算1・2・3にはそれぞれ異なる施設基準があり、医療機関の取り組みに応じた評価が行われます。医療機関同士が連携を取ることによって、地域における感染症対策の質の向上が期待されています。

薬剤師ライター。2児の母。大学卒業後、調剤薬局→病院→調剤薬局と3度の転職を経験。循環器内科・小児科・内科・糖尿病科など幅広い診療科の経験を積む。2人目を出産後、仕事と子育ての両立が難しくなったことがきっかけで、Webライターとして活動開始。転職・ビジネス・栄養・美容など幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は家庭菜園、裁縫、BBQ、キャンプ。
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