薬剤師の平均年収がいくらくらいなのかご存じでしょうか? 平均年収と自身の年収を比較することで、働き方に見合った年収をもらえているのか判断しやすくなるでしょう。場合によっては、もっと年収アップを目指せる可能性が見えてくるかもしれません。本記事では、薬剤師の平均年収を男女別・年齢別・都道府県別・業種別に解説するとともに、現役の薬剤師が年収をアップさせるためのポイントについて解説します。
- 1.薬剤師の平均年収
- 1-1.薬剤師の生涯年収
- 1-2.薬剤師は年収1,000万円を目指せる?
- 1-3.薬剤師の年収は低い?
- 2.薬剤師の男女別の平均年収
- 3.薬剤師の年齢別の平均年収
- 3-1.新卒薬剤師の平均年収
- 4.薬剤師の都道府県別の平均年収
- 4-1.北海道・東北地方の薬剤師の平均年収
- 4-2.関東地方の薬剤師の平均年収
- 4-3.中部地方の薬剤師の平均年収
- 4-4.近畿地方の薬剤師の平均年収
- 4-5.中国地方の薬剤師の平均年収
- 4-6.四国地方の薬剤師の平均年収
- 4-7.九州・沖縄地方の薬剤師の平均年収
- 4-8.薬剤師の平均年収が高い都道府県ランキング
- 5.薬剤師の業種別の平均年収
- 5-1.病院で働く薬剤師の平均年収
- 5-2.薬局で働く薬剤師の平均年収
- 5-3.製薬会社で働く薬剤師の平均年収
- 5-4.公務員薬剤師の平均年収
- 6.薬剤師が年収を上げるには?
- 6-1.薬剤師の認定資格や専門資格を取得する
- 6-2.管理薬剤師などの管理職を目指す
- 6-3.年収が高い職場へ転職する
- 7.スキルを高め、年収アップに向けて行動しよう
1.薬剤師の平均年収
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の平均年収は599万3,200円※と報告されています。
※平均年収は「きまって支給する現金給与額」の12カ月分と「年間賞与その他特別給与額」を合算して算出
年収とは、一般的に所得税や社会保険料など各種控除をする前の年間総支給のことです。毎月支払われる給与と一時金として支払われる賞与を合算することで、自身の年収を計算できます。
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|政府統計の総合窓口
1-1.薬剤師の生涯年収
厚生労働省が公開している資料「薬剤師の偏在への対応策」によると、65歳まで働いた場合の薬剤師の生涯年収の中央値は、以下のとおりです。
常勤 | 非常勤 | |
---|---|---|
病院薬剤師 | 2億3,280万円 | 9,550万円 |
薬局薬剤師 | 2億2,768万円 | 9,500万円 |
病院または薬局で65歳まで常勤として働いた場合、薬剤師の生涯年収の中央値は2億3,000万円前後とされており、病院薬剤師と薬局薬剤師の生涯年収の差はそれほど大きくありません。しかし、常勤薬剤師と非常勤薬剤師では、生涯年収に大きな差があることが分かります。
1-2.薬剤師は年収1,000万円を目指せる?
薬剤師の中には、1,000万円以上の年収を得ている人がいます。厚生労働省が公開している資料「『薬剤師の需給動向把握事業』報告書」によれば、薬局薬剤師または病院薬剤師のうち、約2%の人が年収1,000万以上とされています。
少ない割合ではありますが、薬剤師は年収1,000万円以上を受け取れる可能性があるといえるでしょう。
🔽 薬剤師が年収1,000万円を稼ぐ方法について解説した記事はこちら
1-3.薬剤師の年収は低い?
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の平均年収は460万円でした。
異なる調査結果に基づく金額ではあるものの、前述のとおり、薬剤師の平均年収は599万3,200円であることから、給与所得者全体の中で、薬剤師の年収は比較的高いと考えられます。
また、「令和6年賃金構造基本統計調査」を基に算出した医療関連職種の平均年収は、以下のとおりです。
職種 | 平均年収 |
---|---|
医師 | 1,338万100円 |
歯科医師 | 1,135万5,200円 |
獣医師 | 884万7,800円 |
薬剤師 | 599万3,200円 |
保健師 | 521万2,400円 |
助産師 | 580万5,600円 |
看護師 | 519万7,000円 |
准看護師 | 417万1,700円 |
診療放射線技師 | 549万8,500円 |
臨床検査技師 | 504万3,400円 |
理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 視能訓練士 |
444万1,500円 |
歯科衛生士 | 405万5,600円 |
歯科技工士 | 454万3,600円 |
栄養士 | 394万2,600円 |
その他の保健医療従事者 | 430万2,200円 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|政府統計の総合窓口
※平均年収は「きまって支給する現金給与額」の12カ月分と「年間賞与その他特別給与額」を合算して算出
医療関連職種の平均年収と比較しても、薬剤師の年収は比較的高いといえるでしょう。
🔽 薬剤師の年収が低いといわれる理由などについて解説した記事はこちら
2.薬剤師の男女別の平均年収
「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、男性薬剤師の平均年収は651万1,200円でした。一方、女性薬剤師の平均年収は555万8,400円で、男性薬剤師の平均年収の方が約100万円高いことが分かります。
同調査を基に算出した薬剤師の男女別の平均年収は、以下のとおりです。
性別 | 平均年収 | 平均月収 | 平均年齢 |
---|---|---|---|
男性 | 651万1,200円 | 47万2,500円 | 42.7歳 |
女性 | 555万8,400円 | 39万5,800円 | 39.3歳 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 7 職種(特掲)、性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計) |政府統計の総合窓口
※平均月収は「きまって支給する現金給与額」、平均年収は「きまって支給する現金給与額」の12カ月分と「年間賞与その他特別給与額」を合算して算出
平均年収、平均月収、平均年齢ともに、男性薬剤師の方が女性薬剤師より高くなっています。

3.薬剤師の年齢別の平均年収
「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の年齢別の平均年収は、以下のとおりです。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20~24歳 | 399万円9,000円 |
25~29歳 | 500万円9,700円 |
30~34歳 | 564万円4,100円 |
35~39歳 | 614万円1,400円 |
40~44歳 | 646万円1,100円 |
45~49歳 | 667万円2,500円 |
50~54歳 | 744万円7,300円 |
55~59歳 | 709万円2,600円 |
60~64歳 | 685万円2,700円 |
65~69歳 | 559万円4,100円 |
70歳~ | 465万円9,700円 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 5 職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|政府統計の総合窓口
※平均年収は「きまって支給する現金給与額」の12カ月分と「年間賞与その他特別給与額」を合算して算出
薬剤師の平均年収は、男女ともに20代、30代、40代、50代と、おおむね年齢に比例して上がる傾向にあります。
60代以降については、定年を迎えたことによる勤務形態の変化などによって、平均年収が下がっていることが考えられます。薬剤師の年齢や勤務形態も、年収を左右する要因といえるでしょう。
🔽 20代の薬剤師の平均年収を紹介した記事はこちら
🔽 30代の薬剤師の平均年収を紹介した記事はこちら
🔽 40代の薬剤師の平均年収を紹介した記事はこちら
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3-1.新卒薬剤師の平均年収
「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、新卒薬剤師の初任給の目安となる「経験年数0年目の所定内給与額」は、32万1,500円でした。
時間外手当(残業代)などは含まない金額のため、あくまで参考ではありますが、賞与などは考慮せず単純に12カ月分にすると、新卒薬剤師の平均年収は385万8,000円と計算できます。
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 10 職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|政府統計の総合窓口
🔽 薬剤師の初任給について解説した記事はこちら
4.薬剤師の都道府県別の平均年収
「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の平均年収が最も高い都道府県は熊本県で、最も低いのは宮崎県でした。
両者を比較すると、約250万円の差があります。平均年齢に10歳近く差があることも影響していると考えられますが、薬剤師の年収相場は、勤務先の地域・都道府県によっても異なるといえるでしょう。
同調査における都道府県別の薬剤師の平均年収※は、以下のとおりです。
※平均月収は「きまって支給する現金給与額」、平均年収は「きまって支給する現金給与額」の12カ月分と「年間賞与その他特別給与額」を合算して算出

4-1.北海道・東北地方の薬剤師の平均年収
都道府県 | 平均年収 | 平均月収 | 平均年齢 |
---|---|---|---|
北海道 | 528万6,200円 | 37万5,100円 | 40.0歳 |
青森 | 576万3,900円 | 42万8,900円 | 41.8歳 |
岩手 | 665万3,500円 | 48万8,800円 | 39.8歳 |
宮城 | 571万7,600円 | 39万2,900円 | 46.6歳 |
秋田 | 629万2,600円 | 42万6,600円 | 43.6歳 |
山形 | 597万1,100円 | 42万1,500円 | 43.9歳 |
福島 | 569万2,900円 | 39万1,900円 | 38.6歳 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別|政府統計の総合窓口
4-2.関東地方の薬剤師の平均年収
都道府県 | 平均年収 | 平均月収 | 平均年齢 |
---|---|---|---|
茨城 | 627万8,400円 | 42万7,300円 | 42.2歳 |
栃木 | 667万7,100円 | 45万900円 | 44.7歳 |
群馬 | 564万2,300円 | 39万1,900円 | 40.9歳 |
埼玉 | 546万7,300円 | 39万7,000円 | 38.5歳 |
千葉 | 631万8,500円 | 48万3,500円 | 43.0歳 |
東京 | 609万2,500円 | 41万6,300円 | 40.3歳 |
神奈川 | 572万300円 | 40万9,600円 | 37.3歳 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別|政府統計の総合窓口
4-3.中部地方の薬剤師の平均年収
都道府県 | 平均年収 | 平均月収 | 平均年齢 |
---|---|---|---|
新潟 | 686万9,400円 | 49万3,600円 | 48.4歳 |
富山 | 585万6,200円 | 40万7,300円 | 47.4歳 |
石川 | 620万5,700円 | 43万7,900円 | 44.6歳 |
福井 | 612万8,100円 | 42万5,600円 | 30.8歳 |
山梨 | 609万5,000円 | 49万5,400円 | 35.3歳 |
長野 | 658万3,900円 | 47万5,200円 | 47.5歳 |
岐阜 | 611万6,200円 | 42万6,200円 | 41.9歳 |
静岡 | 665万2,400円 | 45万2,800円 | 43.4歳 |
愛知 | 631万3,800円 | 48万100円 | 36.4歳 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別|政府統計の総合窓口
4-4.近畿地方の薬剤師の平均年収
都道府県 | 平均年収 | 平均月収 | 平均年齢 |
---|---|---|---|
三重 | 641万8,000円 | 45万8,500円 | 43.4歳 |
滋賀 | 582万7,600円 | 40万9,700円 | 34.5歳 |
京都 | 594万7,700円 | 41万8,500円 | 36.9歳 |
大阪 | 569万7,800円 | 40万8,800円 | 41.9歳 |
兵庫 | 550万2,300円 | 37万1,600円 | 43.1歳 |
奈良 | 594万5,700円 | 41万4,300円 | 47.7歳 |
和歌山 | 646万8,500円 | 43万6,300円 | 48.3歳 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別|政府統計の総合窓口
4-5.中国地方の薬剤師の平均年収
都道府県 | 平均年収 | 平均月収 | 平均年齢 |
---|---|---|---|
鳥取 | 600万4,800円 | 42万0,100円 | 42.7歳 |
島根 | 538万5,200円 | 36万4,000円 | 39.9歳 |
岡山 | 513万5,500円 | 35万9,200円 | 38.6歳 |
広島 | 715万7,200円 | 54万100円 | 41.7歳 |
山口 | 687万9,400円 | 46万5,400円 | 48.9歳 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別|政府統計の総合窓口
4-6.四国地方の薬剤師の平均年収
都道府県 | 平均年収 | 平均月収 | 平均年齢 |
---|---|---|---|
徳島 | 588万円6,100円 | 41万1,200円 | 41.4歳 |
香川 | 633万円6,900円 | 43万6,600円 | 57.7歳 |
愛媛 | 618万円9,700円 | 43万3,600円 | 42.6歳 |
高知 | 600万円8,700円 | 45万4,700円 | 39.8歳 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別|政府統計の総合窓口
4-7.九州・沖縄地方の薬剤師の平均年収
都道府県 | 平均年収 | 平均月収 | 平均年齢 |
---|---|---|---|
福岡 | 540万円1,200円 | 40万300円 | 40.5歳 |
佐賀 | 622万円2,900円 | 44万6,700円 | 46.8歳 |
長崎 | 559万円9,900円 | 39万300円 | 45.7歳 |
熊本 | 761万円8,400円 | 58万3,800円 | 47.5歳 |
大分 | 677万円2,000円 | 47万2,500円 | 44.2歳 |
宮崎 | 510万円9,900円 | 38万6,700円 | 38.9歳 |
鹿児島 | 598万円1,800円 | 46万7,700円 | 47.1歳 |
沖縄 | 547万円6,300円 | 39万7,900円 | 40.6歳 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別|政府統計の総合窓口
4-8.薬剤師の平均年収が高い都道府県ランキング
順位 | 都道府県 | 平均年収 |
---|---|---|
1位 | 熊本 | 761万8,400円 |
2位 | 広島 | 715万7,200円 |
3位 | 山口 | 687万9,400円 |
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別|政府統計の総合窓口
🔽 全国の薬剤師年収ランキングを紹介した記事はこちら
5.薬剤師の業種別の平均年収
2023年に実施された「医療経済実態調査(医療機関等調査)」では、病院薬剤師、薬局薬剤師の平均年収が調査されています。また、厚生労働省の「職業情報提供サイト(日本版O-NET) job tag」では、医薬情報担当者(MR)などの平均年収が公開されています。ここでは、薬剤師の主な就職先である病院、薬局、製薬会社、公務員の平均年収について紹介します。

5-1.病院で働く薬剤師の平均年収
厚生労働省「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)」によると、一般病院の薬剤師の平均年収は568万8,862円です。ただし、開設者によって、以下のように平均年収に差があります。
開設者 | 平均年収 |
---|---|
国立 | 626万5,471円 |
公立 | 595万4,927円 |
公的 | 605万5,003円 |
社会保険関係法人 | 594万9,629円 |
医療法人 | 528万6,383円 |
その他 | 555万2,294円 |
法人その他全体 | 568万7,777円 |
個人 | 656万6,931円 |
全体 | 568万8,862円 |
参考:第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告 -令和5年実施-|厚生労働省
🔽 病院薬剤師の年収について解説した記事はこちら
5-2.薬局で働く薬剤師の平均年収
薬局の一般薬剤師の平均年収は486万4,287円です。個人または法人、役職の有無によって、以下のように平均年収が異なります。
開設者 | 平均年収 | |
---|---|---|
一般薬剤師 | 管理薬剤師 | |
個人 | 400万2,718円 | |
法人 | 487万2,875円 | 736万3,108円 |
全体 | 486万4,287円 | 734万8,725円 |
参考:第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告 -令和5年実施-|厚生労働省
また、店舗数によっても、薬局薬剤師の平均年収に違いがあります。
店舗数 | 平均年収 | |
---|---|---|
一般薬剤師 | 管理薬剤師 | |
1店舗 | 587万6,925円 | 933万1,192円 |
2~5店舗 | 448万1,605円 | 805万2,061円 |
6~19店舗 | 488万8,128円 | 688万0,224円 |
20~49店舗 | 498万4,777円 | 669万5,768円 |
50~99店舗 | 461万4,436円 | 651万7,121円 |
100~199店舗 | 506万6,858円 | 714万9,077円 |
200~299店舗 | 486万3,921円 | 672万9,892円 |
300店舗以上 | 495万1,046円 | 695万1,901円 |
無回答 | 451万2,832円 | 679万0,540円 |
全体 | 486万4,287円 | 734万8,725円 |
参考:第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告-令和5年実施-|厚生労働省
同じ薬局薬剤師でも、役職や店舗数によって平均年収に違いがあり、1店舗の薬局では管理薬剤師と一般薬剤師に約350万円の差が見られました。
🔽 薬局薬剤師について詳しく解説した記事はこちら
5-3.製薬会社で働く薬剤師の平均年収
厚生労働省の「職業情報提供サイト(日本版O-NET) job tag」によると、「令和6年賃金構造基本統計調査」の結果に基づく医薬情報担当者(MR)の平均年収は618.3万円となっています。
参考:医薬情報担当者(MR)|職業情報提供サイト(日本版O-NET) job tag
MRには薬剤師資格保有者以外も含まれるほか、調査データも異なるため、あくまで参考値ではありますが、病院薬剤師や薬局の一般薬剤師と比べると、企業(MR)の年収はやや高くなっています。
MRは病院や薬局勤務の薬剤師と比べて、年次の昇給額が大きい傾向にあり、自身の成果によってインセンティブが出ることもあるため、働き方によっては高い年収が期待できるでしょう。
🔽 MRについて詳しく解説した記事はこちら
5-4.公務員薬剤師の平均年収
国家公務員として病院などで働く公務員薬剤師の給料(俸給)は「医療職俸給表(二)」が適用されます。
参考:公務員薬剤師、初任給2万1700円増~民間賃上げ反映し大幅増 人事院
人事院が公開している「令和6年国家公務員給与等実態調査報告書」の結果における「医療職俸給表(二)」の平均給与月額は36万2,560円、平均俸給(基本給)額は31万8,618円でした。平均給与月額の12カ月分と、令和6年人事院勧告におけるボーナス支給月数の年間4.6カ月分を合算すると、平均年収は581.6万円になります。
参考:人事院規則九―八(初任給、昇格、昇給等の基準)|e-Gov法令検索
参考:令和6年国家公務員給与等実態調査報告書|人事院
参考:令和6年 人事院勧告|人事院
🔽 公務員薬剤師について詳しく解説した記事はこちら
6.薬剤師が年収を上げるには?
薬剤師の中には、現状の年収では満足していない人もいるでしょう。ここでは、年収をアップさせるためのポイントについてお伝えします。

6-1.薬剤師の認定資格や専門資格を取得する
認定資格や専門資格の取得により、手当などが発生することを見込んだ年収アップが期待できます。例えば、研修認定薬剤師の資格は、国が推進しているかかりつけ薬剤師になるための要件となっています。資格を取得し、かかりつけ薬剤師になることができれば、年収交渉においても有利に働くでしょう。
🔽 かかりつけ薬剤師について詳しく解説した記事はこちら
また「専門医療機関連携薬局」の認定要件として専門資格を持つ薬剤師の配置が必要であることから、認定を目指す薬局では、専門薬剤師に対して手当を支給するケースもあります。専門資格は容易に取得できるものではありませんが、年収アップに向けて挑戦してみるのもよいでしょう。
参考:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第63号)の概要|厚生労働省
🔽 専門医療機関連携薬局について詳しく解説した記事はこちら
🔽 専門薬剤師について詳しく解説した記事はこちら
6-2.管理薬剤師などの管理職を目指す
管理薬剤師をはじめとする管理職になると、大幅な年収アップを実現できる可能性があります。先に紹介した業種別の平均年収からも分かるとおり、薬局で働く一般薬剤師の平均年収は486万4,287円である一方、管理薬剤師の平均年収は734万8,725円と大きな差が見られます。
管理薬剤師になると、通常の薬剤師業務に加えて管理業務も行うため負担は大きくなる場合がありますが、経験を積むことで自身のスキルアップにもつながります。マネジメントスキルを身に付けて、エリアマネージャーや薬局長などのキャリアアップができれば、さらなる年収アップも期待できます。
🔽 管理薬剤師について詳しく解説した記事はこちら
6-3.年収が高い職場へ転職する
今の職場での年収アップが難しいようなら、思い切って転職を検討するのも一案です。求人先の求める人材とマッチして年収交渉がうまくいけば、今よりも高い年収をもらえる可能性があります。
面接の時には「管理薬剤師の経験がある」「在宅医療の知識が豊富」など、薬剤師としての経験やスキルを積極的にアピールしましょう。
初めての転職で不安な場合は、転職エージェントを利用するのがおすすめです。自身の希望に合った転職先を探してもらえたり、履歴書の書き方や面接のポイントについて丁寧に教えてもらえたりと、さまざまなサポートを受けられます。
7.スキルを高め、年収アップに向けて行動しよう
薬剤師は一般の給与所得者と比べて、高い年収を得やすい傾向にあります。とはいえ、性別や年齢、業種、勤務先の地域などによって平均年収に差が出るため、一概にはいえません。パートやアルバイトと、正社員でも給与相場は異なるため、勤務形態にもよるでしょう。
これから年収アップを目指したい場合には、認定資格や専門資格を取得したり、管理職を目指したり、転職を検討したりするなど、取り組めることから始めてみましょう。
働き方に見合った年収を得るためにも、日々のスキルアップを続けながら、患者さんや地域社会に貢献できる薬剤師を目指しましょう。

薬剤師ライター。2児の母。大学卒業後、調剤薬局→病院→調剤薬局と3度の転職を経験。循環器内科・小児科・内科・糖尿病科など幅広い診療科の経験を積む。2人目を出産後、仕事と子育ての両立が難しくなったことがきっかけで、Webライターとして活動開始。転職・ビジネス・栄養・美容など幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は家庭菜園、裁縫、BBQ、キャンプ。
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