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GE薬の情報提供に乖離‐メーカーと医療者共有せず

薬+読 編集部からのコメント

2016年7月10日(日)に都内で開催された、日本ジェネリック医薬品学会学術大会のシンポジウム。薬局からはGE薬に抵抗感のある患者もいるため、説明に苦慮していたり、情報収集の時間がないなどの意見が出され、メーカーと医療者でGE薬の情報が共有し切れていない課題が明らかになりました。

GE薬学会

国内のGE薬数量シェア80%達成を目指し、10日に都内で開かれた日本ジェネリック医薬品学会学術大会のシンポジウムでは、次のロードマップ策定に向け、GE薬メーカーや薬局、病院など各立場から今後どう取り組んでいくべきかが議論された。GE薬に抵抗感を示す患者・医療従事者も存在する中、各シンポジストからは、GE薬に関する必要な情報がメーカーと医療従事者間で「共有できていない」との問題点が指摘され、そのための仕組みのあり方を検討すべきとの意見が挙がった。


 

GE薬協総務委員長の田中俊幸氏(東和薬品)は、2013年4月に策定された「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」の達成状況について、「特に安定供給と品質の確保への取り組みは、相当改善している」と述べた上で、「業界団体の努力が医療従事者の方に伝わっていない」と企業からの情報提供が課題との認識を示した。

 

日本薬剤師会常務理事の永田泰造氏は、いくら安くなっても“GE薬を使いたくない”という患者が一定数存在することを明らかにした上で、「効き目や副作用に不安がある患者さんも多く、服薬指導上、われわれ薬剤師が説明をしなければならない」と患者の不安感を取り除く情報提供の必要性を強調した。

 

ただ、薬局が保有するGE薬に関する情報量に限りがあるため、先発品からGE薬への切り換えや、個々の患者に適したGE薬の選択、患者への説明に苦慮している現状を披露。「ホームページ上から情報収集すればいいという声もあるが、他の業務を優先しなければならない状況」を訴えた上で、「われわれが情報提供をしっかりとしていくと同時に、メーカーも薬剤師への情報提供のあり方を考えていただきたい」と述べ、GE薬の有効性や安全性を即時に情報共有できる仕組みを要望した。

 

一方、聖マリアンナ医科大学薬剤部参与の増原慶壮氏は、「GE薬メーカーのMRはいらないのではないか」との私見を述べ、ホームページや資料郵送など低コストの情報提供が求められるとした。「医療者が医薬品を安く買いたいと思うなら、医療者も情報収集に努力すべき。医療経済の中での合理的なやり方が必要になる中、メーカーも医療者も極力無駄なことはしないのが大事」と語った。

 

フロアからは、特に地域医療では、薬剤の副作用情報や使用実態といった情報を共有しづらいという問題が提起され、座長を務めた武藤正樹氏(国際医療福祉大学大学院教授)は、「地域にある医師会や歯科医師会、薬剤師会の3師会の活動を通じて医薬品の情報共有をどうすべきか、ロードマップで書き込んでいきたい」と語った。

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出典:薬事日報

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