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高認知度も利用意向低く~セルフM税制の生活者調査

薬+読 編集部からのコメント

日本一般用医薬品連合会と日本OTC医薬品協会が、2016年より確定申告の時期に毎年実施している関連団体と実施したセルフメディケーション税制に関する生活者16万人調査の結果を発表。同税制について生活者の7割以上が認知しているものの、利用意向は12.1%にとどまり、いずれも横ばいに推移。利用意向についても、調査開始の16年の18.0%に対し、昨年は11.0%、今回は12.1%と伸び悩んでいる状況が判明。現状制度では、税制の利用拡大が見込みにくい状況であることが分かりました。また、同制度が21年までの時限制度であることへの非認知度について、今回初めて調査を実施したところ、およそ6割の生活者が認知していないことも明らかになりました。

日本一般用医薬品連合会と日本OTC医薬品協会は、関連団体と実施したセルフメディケーション税制に関する生活者16万人調査の結果を発表した。それによると、同税制について生活者の7割以上が認知しているものの、利用意向は12.1%にとどまり、いずれも横ばいに推移。現状の制度では、税制の利用拡大が見込みにくい状況であることが分かった。


同調査は、2016年から確定申告の時期に実施している。主な調査結果を見ると、セルフメディケーション税制の認知度は、昨年が71.3%だったのに対して、今回は72.1%と7割以上の生活者が認知しているものの、ほぼ横ばいで推移した。

 

利用意向についても、調査を開始した16年の18.0%に対し、昨年は11.0%、今回は12.1%と伸び悩んでいる状況が分かった。このことから、日本OTC医薬品協会顧問の廣川暢幸氏は、「現在の制度では、今後も認知度が向上しても税制の利用拡大は見込みにくい状況である」との考えを示した。

 

性別・年代別で同税制の理解度を見ると、男性は昨年24.6%だったのに対し今回は26.5%、女性は昨年24.9%だったのに対し今回は28.6%となった。

 

その中でも、60代については男性が37.5%、女性が37.0%と高い傾向にあることが分かった。一方、60代の利用意向について見ると、男性が10.1%、女性が10.6%と、全世代の中で最も低い結果となった。廣川氏は「制度を理解するほど、利用意向が低くなることが示唆されている」とした。

 

また、制度が21年までの時限制度であることへの非認知度について、今回初めて調査を行った。その結果、男性(56.4%)よりも女性(62.6%)の方が非認知度が高く、全体ではおよそ6割の生活者が認知していないことも明らかとなった。

 

セルフメディケーション税制を利用する上での改善ニーズを見ると、税制を「利用したい」と答えた1万9524人に対し、「最も利用したいと思わせてくれる拡充策」を聞いたところ、「申告対象の製品を全OTC医薬品に拡大すること」が55.0%で最多となり、次いで「申告手続きの簡素化」が20.8%、「下限金額の撤廃」が11.8%となった。

 

健康意識・行動変容を調べた二次調査では、同税制利用群と利用予備群を選別し、▽かぜ▽アレルギー▽肩・首・腰の痛み▽胃の症状、胸焼け▽頭痛、生理痛――の五つの症状を「軽い」と「重い」の重症度に分け、罹患時の対処方法について調査した。

 

その結果、重いかぜに罹患した税制利用予備群を除く、全ての群で医療機関への受診よりもOTC医薬品で対処する割合が多い結果となった。

 

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出典:薬事日報

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