高齢の患者さんから「インフルエンザかもしれない患者と同じ待合室で待たされて、うつったらどうするんだ」とクレームがありました。薬局で隔離スペースなどは用意しておらず、「そんなこと言われても……」と答えてしまいました。このような苦情には、どう対応したらよいのでしょうか。
クレームを受けたらすぐに謝罪
感染対策として隔離スペース等を備える薬局も増えてきました。しかし現実には限られた既存のスペースでは隔離が難しい薬局の方がまだ圧倒的に多いのではないでしょうか。患者さんが不安に感じることが想像できるだけに、対応に苦慮している薬剤師も少なくないことでしょう。
相談者さんは、とっさに本音が出てしまったようですね。でも、クレームを受けたら非があってもなくてもすぐ謝罪するのが基本です。今回のケースでも、その基本はそのまま当てはまります。クレームをできるだけ早く収束させるために、この初期対応は絶対に欠かせません。
相談者さんに非はなく、薬局としても謝罪する理由はないと考えるかもしれませんが、以前よりお伝えしている通り、クレームを受けたら「不快な気持ちにさせたこと」に対してすぐに謝ります。「ご心配をおかけしまして大変申し訳ございません」「不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません」といった具合です。
「隔離スペースはないんだから、仕方ないでしょ」といった開き直りや、「隔離したくてもできないんですよ。これ以上どうしようもありません」などの言い訳や口ごたえは厳禁。また口には出さなくとも「私は何も悪くないのに……」と不満に思う気持ちが相手に伝わってしまわないように、姿勢や態度・表情にも十分気を付けましょう。
相談者さんは、とっさに本音が出てしまったようですね。でも、クレームを受けたら非があってもなくてもすぐ謝罪するのが基本です。今回のケースでも、その基本はそのまま当てはまります。クレームをできるだけ早く収束させるために、この初期対応は絶対に欠かせません。
相談者さんに非はなく、薬局としても謝罪する理由はないと考えるかもしれませんが、以前よりお伝えしている通り、クレームを受けたら「不快な気持ちにさせたこと」に対してすぐに謝ります。「ご心配をおかけしまして大変申し訳ございません」「不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません」といった具合です。
「隔離スペースはないんだから、仕方ないでしょ」といった開き直りや、「隔離したくてもできないんですよ。これ以上どうしようもありません」などの言い訳や口ごたえは厳禁。また口には出さなくとも「私は何も悪くないのに……」と不満に思う気持ちが相手に伝わってしまわないように、姿勢や態度・表情にも十分気を付けましょう。
今後の具体的な対策と感謝の気持ちを伝える
謝罪の言葉を伝えたら、次に現状と今後の対策について伝えます。現在、どのような対策を講じているのか、患者さんの指摘を受けて、今後どのように対応しようとしているのか、といった点を具体的に説明しましょう。
たとえば、「現状は手指用の消毒剤を置いて患者さんにご利用いただいているほか、感染症患者さんには出来るだけ早くお薬をお渡しして、他の患者さんとの接触時間を短くするよう努力しております」といった現状の説明。そして今後についても説明しますが、クレームを受けた直後に、その場で対応策を提示するのはハードルが高いかもしれません。
そんな時は、正直にありのままを伝えましょう。「○○さんのご指摘の通り、これだけではまだ不十分です。今後、他にできることがないか対策を考えてまいります」といった具合です。
最後に「本日は貴重なご意見をいただき、ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えましょう。ただ謝るだけでは、本当に反省しているのかと訝しく思われてしまうかもしれませんが、対応策を提示するとともに、クレームへの感謝を伝えれば、患者さんも怒りをおさめる気になるはずです。
患者さんからのクレームには、怒りのほかに、薬局への期待や要望も含まれます。対応策を考えたら後日患者さんに報告し、さらに薬局内に掲示もすると、患者さんの要望に真摯に対応していることを伝えることができ、薬局への信頼を深めてもらうきっかけになるでしょう。
今後、インフルエンザ以外のさまざまな感染症が流行する可能性があります。近隣の医療機関との連携を含めて、万が一クレームを受けても落ち着いて対応できる環境づくりを目指してほしいと思います。
たとえば、「現状は手指用の消毒剤を置いて患者さんにご利用いただいているほか、感染症患者さんには出来るだけ早くお薬をお渡しして、他の患者さんとの接触時間を短くするよう努力しております」といった現状の説明。そして今後についても説明しますが、クレームを受けた直後に、その場で対応策を提示するのはハードルが高いかもしれません。
そんな時は、正直にありのままを伝えましょう。「○○さんのご指摘の通り、これだけではまだ不十分です。今後、他にできることがないか対策を考えてまいります」といった具合です。
最後に「本日は貴重なご意見をいただき、ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えましょう。ただ謝るだけでは、本当に反省しているのかと訝しく思われてしまうかもしれませんが、対応策を提示するとともに、クレームへの感謝を伝えれば、患者さんも怒りをおさめる気になるはずです。
患者さんからのクレームには、怒りのほかに、薬局への期待や要望も含まれます。対応策を考えたら後日患者さんに報告し、さらに薬局内に掲示もすると、患者さんの要望に真摯に対応していることを伝えることができ、薬局への信頼を深めてもらうきっかけになるでしょう。
今後、インフルエンザ以外のさまざまな感染症が流行する可能性があります。近隣の医療機関との連携を含めて、万が一クレームを受けても落ち着いて対応できる環境づくりを目指してほしいと思います。
<あなたにおすすめ>
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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