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新型コロナ治療薬としてレムデシビルを特例承認~販売名「ベクルリー」

薬+読 編集部からのコメント

5月7日、特例承認の枠組みを用いて、抗ウイルス薬レムデシビルが国内で初めて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として薬事承認されました。レムデシビルは5月1日に米国で緊急時使用が許可されていますが、正式な承認は得られておらず、使用経験も極めて限られていることから、厚労省は安全性・有効性に関するデータを速やかに収集する必要があるとして全国の医療機関に対してデータ提供への協力を呼びかけています。

厚生労働省は5月7日、ギリアド・サイエンシズが4日付で承認申請していた抗ウイルス薬レムデシビル(販売名:ベクルリー点滴静注液100㎎/点滴静注用100㎎)について、特例承認の枠組みを用いて承認した。適応症は「SARS-CoV-2による感染症」。レムデシビルは、薬事承認された国内初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬となる。

 

特例承認は、医薬品医療機器法(薬機法)に基づき、国民の生命・健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病の蔓延などを防止するため緊急に使用する必要があり、かつ、海外で販売されている医薬品を特例的に承認する制度。

 

米国で5月1日にレムデシビルの緊急時使用が許可されたことを受け、この制度を活用した承認について7日の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で審議。申請から4日間という異例の早さで承認に至った。

 

ギリアドのマーダッド・パーシー チーフ・メディカル・オフィサーは、今回の特例承認について「日本国内の極めて重篤な患者に対する治療が、緊急に求められている状況に対処するもの。厚労省のリーダーシップと協力体制に感謝する」とコメントしている。

 

■厚労省が提供を受け、医療機関に配分

レムデシビルは開発中の新薬で、米国でも正式な承認は得られておらず、使用経験も極めて限られていることから、厚労省は安全性・有効性に関するデータを速やかに収集する必要があると判断。全国の医療機関に対しデータ提供への協力を呼びかけている。

 

ギリアドは「(レムデシビルの)全世界での生産能力に限りがある」としており、日本への供給量は限定的なものとなる可能性があることから、厚労省は当面、レムデシビルの提供を同省が受け、各医療機関に配分する方針。使用申請書を提出した医療機関に対し、WEB調査に入力した投与対象者数に応じて配分するとしている。

 

■酸素飽和度94%以下などの重症患者が対象

レムデシビルの適応症は、COVID-19の原因ウイルスSARS-CoV-2による感染症とされているが、米国での緊急時使用許可は、酸素飽和度94%以下、あるいは、酸素補給や人工呼吸器、体外式膜型人工肺(ECMO)が必要な重症患者に限定されている。

 

厚労省は7日付の事務連絡「レムデシビル製剤の使用に当たっての留意事項」で、適応患者選定の際の基準として、ギリアドから提出されている「コンパッショネート・ユース時に用いられた適格基準と除外基準」を示しており、各医療機関はこれらを参考に、レムデシビルの投与が必要な患者数を決めることになる。

 

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出典:Web医事新報

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