新型コロナ影響で大幅減~20年3月度のOTC販売
■インテージヘルスケア調査
インテージヘルスケアは、全国のOTC医薬品販売動向調査データをもとにした2020年3月度の「市販薬(OTC)市場薬効別ランキング」を発表した。販売金額は前年同月比12.2%減の928億円と大幅なマイナスとなった。過去5年間の3月の販売平均を100とした場合の指数も92.7と最低値だった。花粉関連薬市場が前年を大きく割り込んだこと、新型コロナウイルス感染拡大の影響でインバウンドでの人気銘柄が低調だったことなどを不調要因として挙げている。一方、新型コロナウイルス感染予防で殺菌消毒剤が引き続き好調だった。
調査は、同社の全国一般用医薬品パネル調査に基づくもの。OTC医薬品を販売しているドラッグストアやスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター、ディスカウントストアを対象に、POSデータをオンラインで集めた。調査店舗は3245店舗。対象カテゴリーは医薬品と指定医薬部外品とし、各店舗でのバーコード別の販売年月日、販売個数・金額などを調べた。
好不調の薬効を見ると、好調だったのは殺菌消毒剤(前年同月差15.3億円増)、うがい薬(9.0億円増)、その他医薬品(3.8億円増)、漢方薬(3.3億円増)などとなった。
市販薬における新型コロナウイルスへの主な対策商品として、殺菌消毒剤が前年同月差15.3億円増、前年同月比212.0%と好調を維持した。そのうち、ジェルタイプを中心とした手指消毒剤が記録的な売上増となっている。
手指消毒剤は流通での欠品にまでは至っておらず、前年同月差13.9億円増、前年同月比789.95という状況である。
マスクに関しては、依然として店頭で欠品が見られるものの、商品が小売店に納入された結果、3月30日の週には前年比プラスに転じた。
一方、不調だったのは鼻炎治療剤(前年同月差68.9億円減)、目薬(34.8億円減)、外用鎮痛・消炎剤(11.0億円減)、ビタミンB1剤(9.4億円減)、胃腸薬(5.2億円減)などとなっている。
今シーズンの花粉飛散量は平年や前年よりも少ないと見られ、花粉関連薬市場は大きく前年を割り込み、鼻炎治療剤では前年同月差68.9億円減、前年同月比58.6%と先月の好調から一転して不調となった。鼻炎内服薬、アレルギー用目薬、点鼻薬のいずれも昨年より1週間早い2月24日の週にピークを迎え、それ以降、各薬効ともに前年を下回って推移している。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
インテージヘルスケアが、全国のOTC医薬品販売動向調査データをもとにした2020年3月度の「市販薬(OTC)市場薬効別ランキング」を発表。調査店舗は3245店。同社の全国一般用医薬品パネル調査に基づき、OTC医薬品を販売しているドラッグストアやスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター、ディスカウントストアを対象に、POSデータをオンラインで集計。その結果、販売金額は前年同月比12.2%減の928億円と大幅なマイナスとなり、過去5年間の3月の販売平均を100とした場合の指数も92.7と最低値でした。花粉関連薬市場が前年を大きく割り込んだことと、新型コロナウイルス感染拡大の影響でインバウンドでの人気銘柄が低調だったことなどが不調要因として挙げられています。