血液由来iPSの活用可~9月から改正血液法施行へ
厚生労働省は10日、血液法施行規則の一部を改正する案を、オンラインで開かれた薬事・食品衛生審議会血液事業部会運営委員会に報告した。全国で血液由来のiPS細胞を医薬品等の研究開発に関する試験に活用できるようにするため、医療の質向上に貢献する採血の範囲として、具体的に「医薬品、医療機器等の研究開発に用いるもの」などを定めた。現在、改正案についてパブリックコメントを募っており、9月1日から施行する予定。
医薬品医療機器等法の改正に伴い、血液法の一部も改正され、9月から改正内容が施行される。
改正法では、血液由来のiPS細胞を医薬品等の研究開発に関する試験に活用するなど、「医療の発展に貢献する採血」を認めている。活用する企業が将来的に増えることを見越したもので、これまで国家戦略特別区域法で規定し、一部地域に限定して活用を認めていたが、新たに血液法に組み入れることで縛りをなくした。
これに関連して、改正法に関する細則を示した施行規則では、「医療の質または保健衛生の向上に資するもの」の範囲を設定した。具体的には、▽医薬品、医療機器、再生医療等製品の研究開発に用いるもの▽疾病の原因に関する研究または疾病予防、診断、治療に関する方法の研究開発に用いるもの▽血液学的検査、生化学的検査、その他人体から排出または採取された検体検査の精度を適正に保つために用いるもの――としている。
医療の質向上を目的に採血する場合、献血者を保護するため、採血した血液の使途や採血に必要な事項を献血者に説明した上で、同意を得るよう求めた。
また、採血は必要最小限とすること、健康を害した献血者を適切に扱う体制を整備することも必要としている。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
医薬品医療機器等法の改正に伴い、血液法の一部も改正され、9月から改正内容が施行されます。厚労省は6月10日、血液法施行規則の一部を改正する案を、薬事・食品衛生審議会血液事業部会運営委員会(※オンライン開催)に報告しました。全国で血液由来のiPS細胞を医薬品等の研究開発に関する試験に活用できるようにするため、医療の質向上に貢献する採血の範囲として、「医薬品、医療機器等の研究開発に用いるもの」など具体的内容を定めました。現在、改正案についてパブリックコメントを募っており、9月1日から施行予定。改正法では、将来的に活用企業の増加を見越し、国家戦略特別区域法で規定し、一部地域限定で活用を認めていましたが、新たに血液法に組み入れることで縛りをなくした格好です。