医療

適正販売が3年連続改善~濫用おそれの医薬品対応

薬+読 編集部からのコメント

JACDS(日本チェーンドラッグストア協会)の中澤専務理事が厚労省公表の2020年度医薬品販売制度実態把握調査結果に言及。「濫用のおそれのある医薬品」への対応で適正な販売ができているドラッグストア(店舗販売業)が7割を超え、3年連続で改善していることを強調しました。ドラッグストア業界ではチェーン展開の強みを生かし、数百ある濫用薬をレジで判別でき、画面表示で知らせる「レジ・アラーム・システム」の導入が進んでいるといいます。

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の中澤一隆専務理事は定例会見で、厚生労働省が公表した2020年度医薬品販売制度実態把握調査結果に言及し、「濫用のおそれのある医薬品」への対応で適正な販売ができているドラッグストア(店舗販売業)が7割を超え、3年連続で改善していることを強調した。

 

20年度調査結果の中で、濫用のおそれのある医薬品への対応において適正な販売ができているドラッグストア(店舗販売業)は73.4%となった。18年度調査結果では51.9%、19年度調査結果では69.1%であり、3年連続での改善となった。

 

中澤氏は、「当協会では19年10月に市販薬による10代の薬物濫用撲滅宣言を発出した。それ以来、この問題に業界を挙げて取り組み、原則1包装しか販売しないということを徹底してきた成果であると思っている」と語った。

 

また、ドラッグストア業界ではチェーン展開の強みを生かし、数百ある濫用薬をレジで判別でき、画面表示で知らせるレジ・アラーム・システムの導入が進んでいるという。

 

中澤氏によると、8月1日現在での導入は1万5149店舗で、JACDS会員店舗の77.4%に上る。来年4月1日までの導入予定を含めると1万5376店舗(会員店舗の78.6%)となる。

 

8割近くまで導入が進んでおり、中澤氏は「こうした点も濫用のおそれのある医薬品への対応全体の改善にも寄与しているだろう」とした。

 

これらを踏まえ、中澤氏は、販売ルール徹底のための重点項目に言及。20年度の調査結果は昨年と比較して全体的に改善していた一方、依然として80%未満にとどまる調査事項もあることを指摘した。

 

いずれも「第1類医薬品関連で、もっぱら薬剤師の対応が問われるもの」(中澤氏)で、具体的には「文書を用いた情報提供」が68.1%(昨年比2.1%減)、「情報提供の内容の理解の確認」が75.1%(同3.1%増)との結果だった。

 

中澤氏は、「73.4%だった濫用のおそれのある医薬品への対応に、これら2点を加えた3点を重点対象にして、販売ルールの遵守徹底に取り組んでいく」との考えを強調した。

 

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出典:薬事日報

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