在宅調剤を重点施策に~価値創出へ利便性追求【クオールホールディングス】
クオールホールディングスの中村敬社長は、2022年3月期決算説明会で成長戦略に言及。調剤薬局事業に関して、22年度重点施策の一つとして「在宅調剤」に注力していく考えを強調した。また、出店戦略については「あるべき場にきちんとした出店をしていきたい」と述べた。
クオールHDは、中期目標として売上高3000億円、営業利益250億円を掲げて取り組みを進めているところで、今年創業30周年を迎える。中村氏は「30周年に利益を100億円に乗せたいという目標を持っていたが、1年早く達成することができた」と語った。
中期目標の営業利益に関しては、これまで調剤薬局事業と医療関連事業で半分ずつを想定していたが、「それぞれの事業の利益率などを見て、調剤薬局事業150億円、医療関連事業100億円に修正した」と説明した。
調剤薬局事業については、基本重点戦略として、▽戦略的出店による規模の拡大▽薬局の価値創出――を掲げた上で、22年度重点施策として在宅調剤とデジタル化(DX)を打ち出している。
中村氏は、特に在宅調剤に関して「力を入れていかなければならない」との考えを強調。「在宅専門薬局を出店しているが、今後も規模拡大という面に在宅調剤も入れていきたいと考えている」とした。
薬局の価値創出という観点からは、「利便性の追求が改めて重要」と指摘。「今年度の薬局運営は原点に返ってみようと思っている。患者さんが居心地良く、前向きな形で薬局から帰っていただく環境を、もう一度われわれ自身も思い出し、サービス向上と共に利便性も上げていきたい」と話した。
出店戦略にも言及し、「1000店舗を目標に掲げているが、店舗数さえ多ければ良いということではない。医療提供施設として、あるべき場にきちんとした出店をしていきたい」とした。
質の高い薬局運営に向けては、3月末時点で健康サポート薬局159薬局、地域連携薬局146薬局、専門医療機関連携薬局9薬局の認定を取得したことを報告。「これらは何よりも、患者さんに安心していただける薬局だということを表現する上で最も分かりやすいもの。今後もそれぞれの店舗で準備が整い次第、認定を取得していきたい」と述べた。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
今年創業30周年を迎えるクオールHDの中村敬社長が、2022年3月期決算説明会で成長戦略に言及しました。調剤薬局事業に関して、22年度重点施策の一つとして「在宅調剤」に注力していく考えを強調。また出店戦略にも言及しており、「1000店舗を目標に掲げているが、店舗数さえ多ければ良いということではない。医療提供施設として、あるべき場にきちんとした出店をしていきたい」としています。