電子お薬手帳でモデル事業~来年度の指針反映目指す【厚生労働省】
厚生労働省は21日、電子版お薬手帳に一般用医薬品と要指導医薬品に関する情報を入力、活用する方法を検討するモデル事業を開始したと発表した。全国約40店舗の薬局、約600人の利用者が参加する。活用方法や抽出した課題は年度末にも報告書にまとめた上で、来年度早期の策定を目指している次世代型電子版お薬手帳に必要な機能要件を示した指針に反映させたい考えだ。
各事業者が電子版お薬手帳のアプリを開発して様々な機能が提供される中、厚労省は標準化を目指し、最低限備えるべき機能や備えることが望ましい付加的機能を示した指針を来年度早期にも策定したいとしている。特に一般用医薬品は、服用方法によっては重複投薬や相互作用などのリスクがあるために情報活用が求められる一方、お薬手帳を活用した服薬指導等は進んでいない現状がある。
そのため、今年度予算の3800万円をモデル事業に充て、一般用医薬品等に関する情報の効率的な把握・管理の方策や薬局における効果的な活用方法を検討することとした。
具体的には、情報入力する機能に関する有用性や活用方法を実証するため、全国約40店舗の薬局、約600人の利用者に一般用医薬品の服用状況を記録してもらい、薬剤師が服薬指導する。
21日時点でスギ薬局、ゴダイ、上田薬剤師会が事業を開始しており、あたご調剤薬局、ウエルシア、エアリーファーマシー、みのり薬局、滋賀県薬剤師会会営薬局でも実施する予定。
現在、全ての事業者のアプリが一般用医薬品の記録に対応した機能を備えているわけではないが、同機能に対応したくすりの窓口、harmo、ファルモ、メドピアの4社がモデル事業に参加する。
12月まで実施し、利用者はアンケートに回答し、各店舗で情報収集してもらう。電子版お薬手帳を用いた一般用医薬品の情報活用推進に向けた課題抽出、活用方法を検討した上で、年度末にも報告書にまとめ、同省ホームページで公表する予定。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
10月21日、厚生労働省は、電子版お薬手帳に一般用医薬品と要指導医薬品に関する情報を入力、活用する方法を検討するモデル事業を開始したと発表しました。全国約40店舗の薬局、約600人の利用者が参加しており、活用方法や抽出した課題は年度末にも報告し、来年度早期の策定を目指している次世代型電子版お薬手帳への指針として反映させたいとしています。