初の週1回投与製剤‐DPP‐4阻害剤が登場
薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は1月30日、武田薬品のDPP‐4阻害薬「ザファテック錠」(一般名:トレラグリプチンコハク酸塩)を審議し、承認を了承した。DPP‐4阻害薬としては8成分目となるが、週1回のみの投与で効果を発揮する初めての経口血糖降下薬となる。
審議品目
▽ザファテック錠50mg、同錠100mg(武田薬品):新有効成分のトレラグリプチンコハク酸塩を含有し、「2型糖尿病」を効能・効果とする。同剤の用法・用量は、通常、成人にトレラグリプチン100mgを週1回、経口投与する。
インスリン分泌に関わるインクレチンを分解するDPP‐4酵素を阻害することでインスリン分泌を促し、血糖降下作用を示すDPP‐4阻害薬は、1日1~2回投与の製剤が多いが、週1回投与製剤は初めて。
DPP‐4阻害薬としては、既にシタグリプチンリン酸塩水和物(ジャヌビア/グラクティブ)、ビルダグリプチン(エクア)、アログリプチン安息香酸塩(ネシーナ)などがある。
再審査期間は8年。14年3月現在、海外で承認されている国はない。
報告品目
▽イーケプラ錠250mg、同錠500mg、同ドライシロップ50%、同点滴静注500mg(ユーシービージャパン):有効成分のレベチラセタムを含有し、てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)を効能・効果とする。
これまでは、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない場合や、併用療法として用いる薬剤だったが、第一選択薬、単剤としても使用できるようにする。これに伴い、用法・用量欄の「静脈内投与する」との記載を「点滴静脈内投与する」に記載整備する。
同剤の単剤療法は、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で日本てんかん学会と日本小児神経学会から効能追加の要望がなされ、厚労省が開発要請していた。単剤療法としては、ラモトリギンに続く2剤目で、新たな治療の選択肢となる。
再審査期間は、点滴製剤が残余の2020年7月3日までだが、残りの製剤は残余の18年7月22日まで。海外では、83カ国で同剤の単剤療法が承認されている。
▽アデムパス錠0・5mg、同錠1・0mg、同錠2・5mg(バイエル薬品):有効成分のリオシグアトを含有し、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の効能・効果を追加する。
PAHは、肺血管の内腔が狭窄することにより、肺血圧が上昇し、心不全を呈する疾患で、国内の推定患者数は約2000人。
同剤は、血管拡張作用を持つcGMPを生成する可溶性グアニル酸シクラーゼを直接活性化し、cGMP濃度を上昇させることで肺血管を拡張させる。PAH治療薬としては新規機序の薬剤となる。
国内では、14年1月に「外科的治療不適応または外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症」の効能・効果で承認されている。
再審査期間は残余の24年1月16日まで。PAHの適応で海外37カ国で承認されている。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会の審議品目、報告品目についての記事です。武田薬品のDPP‐4阻害薬「ザファテック錠」(一般名:トレラグリプチンコハク酸塩)の承認が了承されたと伝えられています。