「薬局数」を数値目標に~新興感染症の医療計画で
厚生労働省は2日、第8次医療計画等に関する検討会(写真)で、5疾病6事業の6事業目となる新興感染症の計画策定について、都道府県と医療機関の協定締結の方針などを示した。自宅等での療養者等への医療提供について、薬局を第2種協定指定医療機関に位置づけて数値目標を設定することとし、指定基準を明記した。
この日の検討会では、昨年12月の改正感染症法の内容も踏まえ、厚労省が2024年度からの次期医療計画の6事業目に追加される「新興感染症対応」について対応の方向性を説明。
計画策定の基本的考え方として、対応する新興感染症には新型インフルエンザ、指定感染症、新感染症を想定しつつ、まずはこれまでの対応の教訓を生かすことができる新型コロナウイルスへの対応を念頭に取り組むこととした。
その上で、実効性のある医療計画の策定に資するため、都道府県と医療機関の協定締結の基本方針と各医療措置協定について、▽病床▽発熱外来▽自宅・宿泊療養者・高齢者施設での療養者等への医療提供▽後方支援▽人材派遣――の5項目に分けて具体的な対応の方向性を示した。
5項目のうち、自宅・宿泊療養者・高齢者施設での療養者等への医療提供については、第2種協定締結医療機関の中に薬局を含め、新型コロナ対応の実績を参考に、その数値を上回る数値目標を設定することとした。新型コロナ対応と同様に、病院や診療所は薬局等と連携して往診やオンライン診療等を行う。
薬局の指定基準は、▽当該薬局に所属する者に対して最新の知見に基づき適切な感染防止等の必要な措置の実施が可能であること▽新型インフル等感染症発生時に、都道府県知事からの要請を受けて発熱等患者の調剤・投薬・服薬指導などの医薬品対応を行う体制が整っていること――とした。
また、患者の求めに応じて情報通信機器を用いた服薬指導の実施が可能であること、薬剤の配送、夜間・休日・時間外対応を行うことを求めた。感染症の規定に基づき、都道府県知事が協定指定医療機関として指定する。
荻野構一構成員(日本薬剤師会常務理事)は、協定締結医療機関の中に薬局が明記されたことに謝意を示し、数値目標については「現状を上回ることに賛成する」と述べた。
改正感染症法・医療法の24年4月施行に向け、来年度中に各都道府県で予防計画および医療計画を策定する必要があるため、厚労省は「できれば今年度中に議論の取りまとめをしたい」としている。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2月2日、厚労省は第8次医療計画等に関する検討会において、5疾病6事業の6事業目となる新興感染症の計画策定について、都道府県と医療機関の協定締結の方針などを提示。基本的な考え方として対応する新興感染症には新型インフルエンザ、指定感染症、新感染症を想定しつつ、まずはこれまでの対応の教訓を生かすことができる新型コロナウイルスへの対応を念頭に取り組むこととしました。