医療

服薬情報提供書も電子で~薬局の全情報共有目指す 厚生労働省

薬+読 編集部からのコメント

1月11日に開催された厚労省の「健康・医療・介護情報利活用検討会電子処方箋等検討ワーキンググループ」で、薬局が医療機関に送るトレーシングレポート(服薬情報提供書)の電子化に賛同する声が薬剤師構成員から上がりました。将来的には薬局が持つ全ての医療情報の共有化・標準化を目指すよう求める意見も出ました。

厚生労働省の健康・医療・介護情報利活用検討会電子処方箋等検討ワーキンググループは11日、薬局起点の医療情報共有について議論した。薬局がファクシミリで医療機関に送信しているトレーシングレポート(服薬情報提供書)については、薬剤師構成員から電子的な情報共有に賛同する声が上がったほか、薬局が持つ全ての医療情報を共有する方向を将来的に目指すよう求める意見も出た。

 

昨年1月に運用開始した電子処方箋では、処方箋発行時に医師・歯科医師がコメントとして薬剤師に事項を伝達することを可能とし、薬剤師が内容確認することで、結果的に不要な疑義照会を減らして処方監査や対人業務に充てる時間の確保につなげているとされている。一方、現行のコメント機能では、詳細な患者像を記載することは想定されていない。

 

薬局では、外来患者が医療機関に入院する場合などに、トレーシングレポート等で医療機関に情報提供しているが、FAXで送信されている。外来通院に移行した場合でも、薬物治療に関する状況を医療機関から薬局に伝達することもあるため、厚労省は「トレーシングレポート等についても同様に情報共有の基盤に載せることを検討するのは一定の意義がある」とした。

 

渡邊大記構成員(日本薬剤師会副会長)は「薬局から紙で情報を返すことは、今後も続くとは考えられない。テキストデータを打ち込んだものを送信しても、データとして活用できないので、電子薬歴の標準化も合わせて考えておく必要がある」と述べた。

 

川上純一構成員(日本病院薬剤師会副会長)も「将来的に、薬局が持つ医療情報を全て共有化・標準化することを目指した方が良い。薬剤服用歴、管理指導等を薬歴として、薬剤師が患者から聞き取った内容を医療機関にも見せることをゴールとし、少しでも実現していくべき」とした。

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出典:薬事日報

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