5月から薬機法改正議論へ~医薬品販売制度など検討 厚生労働省
厚生労働省は、来年度からスタートする医薬品医療機器等法の見直しに向けた議論のスケジュールを、9日の厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会に示した。4月から薬機法検討規定を踏まえた検討を開始し、検討テーマ決定後の5月以降に月1~2回程度議論を行い、12月に意見の取りまとめを行う。一般用医薬品分類の第2類・第3類の集約、デジタル技術を活用した医薬品販売をはじめ一般用医薬品の販売制度見直しや調剤の一部外部委託などが検討テーマになると見られ、2025年度以降の法改正につなげたい考え。
薬機法は施行後5年をメドとして、改正後の各法律の施行の状況を踏まえ、必要があると認める時は改正後の各法律について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じるとされている。前回は19年に改正され、来年度から見直しに向けた議論を本格化する。
今回、主な検討テーマとしては、一般用医薬品の販売制度見直しが挙げられる。厚労省検討会が11回の検討会を経て、1月に取りまとめを行っており、▽処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売▽濫用等の恐れのある医薬品の販売▽要指導医薬品▽一般用医薬品の販売区分・販売方法▽デジタル技術を活用した医薬品販売業のあり方――に関する見直しの方向性を示した。
薬機法改正に向けて、山口育子構成員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)は、20歳以上には小容量1個のみであればインターネットでの販売を可とした濫用の恐れのある医薬品の取り扱いについて、「検討会で意見が分かれたところの論点をしっかり議論していただくことをお願いしたい。対面・オンラインの販売はとりあえず20歳未満となったが、それでいいのか」と意見を述べ、年齢を区切ることなく対面・オンラインのみの販売とするよう改めて訴えた。
一方で、花井十伍構成員(全国薬害被害者団体連絡協議会代表世話人)は、前回の薬機法改正で導入された虚偽誇大広告による医薬品・医療機器等の販売に対する課徴金制度の検証が必要との考えを提示。
「MR活動において過大広告が行われていないか、それが課徴金制度だけで効果があったのか。前回の改正がうまくいったのかの検証も必要」との考えを示した。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
厚労省は、2024年度から開始される薬機法の見直しに向けた議論のスケジュールを厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会に提示。一般用医薬品分類の第2類・第3類の集約などが検討テーマになると見られ、2025年度以降の法改正につなげたい考えです。