薬剤師会

被災地で薬剤師82人が活躍~能登半島地震支援を終了 日本病院薬剤師会

薬+読 編集部からのコメント

日本病院薬剤師会が、2024年1月1日に発生した能登半島地震に対する医療支援活動を3月22日をもって終了。災害登録派遣薬剤師と災害ボランティア薬剤師が、被災した医療機関での業務支援などを行いました。今後は石川県病院薬剤師会と連携を取りながら必要な対策を講じていく方針です。

日本病院薬剤師会は、3月22日に能登半島地震に対する医療支援活動を終了した。1月1日の地震発生後、翌2日に災害医療支援本部を立ち上げ、活動者数は82人、累積活動者数は572人となり、災害登録派遣薬剤師と災害ボランティア薬剤師が現地で懸命な支援活動を行った。被災地の医療支援活動は終えたものの、今後は石川県病院薬剤師会と連携を取りながら必要な対策を講じていく方針だ。日病薬は、今回の支援活動に関する調査を行い、報告書としてまとめる予定。病院薬剤師による災害支援活動の社会的な認知につなげたい考えである。

 

活動者数82人のうち、災害登録派遣薬剤師数47人、災害ボランティア薬剤師数35人が被災した医療機関や金沢市内等の後方支援を担う医療機関での業務支援など医療支援活動を行ってきた。累積活動者数は医療機関への派遣者数は327人、現地調整班は245人に上る。

 

日病薬は災害医療支援本部の設置後、1月3日には本部に事務局職員を常駐させ、被災状況や支援ニーズの収集を行い、情報を把握した。同6日に災害登録派遣薬剤師の派遣を依頼し、9日には災害ボランティア薬剤師の募集、奥能登の4病院を対象に10日から薬剤師派遣を開始し、12日には1.5次避難所の設置を支援した。さらに、16日には金沢市内の医療機関に後方支援として薬剤師派遣を開始し、2月25日からは金沢市以南への医療ニーズ拡大に伴い、医療機関への後方支援も行ってきた。超急性期から急性期、慢性期、平穏期と災害の状況に応じて現地の医療ニーズが変化する中で、薬剤師による支援を続けてきた。被災地支援のための支援金は453万5708円集まった。

 

武田泰生会長は、医療支援活動終了に伴い、日病薬ホームページでメッセージを公開。「多くのボランティア薬剤師に支援をいただき、災害登録派遣薬剤師には1度のみならず2度、3度も支援をいただいたことに感謝申し上げる」と謝意を示した。

 

その上で、「DMATやJMATに参画された病院薬剤師の活動実績についても調査を行った上で、国民の皆さんをはじめ、厚生労働省や他職種団体にも報告を行い、病院薬剤師全体の活動の実態が見えるようにしていきたいと考えている」と述べた。

 

調査のタイミングとしては「日病薬としての活動は終了したが、医療チームとしての活動は継続されているため、全ての支援活動が終了した場合にはアンケート調査も実施したい」との意向を示した。

 

今年度は災害への対策対応に向けた取り組みを実施する計画だ。武田氏は、「事業計画では災害発生時に適切な支援体制を構築することを掲げている。こうした災害はいつ起こるか分からないので、普段から対策や準備について会員の皆さんと共に対応していきたい」と語った。

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出典:薬事日報

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