NSAIDsに心筋梗塞~重大な副作用を追記 厚生労働省
厚生労働省は8日、アスピリン製剤を除いた医療用非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)について、添付文書の「使用上の注意」に、心筋梗塞と脳血管障害を「重大な副作用」として追記するよう製造販売業者に指示した。
ロキソプロフェンナトリウムやケトプロフェンなど、アスピリン製剤を除いた全身作用が期待される医療用のNSAIDsに関しては、「重大な副作用」の項目に、心筋梗塞、脳血管障害を追記した。
匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)を用いたNSAIDsの心筋梗塞と脳血管障害リスクに関する調査結果を踏まえ、これらの疾患リスクが示唆されたため、改訂が必要と判断した。
一方、山善製薬の「アスピリン『ヤマゼン』」などアスピリン製剤6品目については、同調査で心血管系事象の発現リスクが高い患者に予防的に処方されていた可能性が否定できないことなどを踏まえ、心筋梗塞および脳血管障害リスクに関して結論づけることは困難とした。
ただ、妊娠中期のシクロオキシゲナーゼ阻害作用を持つNSAIDsの曝露に関する観察研究等を評価したところ、NSAIDsによる妊娠後期の胎児動脈管収縮が知られ、公表論文が複数報告されていることなどから、低用量アスピリン製剤を除くNSAIDsの使用上の注意改訂が適切と判断した。
「特定の背景を有する患者に関する注意」の「妊婦」の項目に、妊娠中期の妊婦へのシクロオキシゲナーゼ阻害剤の使用により、胎児動脈管収縮が確認されていること、胎児動脈管収縮を疑う所見を適宜確認するよう注意喚起した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
厚生労働省はアスピリン製剤を除いた医療用非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)について、添付文書の「使用上の注意」に心筋梗塞と脳血管障害を「重大な副作用」として追記するよう製造販売業者に指示しました。