【第50回衆院選で明暗】自民薬剤師議員2氏落選~立民・逢坂氏は議席守る
第50回衆議院議員選挙の投開票が27日に行われ、薬剤師議員では日本薬剤師連盟が支援する自民党公認候補で神奈川1区の松本純、大阪7区の渡嘉敷奈緒美の両氏は落選し、返り咲きを果たすことはできなかった。松本・渡嘉敷両候補の得票数は2021年10月に行われた前回衆院選を下回り、自民党への逆風が直撃した格好だ。一方、北海道8区では立憲民主党公認候補の逢坂誠二氏(写真右から2人目)が新人の自民公認候補との競り合いを制し、6回目の当選を果たした。
神奈川1区から立候補した松本氏は比例代表候補の「73歳定年制」に該当し、重複立候補せずに背水の陣で今回の選挙に臨んだ。得票数は前回から約9000票下回る6万8931票と、当選した立憲民主党の篠原豪氏から約2万3000票の差をつけられた。
横浜市磯子区内の選挙事務所には神谷政幸参議院議員、日本薬剤師連盟の岩月進会長、山本信夫前会長が詰めかけ、開票状況の行方を見守った。開票直後の出口調査結果では篠原氏との大接戦が伝えられたが、22時半頃に読売系が篠原氏に当選確実を打つと、事務所内には徐々に重苦しい雰囲気が立ちこめた。そして、日付が変わり28日0時過ぎにNHKをはじめ各局が松本氏の落選を報じた。
松本氏は、0時半過ぎに支援者の前であいさつし、「厳しい選挙結果となった。私の不徳の致すところ。(結果については)私が受け止めていくしかない」と敗戦の弁を述べた。
今後については、「これまで培ってきた経験や幅広い人脈を生かして、地元の企業・団体の皆さんに寄り添って、私のできることをしっかりやっていきたい」と語った。
記者団に対しては、「敗因は私の力不足。(次回の出馬については)相談して考えたい」と述べるにとどめた。
保守層の支持を固めきれず、無党派層の取り込みに苦戦した。選挙戦序盤は自民党の公認、公明党の推薦を得て、大物議員が応援演説に入るなど手応えを感じながら選挙戦を展開してきたが、終盤に自民党が非公認候補に2000万円の活動費を支給したとする一部報道が響き、票が伸び悩んだ。
選挙対策本部長を務めた日薬連盟幹事長の川田哲氏は、「投票日の4~5日前から流れが変わった。勝ちたかった。こんなに差がつくとは思わなかった」と肩を落とした。今後の対応については「全くの白紙」と語った。
岩月氏は「現実を受け止めて、これからどうするか執行部を含めて考えないといけない。へこたれないで前を向いていきたい」と声を絞り出した。
また、大阪7区で立候補した渡嘉敷氏も、前回選挙から5000票ほど下回る6万6435票とトップとは約2万9000票の差を開けられた。小選挙区での当選は果たせず、比例代表でも復活はならなかった。
開票直後の20時にNHKが日本維新の会候補者の当選確実を報じると、吹田市内にある選挙事務所内の支援者からは落胆の声が広がった。
渡嘉敷氏は「結果を出すことができず申し訳ない」と支援者に頭を下げた。
さらに、「3年間努力してきたつもりだが、結果につながらなかったのは努力不足」としながら、「諦めたくはない。党本部にお許しいただけるのであれば、また挑戦したい」との思いを吐露した。
一方、北海道8区から立候補した逢坂氏は9万7758票を集め、自民候補に約1万5000票の差で議席を死守した。逢坂氏は当選後、立憲民主党北海道合同選挙対策本部で「私は薬剤師でもあるので医療、福祉もしっかりやりたい」と喜びの声を語った。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2024年10月27日に投開票が行われた第50回衆議院議員選挙で、自民党公認候補として出馬した薬剤師議員の松本純氏(神奈川1区)、渡嘉敷奈緒美氏(大阪7区)が落選。一方、同じく薬剤師議員で立憲民主党公認候補の逢坂誠二氏(北海道8区)は6回目の当選を果たしました。