医療費適正化で基本方針案‐かかりつけ薬局の必要性周知
厚生労働省は24日、2018年度からスタートする第三期医療費適正化計画に向けた基本方針の改正案を、社会保障審議会医療保険部会に示した。後発品の使用割合80%以上の達成をはじめ医療費の適正化の取り組みや重複・多剤投薬など地域差の「見える化」を柱にした基本方針を今年度中にまとめる。医薬品の適正使用を推進するため、国の役割として、かかりつけ薬剤師・薬局の必要性の周知なども盛り込んだ。基本方針は地域医療構想の内容も踏まえ、今夏をメドに一部改正する。
第三期医療費適正化計画は、18年度から実施が予定されているが、地域医療構想を策定し、早期に計画を策定した都道府県については、17年度から前倒しで実施できることとなっている。そのため、基本方針を見直した上で、今年度内にまとめることにした。
基本方針は、都道府県が進める医療費適正化の取り組みや外来・入院医療費の地域差を見える化したデータを示すことが柱。それをもとに都道府県は分析作業を行い、医療費目標を設定する。
見直しに当たっては、都道府県の目標として、後発品の数量シェア80%以上、医薬品の適正使用の推進、病床機能の分化・連携と地域包括ケアシステムの構築に関する目標を新たに盛り込む。後発品の使用割合を80%以上とするための施策のほか、保険者等による重複投薬の是正に向けた取り組みの支援や、処方医と連携したかかりつけ薬剤師・薬局による取り組みの推進などを追記する。
新たに国、都道府県、保険者、医療の担い手といった関係者の役割を明記した。その中で、国は医薬品の適正使用の推進について、医療関係者や保険者と連携し、住民にかかりつけ薬剤師・薬局の必要性を周知すると共に、処方医との連携を通じたかかりつけ薬剤師・薬局の機能強化のための支援を行うこととした。
保険者についても、医療機関と連携した訪問指導の実施など、重複投薬を是正する取り組みを行う役割を規定した。
医師や薬剤師など医療の担い手の役割としては、患者が後発品を選択しやすくするための対応や調剤に必要な体制整備に努めること、医薬品の適正使用の推進に当たっては、重複投薬等の解消に向けた取り組みを進めることが期待されているとした。
基本方針については今年度中にまとめた上で、地域医療構想の策定状況、地域包括ケアの推進状況などを踏まえ、今夏をメドに一部改正を行う予定。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
厚生労働省が2018年度にスタート予定の第三期医療費適正化計画に向けた基本方針の改正案を提示しました。医薬品の適正使用を推進するため、“かかりつけ薬剤師・薬局の必要性の周知”は国の役割として盛り込まれたとのことです。