後発品加算「22点」が3割迫る‐厳格化も算定は改定前超え
アルトマーク調査
今年1月時点で後発医薬品調剤体制加算を算定する薬局が全国で3万5080軒と、2016年度診療報酬改定前の昨年1月時点から274軒増加したことが、日本アルトマークの調査で明らかになった。算定要件の使用割合が10%ずつ引き上げられた改定直後の昨年6月時点では落ち込みを見せた算定薬局数だが、その後は要件が厳格化されたにもかかわらず、増加傾向が続いて改定前を上回ったことから、後発品の使用が一層進んでいることがうかがえた。
調査は、同社が今年1月時点の薬局の算定区分の変動を把握するため、診療報酬改定前に実施した調査結果と比較分析したもの。全国の薬局5万8225軒のうち、1月時点で後発品体制加算を算定していた薬局は3万5080軒となり、昨年10月時点から1489軒増加した。
後発品体制加算を届け出ている薬局の算定区分は、数量シェア65%以上の「区分1」の届け出が47軒減少した一方、数量シェア75%以上の「区分2」が昨年10月時点から1536軒増加。算定割合を見ると、「区分2」が29.0%と「区分1」の31.3%に迫った。
より算定要件が厳しい数量シェア75%以上の「区分2」の算定割合を見ると、改定直後の昨年6月時点では20.6%だったが、10月時点では26.4%、今年1月時点では29.0%と「区分1」の算定割合を逆転する勢いとなっており、それを裏づけるかのように全ての都道府県で「区分2」の算定薬局が増加していることが分かった。
昨年10月から今年1月までの動きを見ると、3カ月間で区分を数量シェア65%の「区分1」から数量シェア75%以上の「区分2」へ上げた薬局は1470軒、新たに「区分2」を算定するようになった薬局は310軒あった。
また、昨年10月時点で「区分2」を算定していた薬局の98.2%が引き続き「区分2」を維持していたが、「区分2」から「区分1」へ下げた薬局が135軒、算定がなくなった薬局も163軒あったが、同社は「多くの薬局が点数の高い『区分2』の算定を維持しているか、算定を目指して積極的に後発品の調剤を行っていることがうかがえる」と分析している。
後発品体制加算の算定状況を都道府県別に見ると、算定割合が高いのは沖縄県の84.9%、鹿児島県の79.6%、島根県の77.1%であるのに対し、徳島県の33.7%、山梨県の42.9%、和歌山県の44.2%など低い県も見られ、都道府県によってバラツキの大きいことが明らかになった。特に算定割合が最も高い沖縄県と最も低い徳島県では、51.2ポイントの開きがあった。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
日本アルトマークの調査で、2017年1月時点に後発医薬品調剤体制加算を算定する薬局は全国で35,080軒と、2016年よりも274軒増加したことが明らかになりました。算定要件が厳格化されたにもかかわらず増加傾向が続いていることから、後発品使用が一層進んでいることがうかがえると伝えられています。