創薬・臨床試験

GE薬メーカーは増産‐先発系は生産体制変革

薬+読 編集部からのコメント

製薬企業の動向です。先発薬系は、生産体制変更や、早期退職を募る企業もあります。
後発系は製剤工場の増改築などがみられます。

【日医工】210億錠体制へ‐オベリスク棟を竣工

 

日医工は、富山県滑川市の富山第一工場内に新たな内服薬の製剤工場「オベリスク棟」を竣工した。少量多品種のジェネリック医薬品を製造する富山第一工場では、ピラミッド、ペンタゴンに続く三つ目の製剤棟になり、フル実装時には合計110億錠の生産能力となる。

 

ジェネリック医薬品の安定供給体制が今後重要になる中、2021年3月期までに日医工グループ全体で210億錠体制を確立する方針。

 

オベリスク棟は、鉄骨造り5階建てで建築面積は2346m2。千代田テクノエースが施工した。中・小規模製造設備を保有し、将来の増設スペースも用意している。16年10月から着工し、このほど竣工。1月に稼働した。日医工では、米国セージェントの買収や、東南アジアへの進出など海外展開も本格化しており、安定供給体制を強化する方針。

 

【東和薬品】岡山、山形工場を増改築‐生産能力年105億錠に

 

東和薬品は、岡山工場と山形工場で進めていた固形製剤棟などの増改築、新築がこのほど終了し、同社の生産能力が年間105億錠となったと発表した。

 

山形工場では既存の固形製剤棟の改築、第2管理試験棟・第2固形製剤棟の建設を実施。固形製剤棟の改築により生産能力は年間25億錠から30億錠となった。新たに建設した第2固形製剤棟は年間最大35億錠の生産が可能で、今後需要に合わせて製造設備を導入していく。岡山工場は固形製剤棟の改築を行い、生産能力は年間35億錠から50億錠となった。

 

今回の工事完了で生産能力は大阪工場25億錠、岡山工場50億錠、山形工場30億錠の計105億錠となり、設備導入により最大140億錠の生産が可能という。

 

【キョーリン製薬HD】グループ内生産体制集約‐製造子会社を設立

 

キョーリン製薬ホールディングスは、グループ内生産体制の統合を目的に新たな製造子会社を設立したと発表した。工場稼働率の平準化と資産の効率活用、高品質で低コストな安定供給を図るのが狙いだ。

 

キョーリン製薬HDは、2016~19年の4カ年中期経営計画でローコスト強化を掲げ、グループ内生産の協業による全体最適化を図っている。

 

新会社では、秋田県にある杏林製薬の能代工場、富山県にあるキョーリンリメディオの生産本部を新会社に承継させ、滋賀県のキョーリン製薬グループ工場を吸収合併により新会社に統合した。新会社の名称は、生産機能の集約後に決定し、キョーリン製薬グループ工場は消滅会社となる予定。

 

【大日本住友製薬】生産本部の早期退職者‐86人応募、費用は19億

 

大日本住友製薬は、昨年11~12月の期間で募集していた早期退職者について、86人の応募があったと発表した。退職日は今月末。優遇処置として、通常の退職金に特別退職金を加算し、希望者には再就職支援を行う。今回の募集で発生する費用は約19億円で、2018年3月期決算では、今回の費用も含めた25億円を特別損失として計上する。

 

早期退職者募集の対象者は、16年9月時点で生産本部に所属し、今年3月31日時点で45歳以上かつ勤続5年以上の社員。各製造拠点の作業者などが含まれる。募集人数は定めておらず、追加の募集を行う予定はないとしている。

 

大日本住友は、後発品使用促進策等による国内事業の不振と、北米の主力品である非定型抗精神病薬「ラツーダ」が19年に物質特許が満了するのに伴い、16年に生産本部以外の早期退職者を募集したのに加え、国内製造体制の再編のメドが立ったことから、1年遅れて製造本部の早期退職者の募集を行っていた。

 

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出典:薬事日報

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