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【18年度調査】5年ぶり志願者10万人割る‐4年連続減も倍率は高水準

薬+読 編集部からのコメント

私立薬学部の入学志願者数が4年連続の減少となり、5年ぶりに10万人を割り込みました。志願者数は合計9万5937人で昨年より4667人減りましたが、入試倍率は平均8.5倍と高い水準を維持しています。入試倍率が平均を上回る大学は24校で、最も高いのは近畿大の32.1倍。一方、倍率が3倍に満たない大学は13校、2倍を切る大学は4校、1倍を割り込む大学は1校見られ、少子化が進む中、大学格差が広がっているといえそうです。

日本私立薬科大学協会がまとめた2018年度の私立薬科大学(薬学部)入学志願者調査の結果、入学志願者数は9万5937人と前年度に比べて4667人少なく、5年ぶりに10万人を割り込んだ。4年連続の減少となる。志願者数が増え続けていた薬学人気がピークを越え、一転して減少する傾向に変化は見られていない。ただ、募集数に対する入試倍率は8.5倍と前年度よりわずかに低下したものの、依然高い水準を維持。入試倍率は1倍以下から30倍以上まで大きな開きが見られ、大学間格差が広がっていることがうかがえた(表参照)

 

 

2018年度私立薬系大学の入学志願状況

 

 

調査は、私立薬大協加盟の57校(徳島文理大香川を含む)を対象に実施されたもの。今年度の定員は1万1351人と、前年度の1万1397人から46人とわずかに減少。6年制学科は1万0651人、4年制学科は700人となった。また、募集数は一般が7295人、推薦が3939人となり、昨年度に比べて一般が若干増加した一方、推薦は若干減少し、合計の募集数は1万1234人と昨年度よりわずかに増加した。

 

志願者数は、一般8万1716人(前年度8万6247人)、推薦1万4221人(1万4357人)、合計で9万5937人と、昨年度から4667人減少した。志願者数は、15年度から減少に転じて以来、5年ぶりに10万人を割り込んだ。志願者数の減少傾向は続いており、過熱した薬学人気もほぼ落ち着きを見せている。

 

それでも、志願者数は減少傾向が続く一方で、募集数に対する入試倍率は全体で8.5倍と、依然として競争率は高い。6年制の一般は11.2倍(11.8倍)、推薦は3.7倍(3.7倍)、4年制は一般が11.5倍(12.0倍)、推薦が2.5倍(2.6倍)と、いずれも一般入試では10倍を超えている状況に変化はない。

 

入学志願者数は、前年度同様に全体で4000人以上減少したものの、大学ごとの志願者数と倍率には大きな開きが見られる。入試倍率が平均の8.5倍を超えた人気のある大学は24校となった一方、平均倍率を大きく下回り、倍率が3倍に満たなかった大学は13大学、2倍を切った大学も4校あり、ついに1倍を割り込む大学も1校見られた。少子化が進む中、大学間格差はさらに広がっているようだ。

 

最も倍率が高く狭き門となったのは、近畿大で32.1倍(34.1倍)、次いで摂南大が25.7倍(26.6倍)、武蔵野大が19.9倍(23.0倍)となった。前年度に比べて倍率は下がっているが、前年度と同じ顔ぶれが並んだ。高倍率の上位校を見ると、東京理科大が16.9倍(16.8倍)、立命館大が14.9倍(14.5倍)、星薬科大が14.8倍(14.8倍)、帝京大が13.0倍(11.5倍)と続いており、概ね前年並みで人気は上昇傾向にある。

 

また、10倍以上と競争率が高かった大学は、福岡大12.6倍(13.7倍)、崇城大12.3倍(12.5倍)、神戸学院大12.1倍(17.3倍)、慶應義塾大11.9倍(12.5倍)、帝京平成大11.7倍(12.2倍)、明治薬科大11.6倍(11.8倍)、神戸薬科大11.0倍(12.1倍)、同志社女子大10.5倍(10.6倍)、東邦大と日本大が10.4倍(11.9倍、10.1倍)、昭和薬科大10.0倍(11.2倍)で、高い人気を集めていた。

 

倍率は4年制と6年制を区別せず、総定員数と総志願者数から割り出した。

 

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出典:薬事日報

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