病棟でのベッドサイド業務の際、いつも不機嫌な様子の患者さんがいます。何を話しかけても無視されてしまうのですが、医師や看護師にはそれなりに話をしているようで、カルテを見たりすることでなんとか情報不足を補っている状態です。私の前任の薬剤師へも同様の態度だったとのことで、服薬指導に拒否感があるようなのですが、どのようなアプローチ法が考えられますか。
気持ちや思っていることは想像以上に伝わっています
まずは基本中の基本ですが、病室に入るときはノックや挨拶をする、カーテンを開ける前に声をかける、笑顔で応対するといった基本的な接遇マナーはできているでしょうか。ここが意外にできていないことが多いので、まずはご自身の接遇マナーを見直してみましょう。
病棟に行くのが苦手という薬剤師は案外多いものです。私自身も病院勤務の最初の頃は、薬局の外では何となく肩身が狭いような気持ちになったことを思い出します。しかし「居心地が悪い」「早く戻りたい」と思っていると、それは患者さんにも伝わってしまいます。ましてや無視をされて困っている患者さんに向き合うのですから、苦手だなと感じていることが表情やちょっとした動作に出ている可能性があります。気持ちというのは思っている以上に相手に伝わってしまうものですし、自分のことを苦手だと思っている人に心を開いてくれる人はいません。患者さんを不機嫌にさせる理由を作っていないか、いま一度ご自身の行動を振り返ってみてください。
病棟に行くのが苦手という薬剤師は案外多いものです。私自身も病院勤務の最初の頃は、薬局の外では何となく肩身が狭いような気持ちになったことを思い出します。しかし「居心地が悪い」「早く戻りたい」と思っていると、それは患者さんにも伝わってしまいます。ましてや無視をされて困っている患者さんに向き合うのですから、苦手だなと感じていることが表情やちょっとした動作に出ている可能性があります。気持ちというのは思っている以上に相手に伝わってしまうものですし、自分のことを苦手だと思っている人に心を開いてくれる人はいません。患者さんを不機嫌にさせる理由を作っていないか、いま一度ご自身の行動を振り返ってみてください。
思い切った自己紹介で顔と名前を覚えてもらう
もう一つ、考えられるのは「何者なのかよくわからない」と思われているということです。ご自身が入院したことがある方ならイメージしやすいと思いますが、入院患者さんのもとにはいろいろな人が訪れます。そのため、担当のドクターや看護師は認識できても、検査技師や栄養士、薬剤師などは「その他大勢」と認識されがちです。ただでさえ診察や検査などで疲れているときに、入れ替わり立ち替わりで複数の人間が訪れるのですから、患者さんにしてみれば相当なストレスです。もちろん初対面のときに「薬剤師の村尾です」と挨拶はしているでしょうが、誰が誰だかそうそう覚えられるものではありません。
そこで、まずは顔と名前を覚えてもらい、何のために来ているのか、治療のためにどんな役割を担っているかを知ってもらいましょう。そのためにぜひやっていただきたいのが自己紹介です。「薬剤師の村尾です」などのシンプルなものではなく、人となりがイメージできるような自己紹介です。例えば「この病院では、○年前から働いています」や「勤務は平日○時までで、○曜日は院内の部活動があるんですよ」など、可能な範囲で自分のことを話すのです。初対面のときにできればベストですが、すでに何度も会っている場合は「改めて、私のことを知ってもらうために少し自己紹介させてくださいね」と前置きをすればいいでしょう。
時間としては1分で十分。1分あればかなりの自己紹介ができます。例え30秒であってもそんなことをする人はまずいないので、患者さんにしてみれば相当なインパクトがあり、「ドクター以外のその他大勢」から抜け出すことができるはずです。
名前と顔と職種を覚えてもらえば、あとは努力あるのみ。無視をされても明るく声をかけ続ける、病室の前を通るときなど姿を見かけた際は目が合わなくても挨拶をする。そしてベッドサイドへ行ったときには、ちょっとした自己開示を毎回続けてみましょう。とても勇気と根気がいることですが、人に心を開いてもらうためにはそれなりの努力が必要。ぜひチャレンジし続けてほしいと思います。
そこで、まずは顔と名前を覚えてもらい、何のために来ているのか、治療のためにどんな役割を担っているかを知ってもらいましょう。そのためにぜひやっていただきたいのが自己紹介です。「薬剤師の村尾です」などのシンプルなものではなく、人となりがイメージできるような自己紹介です。例えば「この病院では、○年前から働いています」や「勤務は平日○時までで、○曜日は院内の部活動があるんですよ」など、可能な範囲で自分のことを話すのです。初対面のときにできればベストですが、すでに何度も会っている場合は「改めて、私のことを知ってもらうために少し自己紹介させてくださいね」と前置きをすればいいでしょう。
時間としては1分で十分。1分あればかなりの自己紹介ができます。例え30秒であってもそんなことをする人はまずいないので、患者さんにしてみれば相当なインパクトがあり、「ドクター以外のその他大勢」から抜け出すことができるはずです。
名前と顔と職種を覚えてもらえば、あとは努力あるのみ。無視をされても明るく声をかけ続ける、病室の前を通るときなど姿を見かけた際は目が合わなくても挨拶をする。そしてベッドサイドへ行ったときには、ちょっとした自己開示を毎回続けてみましょう。とても勇気と根気がいることですが、人に心を開いてもらうためにはそれなりの努力が必要。ぜひチャレンジし続けてほしいと思います。
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
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