調剤ミスにつながる整理整頓されていない調剤室
連日のように入荷されてくる薬剤を、業務に追われて放置してしまうことはありませんか? あとで整理しようととりあえず調剤室の机の上に置いたものの、終業間際には伝票や書類も混在し、まるで発掘作業のような状態に……。
片付けなければと思いつつ、仕事が忙しくて後回しになってしまうのはよくあること。そうはいっても整理を怠ると薬の所在が不明になりやすく、必要なときに探す手間が増えてしまいます。散らかったカウンター上での調剤では、ミスを起こす可能性も高まってしまいます。
調剤室が片付いていない薬局ほど、待合室などの環境整備にまで手が回らないことも多いようです。落ち着かない待合室で、なかなかできてこない薬を待つような状況が続けば、患者さんからの信頼を失うことになりかねません。薬局内の整理整頓は対外的にも必要な業務の一つといえるでしょう。
調剤ミスを防ぐ調剤室の片付け方
薬局の整理整頓で最初に取り組みたいのが調剤室です。ジェネリック医薬品の使用が促進され、各薬局でも数種類のジェネリック医薬品と先発医薬品を置かなければならない状況になってきました。薬の種類が増えると、整理方法の見直しが必要になります。一般的には商品名で陳列しているところが多いと思いますが、より便利なのが規格別の一般名(成分名)で並べる方法です。
例えば一般名「ファモチジンOD(10mg)」と同じ棚に、先発医薬品の「ガスターD(10mg)」と、関連のジェネリック医薬品数種類を陳列します。商品名による陳列だと、ガスターとジェネリック医薬品は離れてしまいますが、この方法であれば、迷いなく手に取ることが可能です。
あまり処方されない薬ほど、先発医薬品の商品名と一般名のつながりがわかりにくくなるもの。そのような時間のロスをなくすためにも、薬は一般名で整理しておくことをおすすめします。
狭くても整理整頓次第で、使い勝手のいい調剤室に!
狭い調剤室では作業がしづらいもの。整頓法を工夫して、空間を有効に使いましょう。
例えば、頻繁に処方されるチューブ入りの外用剤や湿布剤の置き方。チューブは寝かせて置いてしまいがちですが、取り出しやすいのは立てて並べる方法。寝かせるとスペースを取ってしまい、下の方のチューブが潰れて形がいびつになってしまうことも。立てておけば、在庫数もわかりやすくなります。
同じく湿布剤を並べるときも立てておく方が取り出しやすく、無駄な空間を減らすことができます。倒れにくくするために、100円ショップにあるプラスチック板を間仕切りに使ってみましょう。
ストックが大量に必要な薬品は、天井から陳列台までの空間を利用してつりさげる方法もあります。
また、狭い調剤室で場所を取るのが分包機。調剤時には粉薬の瓶が並び、ごちゃごちゃしがちです。こうした散らかりを防ぐために、よく処方される粉薬は前もって作っておくことで、粉薬の瓶を置きっぱなしにしないようにしましょう。予製剤があると調剤が短時間で終わり、散らかった印象も少なくなります。
調剤室の整頓は、患者さんのために
薬局ごとに仕事のやり方が違い、整理の仕方も異なります。環境に合った整理法を実行し、調剤の効率化を高めて調剤ミスを防ぎましょう。整理整頓することで自身が楽になるだけでなく、患者さんのためにもなることを意識したいですね。
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