実際にあった! 薬剤師あるある体験談 公開日:2025.03.21 実際にあった! 薬剤師あるある体験談

 

医療に欠かせない職種でありながら、どこか影が薄いと言われてしまうこともある、薬剤師という哀しき存在……。「あるある話」を通して、もっと知ってください。私たち薬剤師のこと!

 

薬剤師の世間は狭い?【薬剤師のあるあるシーン #7】

 

薬剤師の世間は狭い?

イラスト/浅水シマ

 

いつの間にか職場に同級生がいっぱい!

 

私が最初に勤務したドラッグストアの同僚から聞いた話です。
 
かつて、その人が友人に向かって、自身の職場を念頭に「ドラッグストアの仕事はおもしろい」と熱弁したところ、同級生の薬剤師たちがこぞって転職してきたとのこと。「おもしろいらしい」といううわさがうわさを呼んだわけですね。
 
そのドラッグストアは全部で20店舗ほどあったのですが、同じ大学出身の同級生薬剤師が、把握できただけで5~6名いました。ポストは皆、店長。
 
確かにドラッグストアの仕事は、お客さんとの距離が近く、手応えを感じやすいという面があります。また、当時は会社が成長期だったので、比較的昇進のスピードが速く、昇進すれば収入も増えるなど、転職の好材料が多かったことも手伝っていたのかもしれません。
 
店舗の垣根を越えた飲み会は、ちょっとした同級会。そこではほとんど必ず仕事の話になります。もちろん愚痴めいた話題も出るでしょうが、誰かが口にした「楽しい」「待遇がいい」といった話はより魅力的に感じられるもの。誰しも「いい職場で働きたい」と思っているので、お酒の席での話が実際の転職行動を促したとしても、不思議ではないと思います。とはいえ、自分の考え一つで勢いに任せたように転職できるのも、若いうちの特権かもしれません。
 
私だったら、たとえ若い頃だったとしても、「自分の方が出来が悪かったら嫌だな」と考えてしまって、どんなにいい職場でも、友人がいるところへは転職できないですね。友人には、仕事で負けたくないですから。

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執筆/藤野紗衣(ふじの さえ)

東北大学薬学部卒業後、ドラッグストアや精神科病院、一般病院に勤務。現在はライターとして医療系編集プロダクション・ナレッジリングのメンバー。専門知識を一般の方に分かりやすく伝える、薬剤師をはじめ働く人を支えることを念頭に、医療関連のコラムや解説記事、取材記事の制作に携わっている。
ウェブサイト:https://www.knowledge-ring.jp/