ママ・パパ薬剤師の本音 更新日:2021.12.17公開日:2018.12.21 ママ・パパ薬剤師の本音

薬剤師として働きながら、育児や家庭も大事にしたい。ワークライフバランスを重視する薬剤師の働き方とは? 現役ママ薬剤師蓬原菜々さんが復職や働き方に関する本音を語ります!

Vol.4
ママ薬剤師のワークライフバランスとは

目次

ママ薬剤師ピンチ!? 朝から親子げんか

約3年のブランクを経て、小児科と内科循環器科を併設したクリニックの門前薬局でパート薬剤師として勤務することになった菜々さん。復職に成功した経緯は前回お届けした通り(Vol.3参照)。働き始めた菜々さんのある朝の風景です。

母「忘れ物ない?今日は仕事だから届けられないよ。大丈夫?」
娘「・・・・」
母「テストあるんじゃなかったっけ?」
娘「・・・・」
母「ちょっと聞いてるの?」
娘「うるさいなー、もう大丈夫って言ってるじゃん!!」

やってきました反抗期。上の子が小5の時は「なんかお母さんがかわいそうになってきた」と言われて、突然反抗期が落ち着きましたが、今回はどうなることやら…。

 

週2回のパートで働き始めた私は、当然ながら以前と同じように娘たちの面倒を見ることはできませんでした。
帰宅した子供達に「学校からのお便り出して」と声をかけるだけでは不十分で、ランドセルやリュックの中をチェックしないといけないとわかっているのに、そこまで手が回らず、朝バタバタしている時に「これ、もらった~」とその日が締め切りのお便りを差し出されて、「いつ、もらったの?」と朝から親子げんか。

ワークライフバランスにはシフト調整が鍵

気が付けば、復職した薬局という職場は私の大事な居場所のひとつになっていました。
職場に出勤することで気持ちを切りかえられるだけでなく、子育てでも先輩である先輩薬剤師から色々教わることもありました。

家族との時間も大切ですが、少しでも離れることで、お互いの大切さに気付くこともあります。
また、家庭以外の居場所を持つというのも大事なこと。薬局で働くことによって、家庭とは別の居場所ができ、「母」「妻」とは違う自分でいることができました。

シフトは、採用時に約束したとおり、週2回・午前中勤務。時々、お休みする方の代わりで1~2日出勤することもあります。シフトがきっちりしているので、仕事のない日は子供が学校へ行っている間に友人とランチするなど、ワークライフバランスはしっかりとれていると感じています。

薬局のオーナーさんがとても柔軟で優しい方なので、夏休み、雨で延期になった運動会…などでも快くお休みを頂き、本当に助かっています。

私の場合はオーナーさんとの相談でお休みも快く頂いていますが、友人の薬剤師は「同じ薬局で働く薬剤師どうしで相談して融通しあっている」といいます。普段から薬剤師同士のコミュニケーションが重要になってきます。
また、「休みは取りづらいけど、子供の学校の保護者会の時間だけ勤務から外してもらった」というママ薬剤師の友人もいます。

薬剤師がワークライフバランスを取りながら働くのは、やはり職場の人間関係が肝心。企業などに比べ、人数も少ない職場になることが多いので、オーナーさんや職場のスタッフとのコミュニケーションが何より大事です。

そして感謝の気持ちを忘れないようにすること。「ありがとう」と口に出すことを心がけています。
働きやすくしていくために必要なことは、人間関係が良好であるように努めることだと私は思います。

外資系製薬会社はやりがいはあるけれど…

外資系製薬企業に勤務していた頃は、激務ではありましたが、独身だったこともあり仕事に打ち込める状況でした。ハードワークでしたが、やりがいも充分ありました。
また、週3回新幹線で出張していた時期も、飛行機出張していたことも負担に感じることはなく、むしろ色々なところへ行けて楽しいと思っていました。

自分が妊娠してまず思ったことは、「仕事はどうするか?」でした。
職場を見渡すと、子育てしながら働いている方も結構いましたが、「帝王切開の2日前まで働いていた」「1歳になる前の子供がいるのに、夜中までの残業が当たり前の職場に配属された」など、妊娠、出産、育児の観点からは、働きやすい環境ではないことがわかりました。

子供との時間を十分にもつことができないのはもったいないし、私が求める生活ではないと感じ、出産を機に外資系製薬企業を退職しました。
今でも、子供がもう少し大きくなるまでは、もし機会があったとしても、外資系製薬会社でしていたような働き方は望んでいません。

思春期の娘たちは反抗期で大変ですが、
「ねぇ、私のこと好き?ほんと?」などと時折見せてくれる子供らしい姿は愛おしいもの。
何より子供たちの寝顔に癒されます。
さすがに寝ている時は反抗してきません!

【まとめ】ママ薬剤師のワークライフバランス3ポイント

内閣府「ワークライフバランス憲章」によると、ワークライフバランスとは、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」と定義しています。
蓬原菜々さんがたどり着いた、ワークライフバランスを取りながら働くための大事な3つのポイントをまとめると…。

1 普段から周囲とのコミュニケーションをしっかりとり、職場の人間関係を大事にする
2 周囲に「ありがとう」の言葉や感謝の気持ちを忘れない
3 こども(家族)のきずなの大切さに改めて気付く

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蓬原奈々(ふつはらなな)

2人の女の子を育てるママ薬剤師。東京薬科大学卒業後、メーカー勤務を経て大手外資系製薬会社へ転職。結婚・出産を経て退職し、夫の転勤でアメリカへ。幼子を抱えメリーランド州で3年間暮らしたのち帰国。現在は子育てと両立しながら薬局に勤務中。

蓬原奈々(ふつはらなな)

2人の女の子を育てるママ薬剤師。東京薬科大学卒業後、メーカー勤務を経て大手外資系製薬会社へ転職。結婚・出産を経て退職し、夫の転勤でアメリカへ。幼子を抱えメリーランド州で3年間暮らしたのち帰国。現在は子育てと両立しながら薬局に勤務中。