「薬局初任給」男性は「30万円以上」が最多‐薬学教育協議会調査
売り手市場で上昇ピークに
薬学教育協議会がまとめた「2016年3月薬系大学卒業生・大学院修了者就職動向調査」によると、6年制学科卒業生で最も就職者が多かった「薬局」の初任給の分布は男性が「30万円以上」、女性が「26万~28万円」が最多で、男性は「24万~26万円」にもピークがあったものの、売り手市場を反映して昨年より上昇傾向が見られた。約7割の就職者が24万~30万円以上の範囲にあった。
病院・診療所薬局の初任給は、国公立大学病院と自治体系病院で「20万~22万円」、私立大学病院と一般病院では「22万~24万円」が最も多かった。初任給が最も高額なのは、医薬品販売業のうちドラッグストアなどの一般販売業で、男女ともに昨年同様「30万円以上」が最多で4割を占めた。
初任給の調査は、就職者7751人のうち6099人(卒業生の78.7%)からの回答をもとに集計したもの。初任給は本俸を原則としつつ、職域・職場による解釈が異なる場合があることから、全体の傾向についての解析結果を示している。
初任給が最も高額な職種は、ドラッグストアなどの一般販売業で男女とも「30万円以上」が最多と、高止まりが続いている。就職者が最も多い薬局の初任給は、「16万~18万円」から「30万円以上」まで幅が見られたが、最も分布が多いのは男性で「30万円超」とさらに上昇傾向が見られた。女性は「26万~28万円」と昨年同様だった。
男女合わせると、分布が多かったのは「26万~28万円」が22.5%、「24万~26万円」が20.8%、「30万円以上」が17.0%、「28万~30万円」が14.5%と、約75%が24万~30万円以上の範囲にあり、昨年に比べて上昇傾向が見られた。
国立大学病院など国立系病院薬局の初任給は、男女とも「20万~22万円」が最も多く、男性の49.1%、女性の51.9%と約半数を占めた。次いで「22万~24万円」(男性8.9%、女性6.4%)だった。「公務員給与」の初任給も「20万~22万円」と考えられることから、国立系病院薬局の就職者の初任給は、過半数が「20万~22万円」の範囲にある昨年と同様の結果となった。
公立大学病院や自治体系病院薬局の初任給も、国立系とほぼ同様で、最多は「20万~22万円」だが、「22万~24万円」の回答が昨年よりも増えた。私立大学病院・一般病院薬局の初任給は、「22万~24万円」が最も多く、国公立よりも高く上昇傾向にあった。
一方、製薬企業など医薬品関連企業の初任給は、職種によってバラツキが大きいものの、ほとんどが「20万~28万円」の範囲にあった。研究・試験・製造職では「22万~24万円」が約3割と最多だったのに対し、開発・学術と医薬情報担当者(MR)の初任給は「24万~26万円」が約4割と最も多かった。昨年並みのMRに対し、開発・学術職の初任給は上昇傾向にあった。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
薬学教育協議会が「2016年3月薬系大学卒業生・大学院修了者就職動向調査」の結果を公表しました。ドラッグストアなどの一般販売職は男女とも「30万円以上」で、初任給が最も高額。就職者が最も多かった薬局での初任給は男性が「30万円以上」、女性が「26万~28万円」が最多という結果ということです。