薬剤師会

アレルギー基本方針で素案‐専門的な薬剤師等を育成

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省はアレルギー疾患対策推進協議会に、基本指針の素案を示しました。医療者にはアレルギー疾患の重症化予防、症状軽減に寄与するよう、その責務が明記されます。またアレルギー疾患に関して専門的な医師、薬剤師の育成のため、教育の充実も図るということです。

大学での教育、研鑽も促す

 

厚生労働省は15日、アレルギー疾患対策の推進に関する基本指針の素案を、アレルギー疾患対策推進協議会に示した。医療者に対して、アレルギー疾患の重症化予防、症状軽減に寄与するよう責務を明記。アレルギー疾患に関わる医療提供体制の確保に向け、専門的な医師、薬剤師等を育成する施策により医療者全体の知識・技能の向上を図るとした。また、大学の養成課程でアレルギー疾患の教育充実を進めるほか、関係学会の認定制度の取得等を通じた自己研鑽を促す施策も検討することを盛り込んだ。


 

素案では、アレルギー疾患の重症化を予防し、その症状を改善するためにはアレルゲンに曝露しないようにすることが有効とし、アレルゲン回避のための措置を講じること、生活環境の改善を図る重要性を強調した。また、アレルギー疾患の医療提供体制は、居住地域にかかわらず、等しく適切な医療を受けられるよう医療全体の質向上、医療提供体制のあり方を検討することが必要とした。

 

その上で、医療者に対しては、アレルギー疾患の重症化予防、症状軽減に寄与するよう努めると共に、科学的知見に基づく良質、適切なアレルギー医療を行うよう努めなければならないと責務を明記した。

 

アレルギー疾患の予防に向け取り組みが必要な施策としては、国に対して、花粉症患者の生活の質向上へ森林を適正に整備することや自動車からの排出ガス対策など環境基準の維持に努めることとし、受動喫煙防止をさらに推進することにより、喘息の重症化予防を図ることも盛り込んだ。

 

アレルギー疾患の医療提供体制を確保するための方針として、アレルギー疾患に携わる専門的な医師、薬剤師、看護師等の知識・技能を向上させる施策を通じ、医療者全体の知識・技能向上を図る。また、多岐にわたる診療科や専門医の偏在などから、アレルギー疾患の医療提供体制の地域間格差の大きさが指摘されていることから、全国的なアレルギー医療の拠点医療機関、地域の拠点医療機関、かかりつけ医との連携協力体制のあり方を検討するとした。

 

また、薬科大学などの養成課程におけるアレルギー疾患の教育充実を進めると共に、関係学会による認定制度の取得などを通じた自己研鑽を促す施策も検討していくことが必要とした。

 

アレルギー疾患研究の取り組みについては、アレルギー疾患の本態解明の研究を推進し、アレルゲン免疫療法をはじめとする根治療法の開発を目指すと共に、専門的なアレルギー医療を提供する医療機関と臨床研究中核病院などとの連携体制を整備し、世界に先駆けた革新的なアレルギー疾患の予防、診断、治療法を開発し、病態解明につながる研究を推進するよう努めることが必要とした。

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出典:薬事日報

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