ラミクタールにブルーレター‐皮膚障害発現し4例が死亡
厚生労働省医薬食品局安全対策課は4日、グラクソ・スミスクライン(GSK)の抗てんかん薬、双極性障害治療薬「ラミクタール錠小児用2mg、同錠小児用5mg、同錠25mg、同錠100mg」(一般名:ラモトリギン)を過量投与された患者が昨年9月から4カ月間で、薬剤性過敏症症候群(DIHS)などの重篤な皮膚障害を発現し4人が死亡したことを受け、用法・用量の順守を注意喚起する安全性速報(ブルーレター)を配布し、医療現場に周知するようGSKに指示した。
ラモトリギンは、ナトリウムチャネルを抑制することで神経膜を安定化させ、グルタミン酸等の興奮性神経伝達物質の遊離を抑制する作用を持つ。特に初期の服用段階で用法・用量を超えて投与された場合に皮膚障害の発現率が高い。
ブルーレターでは、▽投与開始時は定められた用法・用量を超えない▽バルプロ酸ナトリウム併用時の投与開始2週間までは隔日投与にする(成人のみ)▽維持用量までの漸増時も定められた用法・用量を超えない▽増量時期を早めない▽発疹に加え、発熱(38℃以上)、眼充血、口唇・口腔粘膜のびらん、咽頭痛、全身倦怠感、リンパ節腫脹などの症状が現れた場合には投与を中止する▽処置が遅れると重篤な転帰をたどることがあるので、早い段階で皮膚科専門医に相談し、適切な処置を行う▽患者または家族に対して、発疹や症状が現れた場合には直ちに受診し、医師・薬剤師に同剤を服用している旨を伝えるよう指導する――ことを注意喚起した。
厚労省によると、同剤の2008年12月12日の販売開始から昨年12月31日までの推定使用患者数は約37万6000人。
販売開始から先月26日までの間に、同剤の投与で重篤な皮膚障害が発現し、死亡に至った症例が16例報告されているが、直近の4カ月間で死亡した4例はいずれも用法・用量が守られておらず、厚労省は注意喚起を徹底する必要があると判断。
さらなる適正使用の徹底を図るべく、注意喚起のレベルを上げ、ブルーレターを配布してリスクを周知する措置をとった。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
ラミクタールの過量投与により、昨年9月からの4ヵ月間で4人が死亡しています。厚生労働省は注意喚起のレベルを上げ、安全性速報(ブルーレター)を配布しました。