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国内初の飲酒量低減薬が登場‐新薬2件の承認・一変了承

薬+読 編集部からのコメント

国内初の飲酒低減薬「セリンクロ錠10mg」(大塚製薬)が承認されました。
既に承認済の3品はすべて断酒状態で使用しますが、この新たな「セリンクロ錠10mg」は、必ずしも断酒が必要ではななく、アルコール依存症患者の飲酒量低減を効果・効能とする薬剤は、国内初となっています。

薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は9日、大塚製薬の国内初となる飲酒量低減薬「セリンクロ錠10mg」(一般名:ナルメフェン塩酸塩水和物)の製造販売承認など2件を審議し、了承した。また、サノフィの高コレステロール血症治療薬「プラルエント皮下注75mgペン、同150mgペン」(一般名:アリロクマブ(遺伝子組み換え)の一部変更承認について報告を受けた。

審議品目
▽セリンクロ錠10mg(大塚製薬):新有効成分のナルメフェン塩酸塩水和物を含有し、アルコール依存症患者の飲酒量低減を効能・効果とする。国内では断酒状態で使用する薬剤が3品目承認されているが、セリンクロ錠では必ずしも断酒が必要ではない。飲酒量の低減を目的とした効能・効果を持つ薬剤は同剤が初めてとなる。

用法・用量は、1回10mgを飲酒の1~2時間前に経口投与するが、1日1回までとする。症状により適宜増量できるものの、1日量は20mgを超えないこととしている。再審査期間は8年。海外では、アルコール依存症に関連する効能・効果で欧州など42の国・地域で承認されている。

▽プレセデックス静注液200μg「ファイザー」、同200μg/50mLシリンジ(ファイザー)、プレセデックス静注液200μg「マルイシ」、同200μg/50mLシリンジ(丸石製薬):有効成分のデクスメデトミジン塩酸塩を含有するα2作動性鎮痛剤。集中治療における人工呼吸中と離脱後の沈静を効能・効果とし、新たに小児向けの用法・用量を追加する。

用法・用量は、6歳以上の小児に対して0.2μg/kg/時の投与速度で静脈内に持続注入し、患者の状態に合わせて至適鎮静レベルが得られるよう0.2~1μg/kg/時の範囲で持続注入する。修正在胎(在胎週数+出生後週数)45週以上6歳未満の小児には、0.2μg/kg/時の投与速度で静脈内に持続注入し、患者の状態に合わせて至適鎮静レベルが得られるよう0.2~1.4μg/kg/時の範囲で持続注入する。

再審査期間は4年。海外で小児に対する用法・用量は承認されていない。

報告品目
▽プラルエント皮下注75mgペン、同150mgペン(サノフィ):有効成分のアリロクマブ(遺伝子組み換え)を含有する高コレステロール血症治療薬で、HMG-CoA還元酵素阻害剤を用いた治療が適さない患者を新たに投与対象に追加する。

用法・用量は、HMG-CoA還元酵素阻害剤の治療が適さない患者に対して、150mgを4週に1回皮下投与し、効果不十分な場合には150mgを2週に1回投与に増量できる。

再審査期間は残余の2024年7月3日まで。海外では、米国と欧州を含む60以上の国と地域で承認されている。

1件をオーファン指定
また、この日の部会では、ノバルティスファーマのシポニモドフマル酸を希少疾病用医薬品に指定することを了承した。同剤の予定される効能・効果は、二次性進行型多発性硬化症(SPMS)の再発予防および身体的障害の進行抑制。

指定難病のSPMSは、徐々に歩行能力の低下、認知機能障害など日常生活に深刻な影響を与える障害が発現し、最終的には歩行困難となる。

多発性硬化症による身体的障害の進行を抑制する薬剤としては、インターフェロンβ-1b、フィンゴリモド、ナタリズマブなどが使用されているが、現時点ではSPMS患者に十分な有効性のエビデンスを示す治療薬がないことから、医療上の必要性が高いと判断。国際共同第III相試験の結果、有効性・安全性に特段の問題が見られなかったことから、開発の可能性は高いとした。

 

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出典:薬事日報

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