薬情を郵便以外でも配送可‐運送業者の新規参入視野
経産省が見解
経済産業省は、処方薬を患者に配送する際に同封される薬剤情報提供書について、郵便法で日本郵便以外の運送業者なども配送することが認められる「貨物に添付する無封の添え状または送り状」に該当し、郵便・信書便以外の運送方法で送ることが可能との見解を示した。
経産省が運用する「グレーゾーン解消制度」では、企業が実施する事業が規制対象になるかどうかを事業者が照会できる。今回、ある事業者が同制度を活用して事業者に対する規制の適用の有無について政府に照会したことを受け、同省が見解を示した。
今回のケースは、処方薬を患者に配送する際に同封される、薬剤名称や用法・用量などを記載した薬剤情報提供書が郵便法の貨物に添付する無封の添え状または送り状に該当し、日本郵便以外の運送業者などが配送することが認められるかというもの。
郵便法第4条では、日本郵便以外の運送業者などが他人の信書を送ることを禁じているものの、貨物に添付する無封の添え状または送り状は例外としている。
経産省が規制を所管する総務省に確認したところ、提供書について「患者という特定の受取人に対し、使用方法などの事実を通知することから信書に該当する」と回答。一方で、「貨物である調剤された薬剤と一緒に送ることを想定しており、薬局が患者のために調剤した薬剤が主体であり、文書は従として添えられたもの」としたほか、「内容は送付される貨物の目録や性質、使用方法を説明する文書および当該貨物の送付と密接に関連した簡単な通信文である」としている。
総務省の回答を踏まえ、経産省は薬剤情報提供書を郵便・信書以外の運送方法で配送することが認められるとした。経産省は、薬剤情報提供書を運送業者などが配送することにより処方薬の送達サービスの導入が進み、治療中断による重篤化が減少することが期待されるとしている。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
経済産業省は、処方薬の配送時に同府する「薬剤情報提供書」を郵便以外の方法で送ることを認める見解を示しました。これまで郵便法第4条により「薬剤情報提供書」は、薬名や用法、容量が記載された信書であり、日本郵便以外の運送業者が送ることは禁じられていました。