研究論文10編で不正行為~神戸学院大学で実験データ数値を改ざん
神戸学院大学は6月27日、薬学部助教が発表した論文に不正があったとの調査結果を発表した。不正が発覚したのは2009年から17年までに助教が発表した10編。論文の主張に有利に働くよう実験データの数値を改ざんしていた。
助教らは、調査委員会からの論文の取り下げ勧告を受諾し、助教は昨年7月31日付で大学を依願退職した。教授は不正行為に直接は関与していないが、責任著者の注意義務を怠ったとして、学内の調査委員会は処分などを検討する。
大学側は不正の要因について、助教のコンプライアンス意識の低さや研究目標達成への重圧があったとししている。論文の本数や研究資金の獲得など、心身ともに追い詰められていたという。
また、共同研究者が助教の作成した図表や論文の根拠となる生データや実験ノートの確認を怠るなど、チェック体制が機能していなかった。
昨年1月末に学生から所属研究室の実験データ改ざんの疑いに関する相談があった。同年5月24日に学生から薬学部長に対し、同じ相談が寄せられて不正が発覚した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
神戸学院大学で薬学部助教授による研究論文の不正があったことが発覚しました。不正が発覚したのは、2009年~2017年までに発表された10編であり、実験データ改ざんの疑いに関する相談が学生から寄せられたことで発覚しました。同大学は、不正の要因として助教授のコンプライアンス意識の低さや研究目標達成への重圧のほか、共同研究者によるチェック体制が機能していなかったことなどを挙げています。