初の鼓膜穿孔治療薬など審議~8月1日に医薬品第一部会
薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は8月1日、ノーベルファーマの初の鼓膜穿孔治療薬「リティンパ」(一般名:トラフェルミン遺伝子組み換え)など3件の製造販売承認について審議する。審議予定品目は以下の通り。
▽リティンパ耳科用250μgセット(ノーベルファーマ):有効成分のトラフェルミン(遺伝子組み換え)を含有し、鼓膜に孔ができて疼痛や出血などを引き起こす鼓膜穿孔を効能・効果とする。添付のゼラチンスポンジに同剤を浸し、鼓膜の孔に詰めることで患部を修復する。鼓膜穿孔を効能・効果とする医薬品の登場は初めて。
▽ハルロピテープ8mg、同16mg、同24mg、同32mg、同40mg(久光製薬):有効成分のロピニロール塩酸塩を含有し、パーキンソン病を効能・効果とする。パーキンソン病を効能・効果とする貼付剤は、大塚製薬のニュープロパッチに続く2番目となる。
▽フィアスプ注フレックスタッチ、同注ペンフィル、同注100単位/mL(ノボノルディスクファーマ):有効成分のインスリンアスパルト(遺伝子組み換え)を含有し、インスリン療法が適応となる糖尿病を効能・効果とする。効果が発現するまでの時間が同社のノボラピッドより早く、食直前と食事中に使用できる。
さらに、ノバルティスファーマの抗癌剤「アフィニトール」など3件の一部変更承認について報告が行われる予定。
▽アフィニトール錠2.5mg、同5mg、同分散錠2mg、同3mg(ノバルティスファーマ):有効成分のエベロリムスを含有する抗癌剤で、効能・効果の結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫、上衣下巨細胞正星細胞腫のうち「結節性硬化症に伴う」を削除し、投与対象者を拡大する。希少疾病用医薬品に指定。
▽献血ベニロン-I静注用500mg、同1000mg、同2500mg、同5000mg(KMバイオロジクス):有効成分の乾燥スルホ化人免疫グロブリンを含有する血漿分画製剤で、「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の筋力低下の改善」を効能・効果に追加する。
▽テリボン皮下注28.2μgオートインジェクター(旭化成ファーマ):有効成分のテリパラチド酢酸塩を含有する骨粗鬆症治療剤で、新たにオートインジェクターを剤形に加えることで、自己注射が可能となる。投与頻度も現在の週1回から週2回に変え、用量も変更する。
また、この日の部会では日本新薬の「ビルトラルセン」について、希少疾病用医薬品に指定するかどうかも審議する。
▽ビルトラルセン(日本新薬):予定される効能・効果は、エクソン53スキッピングによって、治療可能なジストロフィン遺伝子の欠失が確認されているデュシェンヌ型筋ジストロフィー。
先駆け審査指定制度の対象品目に指定。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は8月1日に、鼓膜穿孔治療薬として初めて「リティンパ」(ノーベルファーマ)について審議します。他にも「ハルロピテープ」(久光製薬)、「フィアスプ注フレックスタッチ」「同注ペンフィル」(ノボノルディスクファーマ)、「アフィニトール錠」(ノバルティスファーマ)、「献血ベニロン-I静注用」(KMバイオロジクス)、「テリボン皮下注」(旭化成ファーマ)、「ビルトラルセン」(日本新薬)が審議予定品目となっています。