薬局負担軽減の仕組みを~電子処方箋運用へ方向性
厚生労働省の検討会は15日、健康・医療分野のデータ利活用のあり方に関する今後の方向性をまとめた。2023年度からの電子処方箋の本格運用に必要な環境整備については、全国で利用できるものとするほか、薬局や医療機関の負担軽減に役立つ仕組みとすることを明記。処方箋の真正性確保のあり方の検討も盛り込んだ。厚労省は、7月に策定予定の「骨太方針2020」に盛り込みたい考え。
検討会では、健康・医療分野のデータ活用によって国民の健康寿命延伸や利便性向上を目指し、▽電子処方箋実現に向けた環境整備▽医療等情報を本人や全国の医療機関で確認・利活用できる仕組み▽健診・検診情報を本人が電子的に確認・利活用できる仕組み――について作業部会を設置。各項目の方向性を議論してきた。
その方向性を見ると、電子処方箋の実現に向けた環境整備では、電子処方箋を全国で利用できるものとし、患者の利便性向上と共に、重複投薬の回避、薬局や医療機関の負担軽減にも貢献する仕組みにすることとした。
リアルタイムで情報共有する仕組みとして、医療機関と薬局を結ぶ全国的なオンライン資格確認システムネットワークの活用、処方箋の真正性確保のあり方について検討することも盛り込んだ。
医療等情報を本人や全国の医療機関で確認・利活用できる仕組みのあり方に関しては、救急や感染症拡大期など緊急時やかかりつけの医療機関で受診することが難しい場合でも必要な医療情報を迅速に把握するため、全国一律に集約されているオンライン資格確認システムにある薬剤情報だけでなく、手術情報も活用することとした。
全国の医療機関で医療情報を活用する際は、地域医療情報連携ネットワークにおける取り組みも踏まえながら運用方法を検討するとした。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
厚労省の検討会は、7月策定予定の「骨太方針2020」に盛り込む意向で、健康・医療分野のデータ利活用のあり方に関する今後の方向性をまとめました。2023年度からの電子処方箋本格運用に必要な環境整備については、全国で利用できるものとするほか、薬局や医療機関の負担軽減に役立つ仕組みとすることを明記。処方箋の真正性確保のあり方の検討なども盛り込まれています。電子処方箋実現に向けた環境整備では、全国で利用できるものとし、患者の利便性向上と共に、重複投薬の回避、薬局や医療機関の負担軽減にも貢献する仕組みにすることとしています。