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薬局倒産、過去最多見通し~コロナ直撃で販売不振 

薬+読 編集部からのコメント

東京商工リサーチが公表した2021年1~8月における調剤薬局の倒産件数は22件と、前年同期の12件から大幅に増加して過去最多に。新型コロナウイルス関連倒産は4件で、その大半がコロナ禍による販売不振を原因としています。11億円超の負債を抱えていた調剤薬局はコロナ関連が原因の倒産ではなく、設備投資等にかけた費用が経営に悪影響しました。一方、調剤薬局を除いた医薬品小売業の倒産件数は6件。ドラッグストアの倒産はなしと、前年同期を下回っており、マスクや消毒液等の衛生用品の売上増が一因と見られています。

淘汰加速の可能性も

 

新型コロナウイルスの感染拡大が調剤薬局の経営に悪影響を与えている。東京商工リサーチが公表した今年1~8月の調剤薬局の倒産件数は22件で過去最多となった。コロナ関連倒産は4件で、販売不振を原因とするものが多数を占めた。負債総額も約26億円で過去最大となり、年間倒産件数が30件を超える可能性もあると分析した。

 

1~8月に倒産した調剤薬局は22件で、前年同期の12件から大幅に増加した。2004年の調査開始以降で年間最多だった17年の17件を更新した。22件のうち、新型コロナウイルス関連の倒産は4件で、前年の1件を上回った。4件の大半が、コロナ禍による販売不振を原因としている。

 

倒産件数が過去最多となった背景として、同社情報本部は「大手調剤との競合、ドラッグストアの調剤併設、薬価改定などの経営環境悪化で、14年以降は年間10件以上の倒産が発生していた」と近年は倒産件数が増加基調にあったと説明した上で、「新しい生活様式が浸透して患者数が減少し、処方箋応需枚数が大幅に減少した。今年は30件台に到達する可能性も出てきた」と事業環境の厳しさにコロナによる影響が直撃したとの見方を示した。

 

倒産原因として、「販売不振」が16件(前年同期比220%増)で全体の72.7%を占めた。「事業上の失敗」と「赤字累積」が各2件、「運転資金の欠乏」と「他社倒産の余波」が各1件だった。また、販売不振と赤字累積を合わせた「不況型倒産」は18件で、全体の8割以上となった。

 

負債総額も25億9100万円と、前年同期比306.7%増で過去最大となった。

 

内訳は、11億9000万円が1件(4.5%)、1億円以上が4件(18.2%)で計9億2300万円、5000万円以上が2件(9.1%)で計1億4600万円、1000万円以上が15件(68.2%)で計3億3200万円。

 

11億円超の負債を抱えていた調剤薬局はコロナ関連を原因とする倒産ではなく、設備投資等にかけた費用が経営に悪影響した。

 

一方、調剤薬局を除いた医薬品小売業の倒産件数は6件(前年同期は5件)、ドラッグストアの倒産はなし(4件)と、前年同期を下回った。マスクや消毒液等の衛生用品の売上増が一因と見ている。

 

調査結果について、「行政や金融機関による資金繰りの支援策等で他業種の倒産件数は比較的抑えられているが、調剤薬局では倒産件数の増加が目立っている。患者数の減少が恒常化すれば、調剤薬局の淘汰が加速する可能性もある」と分析した。

 

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出典:薬事日報

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