風疹追加対策3年延長へ~抗体非保有男性への接種
厚生科学審議会予防接種基本方針部会と感染症部会の合同会議は17日、風疹に対する抗体を保有していない男性のワクチン接種を促す追加対策を2022年度から3年間延長することを決めた。新型コロナウイルスの影響による受診控えなどにより目標達成が困難となったため。促進策として、風疹定性検査キットの導入などを行う方針。
発熱や発疹等が発現する風疹をめぐっては、18年夏以降に東京都などで罹患者が増加し、30~50代(当時)の男性が多数を占めた。そのため、過去に定期接種の機会がなく、抗体保有率が低い1962~78年度生まれの男性約1610万人を対象に、国は19年度から3年間かけて追加対策を実施。
具体的には、市町村の医療機関が抗体検査を行い、検査で陰性反応が出た人にワクチン接種する。現役世代に当たることから、特定健診、事業所健診でも抗体検査を受けられるようにしている。検査、接種共に無料で受けられる。
追加対策の実施により、今年7月までに同世代の抗体保有率を当時の約80%から85%まで引き上げ、今年度末までに90%を達成目標としていた。
ただ、新型コロナウイルス感染拡大による受診控え、健診の実施時期見直しなどが影響し、達成が難しい状況となっている。
厚生労働省はこの日の合同会議で、目標の達成時期を延長し、追加的対策の継続を提案した。
対象となる男性の抗体保有率について、22年12月までに85%に引き上げ、24年度末までに90%を目標とした。
従来は対象世代を分割して3年間かけてクーポンを配布していたが、目標達成を促すため、抗体検査を受けていない人全員にクーポンを毎年、一斉送付することとした。
利便性向上のため、約30分で結果が判明して検査当日に予防接種の可否を判断できる、風疹定性検査キットも導入する。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
12月17日、厚生科学審議会予防接種基本方針部会と感染症部会の合同会議は、風疹に対する抗体を保有していない男性のワクチン接種を促す追加対策を2022年度から3年間の延長を決定。新型コロナウイルスの影響による受診控えなどにより目標達成が困難となったための処置です。従来は対象世代を分割して3年間かけてクーポンを配布していたが、目標達成を促すため、抗体検査を受けていない人全員にクーポンを毎年、一斉送付。利便性向上のため、約30分で結果が判明し、検査当日に予防接種の可否が判断できる「風疹定性検査キット」も導入します。