後発品加算の見直し懸念~「現場感覚から厳しい」の声
22年度改定でパブコメ
中央社会保険医療協議会は2日の総会で、「2022年度診療報酬改定に係る議論の整理案」に関する意見の募集結果を公表した。後発品調剤体制加算の要件・評価の見直しについては、「変更不可の処方や昨今の後発品の供給問題、一部の患者による先発品希望などによって、これ以上の進展は現場感覚から厳しいと言わざるを得ない」と厳しい対応を懸念する声が目立った。
厚生労働省は、22年度診療報酬改定で後発品調剤体制加算について、後発品の調剤数量割合の基準を引き上げ評価を見直すと共に、調剤数量割合が4割以下の薬局に対する調剤基本料の減算規定についても評価を見直し、対象となる薬局の範囲を拡大するとの改定案を示した。
今回、後発品調剤体制加算の見直しに対するパブリックコメントには26件の意見が寄せられ、中でも後発品の出荷調整などで薬局で調達が困難になっていることを踏まえ、「これ以上の進展は現場感覚から厳しいと言わざるを得ない」との回答が11件を占めた。
また、「先発品で変更不可で処方している医療機関側の大幅な減算は検討していないのか。先発品を中心に使用している医療機関の門前は後発品の活用を患者に促しても変更不可医薬品では対応できない」との意見も5件あった。
調剤基本料について、損益率の状況等を踏まえ、同一グループ全体の処方箋受付回数が多い薬局および同一グループの店舗数が多い薬局に係る評価の見直しについても、55件の意見が集まり、「多店舗展開する薬局に対する低評価が疑問」との意見が半数以上の29件を占めた。「多店舗展開やチェーン薬局企業なども個人薬局等と同等の地域社会の貢献、患者の健康サポートを有している薬局もあるため、一概には全てのチェーン薬局の点数を下げる方針はいかがなものかと感じる。薬局機能・かかりつけを有している薬局個別ごとに点数での評価することがいいのではないか」とした。
次いで、「医薬分業、特に面分業、地域のかかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師を推進しているはずなのに、損益率など効率性を評価指標に入れるのはいかがなものか」との声が多かった。
処方箋等に理由を記載することなく処方ができる湿布薬の枚数の上限70枚の見直しについても、「湿布薬の処方枚数上限はその製品の用法・容量に即して検討されるべき」との反対意見が目立った。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
中央社会保険医療協議会は総会(2月2日)において、「2022年度診療報酬改定に係る議論の整理案」に関する意見の募集結果を公表。後発品調剤体制加算の要件・評価の見直しについては、「変更不可の処方や昨今の後発品の供給問題、一部の患者による先発品希望などによって、これ以上の進展は現場感覚から厳しいと言わざるを得ない」と厳しい対応を懸念する声が目立っています。厚労省では22年度診療報酬改定で後発品調剤体制加算について、対象薬局の範囲を拡大するとの改定案を提示していました。