ADの行動障害で米申請へ~抗精神病薬「レキサルティ」【大塚ホールディングス】
大塚ホールディングスは7月29日、2022年12月期第2四半期決算説明会で、主力品である抗精神病薬「レキサルティ錠」(一般名:ブレクスピプラゾール)の新たな適応として日本を含め開発しているアルツハイマー型認知症に伴う暴言、暴力、錯乱など行動障害(アジテーション)について、今年度にも米国で承認申請する方針を明らかにした。また、既存治療で十分な効果を示さない高血圧患者を対象に、日米で開発している血圧に関与する腎交感神経を焼灼する低侵襲機器も今年度中に米国で承認申請する方針を示した。いずれも承認されれば、世界初。同社の次期成長戦略品と位置付けられている。
高血圧治療の低侵襲機器も
樋口達夫社長兼CEOは、二つのプロジェクトの進展について「社会課題の解決につながる成果だ」と強調した。
「レキサルティ」の新適応については第III相試験で主要評価項目を達成した。アルツハイマー型認知症患者の半数以上は暴言、暴力、錯乱などの行動障害を起こすと言われる。それに対し介護する家族の7割が睡眠障害や不安、うつなどを伴う高い負荷がかかっているという。
しかし、行動障害に対する治療薬はない。同剤はこの適応でファストトラック指定を受けている。樋口氏は「早期に製品価値を最大化する戦略を展開する」と表明した。
また、既存治療で十分な効果を示さなかった高血圧患者を対象に、日米で開発している血圧に関与する腎交感神経を焼灼する低侵襲機器についてもピボタル試験で主要評価項目を達成した。「超音波腎デナベーションシステム」と呼ぶ機器は、バルーンカテーテル内部を還流水で循環冷却することで血管内壁を保護しながら、腎交感神経の一部を超音波で焼灼する。それにより、腎交感神経の過活動を抑制、血圧を下げる。ブレークスルーデバイスに指定されている。
同社は、血圧コントロールができず脳卒中、心筋梗塞などのリスクの高い患者に対する新たな治療法と位置付け、健康寿命の延伸に向け「高血圧の未充足課題解決」を目指している。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
大塚ホールディングスは7月29日、主力品である抗精神病薬「レキサルティ錠」(一般名:ブレクスピプラゾール)の新たな適応や、日米で開発している高血圧治療の低侵襲機器について、今年度にも米国で承認申請すると公表しました。新たな適応とは、アルツハイマー型認知症に伴う暴言、暴力、錯乱などの行動障害(アジテーション)です。アルツハイマー型認知症患者の半数以上は暴言、暴力、錯乱などの行動障害を起こすと言われており、介護者の負担軽減などの社会課題解決に繋がると期待されます。