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「妊婦にARB」注意喚起~医薬品適正使用を周知

薬+読 編集部からのコメント

PMDA(医薬品医療機器総合機構)は5月9日付で血圧降下・血管拡張剤のレニン-アンジオテンシン系阻害作用32成分を含有する医療用医薬品の添付文書改訂が指示されたことに伴って、妊娠中の女性に投与しないことなどを求める「医薬品適正使用のお願い」を周知しました。具体的には、投与開始前に妊娠していないことを確認するほか、投与中も妊娠していない可能性を定期的に確認し、妊娠が判明した場合には直ちに投与を中止するものです。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、9日付で血圧降下・血管拡張剤のレニン-アンジオテンシン系阻害作用32成分を含有する医療用医薬品の添付文書改訂が指示されたことに伴い、妊娠中の女性に投与しないことなどを求める「医薬品適正使用のお願い」を周知した。

 

厚生労働省が添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう製造販売業者に指示したのは、アジルサルタン、バルサルタンなどアンジオテンシンII受容体拮抗剤(ARB)20成分、ベナゼプリル塩酸塩などアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)10成分、直接的レニン阻害剤のアリスキレンフマル酸塩1成分、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤のサクビトリルバルサルタンナトリウム水和物1成分の計32成分のいずれかを含有する医療用医薬品。

 

改訂内容として、「特定の背景を有する患者に関する注意」の項目に、妊娠する可能性のある女性を追記した。妊娠していることが把握されずに投与され、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が確認された事例が報告されていることを記載した。

 

投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与するとしたほか、投与が必要な場合の注意事項も記した。

 

具体的には、投与開始前に妊娠していないことを確認するほか、投与中も妊娠していない可能性を定期的に確認し、妊娠が判明した場合には直ちに投与を中止する。妊娠中に投与した場合は胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること、判明した場合は速やかに担当医に相談することを患者に説明することとした。

 

PMDAは、2014年にもレニン-アンジオテンシン系阻害作用を持つ医薬品に関する適正使用のお願いを周知していた。ただ、周知後の約8年間で妊娠中の曝露により胎児・新生児への影響が疑われた事例が24件確認され、このうち妊娠が把握されないまま投与を継続した事例が11件あったことから、添付文書改訂のタイミングで改めて周知が必要と判断した。

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出典:薬事日報

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