医療

【厚労研究班調査】「口頭でやり取り」が大半~リフィルの薬剤交付判断

薬+読 編集部からのコメント

リフィル処方箋は2022年4月の診療報酬改定で導入されたものの、詳細な運用ルールや患者評価の方法などが未整備な実態にあります。その約85%が全て同一薬局で応需されていた一方、薬剤師が継続して薬剤交付を実施するべきかどうかの判断は「口頭でのやり取りのみの確認」が大半だったことが、厚労研究班による実態調査で判明しました。

リフィル処方箋の約85%が全て同一薬局で応需されていた一方、薬剤師が継続して薬剤交付を実施するべきかどうかの判断は「口頭でのやり取りのみの確認」が大半だったことが、厚生労働科学研究「リフィル処方箋に係る薬局薬剤師による処方医へのより有効な情報提供等に関する手引きの作成についての調査研究」(研究代表者:帝京大学大学院公衆衛生学研究科今井博久教授)の研究班による実態調査で分かった。

 

リフィル処方箋をめぐっては、昨年4月の診療報酬改定で導入されたものの、詳細な運用ルールや患者評価の方法などが未整備な実態がある。実態調査は、全国の薬局にウェブ上でアンケートを実施し、解析対象として258薬局、患者総数2032人のデータを収集した。

 

その結果、84.1%が同一薬局で応需していることが分かった。リフィル処方箋を利用したことのある患者年齢層は、70代が約2割で最も多かった。

 

リフィル処方箋の1回当たりの処方日数について、現在最大90日までと定められているが、28~55日の処方が40.8%で最も多く、次に90日が28.7%、56~89日が27.7%と続いた。

 

リフィル処方箋の発行経緯については、「医師からの提案」39.7%、「患者からの提案」29.7%となった。医師から提案する理由は、「安定した軽症の患者への診療時間を減らし、不安定で中等症から重症の患者に時間を割きたいから」「医師の働き方改革の一環で病院の外来受診患者数を減らし、病院勤務医師の負担を減らしたいから」などの理由が挙がった。

 

ただ、薬剤師が継続して薬剤交付を実施するべきかどうかの判断をどのように行っているのか聞いたところ、「口頭でのやり取りのみの確認」が大半を占めた。そのほか、チェックシートの利用や来局前フォローアップによる聴取内容を参考にするなどが挙げられた。

 

処方元の医療機関との連携については、「必要時に実施している」が61.0%で最も多く、「患者ごとに毎回実施している」32.2%、「未実施」6.8%となった。

 

同研究班は「継続して薬剤を交付する判断を口頭で尋ねるのみで行っていることが多いことが明らかとなり、長期間服用により惹起される副作用、アドヒアランスの低下の有無などを正確に把握できていないのではないか」とし、処方箋の応需対応とは異なる確認作業の必要性を訴えている。

 

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出典:薬事日報

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